筋力アップのためのタンパク質摂取は目標体重を基準にすべき

筋力アップのためには、筋トレで筋肉を鍛えることは大切ですが、食事にも気を使わなければ、なかなか筋肉が付きません。

私自身、これまでそれほど食事に気を使っていなかったこともあり、スロートレーニングを続けていても、体は引き締まっていくのですが、筋肉がなかなか大きく育っていません。もちろん、スロトレを始めたころよりも筋肉は付いているのですが、体重が増えていないので、服を着ていると、スロトレ開始前とほとんど見た目の体形に変化がありませんね。

筋肉を付けるための食事は、良質なタンパク質を多く摂取することが基本。ところで、タンパク質をどの程度補給すれば、筋力アップに効果が出るのでしょうか?

タンパク質なら何でも良いわけではない

食事でタンパク質を多く摂取すれば、筋肉が付くのなら、手当り次第にタンパク質が含まれている食品を食べれば良さそうに思います。

でも、タンパク質なら、どれでも同じというわけではありません。分子栄養学の研究者の三石巌先生は、良質なタンパク質の補給が体の組織を作るために重要だと述べています。

タンパク質の良質度は、プロテインスコアという指標で知ることができます。三石先生の著書「医学常識はウソだらけ」に掲載されているプロテインスコアの表から比較的プロテインスコアの高い品目を以下に列挙します。

  1. 卵=100
  2. サンマ=96
  3. イワシ=91
  4. マトン=90
  5. 豚肉=90
  6. カジキ=89
  7. アジ=89
  8. 鶏肉=87
  9. イカ=86
  10. ロースハム=84
  11. チーズ=83
  12. 牛肉=80

タンパク質の合成は、20種類のアミノ酸がすべて用意されていなければ行われません。また、20種類のアミノ酸のうち9種類は、食品から摂取しなければならない必須アミノ酸と言われています。

上記のプロテインスコアは、人体が必要な9種類の必須アミノ酸を人体が求めるのと同じ比率で含んでいるかどうかを表したものです。卵は100点なので、文句なしの良質なタンパク質といえます。また、卵1個あたりで約7gのタンパク質を摂取できます。

タンパク質が豊富に含まれている印象のある牛肉は、意外と低く80点ですね。他の食材と比較すると、かなり良質なタンパク質なのですが、卵と比較すると、20点の開きがあります。

ちなみに大豆は56点なので、卵の半分程度の良質度でしかありません。なので、卵と同量のタンパク質を大豆から補給したとしても、その半分程度しか、タンパク質の合成に使えないということになります。

1日のタンパク質の必要量

次にタンパク質の1日の必要摂取量です。

三石先生は、良質なタンパク質を体重の0.1%摂取しなければならないと述べています。例えば、体重50kgの方なら、50gの良質タンパク質の補給が必要になります。卵7個分ですね。

また、筋トレを習慣化している人は、1日に体重の0.2%のタンパク質を摂取する必要があると昔から言われています。プロのトレーナーの山本ケイイチさんの著書「仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか」でも、同様のことが書かれています。タンパク質の良質度についての記載がないので、とにかく体重×2gのタンパク質を毎日補給すれば良いということなのでしょう。この場合、例えば、体重50kgの人なら100gのタンパク質が必要摂取量となります。

ここで、ふと上記の摂取量について疑問がわいてきました。その疑問とは、三石先生も山本さんも、どちらも現在の体重を基準にタンパク質の摂取量を決めているのは、果たして妥当なのかということです。

体重50kgの人が良質なタンパク質を毎日50g補給しても、現状維持にしかならないのではないでしょうか?

つまり、体重50kgが維持されるだけで、筋肉が増えていかないのではないかと思うんですよね。もしも、筋肉量を増やして体重を60kgまで持っていこうと思うのなら、目標体重の0.1%の良質タンパク質を補給するべきじゃないでしょうか。もしくは、体重60kgに2gを乗じた120gが1日当たりの必要なタンパク質の摂取量になるはずです。

減量目的でスロトレをする場合も、目標体重を基準にタンパク質の摂取量を決めるべきではないかとも考えられますが、この場合は、現在の体重を基準にタンパク質を摂取した方が良いように思います。タンパク質の摂取量を減らして、体重を落とした場合、ただ貧相な体になるだけで、筋肉がしっかりとついたメリハリのある肉体にならないような気がするんですよね。

これは、私の想像でしかないので、実際にやってみないとわかりません。

ある日の昼食

最近、医師の夏井睦先生のホームページで、糖質制限実践者の食事内容が写真で紹介されています。

これを見ていると、皆さん、様々な工夫を凝らして糖質摂取量を減らしているんだなと感心します。そして、糖質制限をされている方は、糖質を減らした分、タンパク質の補給量が多くなっているようにも思います。筋トレを習慣としている人の参考になる食事内容だと思いますよ。

ちなみに私のある日の昼食は、鶏の胸肉583gです。

スーパーで100g当たり45円(税抜き)で購入しました。583gで262円(税抜き)ですが、この日は、10%引きだったので、235円(税抜き)で買うことができました。糖質制限をしていると、食費が増加する傾向にありますが、鶏肉だと、比較的安く手に入るので、食費の節約におすすめです。

鶏の胸肉

鶏肉は、プロテインスコアが87点なので、まずまず良質なタンパク質と言えます。

100g当たり約20gのタンパク質が含まれているので、500g食べれば100gのタンパク質の補給が可能です。プロテインスコアを加味すると、良質タンパク質87g食べたのと同じということでしょうね。

上の鶏肉は、油をひいたフライパンで炒めて、調味料を一切使わずに食べました。何もつけずに食べると、味気ないと思うでしょうが、米や小麦を食べなくなってから、調味料を使わなくても、味がわかるようになってきたんですよね。

以前は、焼肉を食べるときなんかは、肉の味を楽しんでいるというよりも、焼肉のタレを味わっている感じだったんですけどね。最近では、食材そのものの味がわかるようになったため、魚のお造りも醤油なしで食べています。

ちなみに鶏肉は、牛肉や豚肉よりも味がしっかりしているので、調味料なしの食事に挑戦してみようと思う方は、鶏肉から試すと良いと思います。その場合は、胸肉よりもモモ肉の方が味が濃いのでおすすめです。また、フライパンに引く油は、ラードや牛脂の方がおいしく炒めることができますよ。

夏井先生のホームページを見ていると、赤身のオージー・ビーフ570gと赤ワインだけという方がいらっしゃいました。食事内容が私とほとんど同じですね。

ただ、私の場合は、一人で食事をする時だけしか、肉をたくさん食べれないのですが。家族に肉や卵に対する偏見があるうちは、良質なタンパク質を補給するのは難しいですね。

参考文献