筋トレは下ろす動作を大切に

スロートレーニングは、ゆっくりとした動作で筋トレを行い、エクササイズ中は筋肉に力が入りっぱなしの状態を維持することが大切です。

こう聞くと、簡単そうに思えるのですが、実際にスロトレをやってみると、筋肉に力が入りっぱなしの状態を維持できていないことがあります。力が抜けているという自覚があればよいのですが、おそらく、筋肉に力が入りっぱなしの状態を維持できていない人というのは、力が抜けているということをわかっていないでしょう。

スロトレ歴が長い方も一度確認して欲しいのですが、エクササイズ中の下ろす動作の時に一瞬力が抜けていないでしょうか?

重力に逆らいながら下ろす

スロトレ中に苦しくなってくると、ついつい下ろす動作が雑になることがあります。

3秒で下すところを苦しいからといって1秒に短縮すると、重力で体が下がってしまうので、一瞬力が抜けてしまいます。これがエクササイズ中、筋肉に力が入りっぱなしの状態を維持できていないということです。

苦しい時は、ちょっと力を入れただけでも、しんどく感じるものです。そのため、下ろす動作が少々雑になったとしても、しんどく感じているから、筋肉から力が抜けていることに気付きにくいのです。

一方、上げる動作の時はどうでしょうか?

上げる動作は重力に逆らっているので、当然ながら体を持ち上げる時には、筋肉に力を入れなければなりません。筋トレを早い動作で行っている時は、反動を利用して体を持ち上げるので、一瞬筋肉から力が抜けることがあります。でも、スロトレの場合は、体を下げた後、1秒静止してから上げる動作に移行するので、反動を利用できません。筋力だけで体を持ち上げますから、基本的に筋肉から力が抜けるということはないでしょう。

したがって、スロトレだけでなく通常の筋トレの場合でも、下ろす動作を丁寧に行うことが筋力アップには大切なんですね。

上げる動作も下ろす動作も同じ力が必要

早い動作で筋トレをしていると、体を下す時に筋肉から力が抜けやすくなるので、エクササイズ中は下ろす動作よりも上げる動作の時の方がしんどく感じます。なので、多くの方は、体を持ち上げる時こそ筋力アップのチャンスと思っていることでしょう。

しかし、ゆっくりとした動作で筋トレをする場合は、上げる時も下ろす時も同じだけの力が必要になるということをご存知でしょうか。石井直方教授の著書「筋肉革命」にもそのように述べられています。

ダンベルを持ち上げたときも、下ろした時も、発揮される筋力は同じです。ダンベルを下ろそうとするときには、落とさないようにダンベルをしっかりと支えながら下ろさなければなりません。じつは、このときにも、ダンベルを持ち上げるときと同じ筋力が必要なのです。(156ページ)

この事実を知ったのですから、今日から下ろす動作も丁寧に行ってください。

今までは下ろす動作が雑だったと思う方は、下ろす動作を丁寧に行うだけで、今まで以上に効果的に筋肉を鍛えることが可能です。単純に考えて、下ろす時は重力に任せて下ろし、上げる動作の時だけ筋肉に力を入れていたわけですから、下ろす動作も丁寧に行えば、今までの2倍の時間、筋肉に力を入れることになるので、その分効果も上がるはずです。

スロトレの効果をイマイチ実感できていないという方は、下ろす動作が雑なのかもしれません。下ろす動作も丁寧に行えば、今までよりも効果的に筋肉に負荷をかけることができますよ。

参考文献