メタボ男性のウエストが短期間で細くならないダイエット法は効果を疑うべき

世の中には、様々な種類のダイエット法があります。誰もが、すぐに思いつくダイエット法は、食事制限と運動でしょう。

食べる量を減らせば今よりも痩せていくでしょう。運動量を増やせばエネルギーの消費量が増えるので、こちらも継続すれば痩せることは容易に想像できますね。

普通なら、この2つだけで痩せるはずなのですが、どちらも多少なりとも苦痛が伴うので、長続きしない方も多いはず。だから、テレビ番組やインターネットで評判のダイエット法を試すわけです。でも、それらのダイエット法が本当に効果があるのかどうかわからない場合がありませんか。

始めたばかりだから、そんなに早く結果が出るはずはないと思いつつ、半年以上も実践して見た目に変化がないのなら、そのダイエット法は間違っていると考えて良いでしょう。

1ヶ月以内に結果が出るのが本物のダイエット法

新たに取り組んだダイエット法の効果を知るのに必要な期間は、1ヶ月もあれば十分です。

男性であれば、ダイエットを始めて1ヶ月後にウエストサイズが細くなっていなければ、そのダイエット法には効果がないと思って良いです。特に自他ともに認めるメタボ体型の方は、ダイエットに取り組めば1ヶ月以内に脇腹のぜい肉が削げていくはずなんですよね。

今まで数々のダイエットを試してきて、すぐに脇腹のぜい肉が落ちてこなかったという経験がある方は、インチキダイエット法に騙されたと言っても過言ではありません。今すぐ、そのダイエットはやめてしまいましょう。

メタボ男性に最も効果的なダイエット法は、糖質の摂取量を減らす方法です。具体的には、米、小麦、イモ、砂糖、果物を普段の食卓から排除することです。どんなに運動をしようが、食事制限をしようが、これらの食べ物には、糖質がたくさん含まれているので、常食している限りは腹回りがスッキリとすることはありません。

もちろん、運動によってウエストサイズを細くすることは可能ですが、それには、プロアスリート並みの運動量が必要だと考えるべきです。一般の会社員の方では、それは難しいですよね。

なぜ、米、小麦、イモ、砂糖などの糖質を多く含んだ食品を食べないようにすると、痩せるのかといったことは、以下の過去記事で解説しているのでご覧になってください。一言で言えば、糖質は脂肪になって体に貯め込みやすいということです。

メタボ男性は牧草牛の赤身肉を食べなさい

では、普段の食事から糖質を大幅にカットする糖質制限を実施した場合、どういった食品を食べれば良いのでしょうか。

その答えは、肉や卵といった動物性のタンパク質です。

肉や卵は、脂質が多く太りやすい食べものといったイメージがありますが、そんなことはありません。これらの食品には、糖質がほとんど含まれていないので、逆に肉や卵だけを食べて太る方が大変なくらいです。

特にメタボ男性のダイエットに効果があると考えられるのは、牧草牛の赤身肉です。

牛は、もともと牧草を食べる動物なので和牛のようにトウモロコシ、米、豆類を与えられて育った牛の肉は、本来の牛肉とは言えません。しかも、和牛は狭い空間でほとんど運動もせずに育てられるので、メタボ牛になっています。

米やトウモロコシなど糖質の多い食事をして運動をしない牛。これって、明らかにメタボ男性と同じ生活をしてますよね。

牧草牛の脂質は良質

牧草で育てられた牛肉を入手するのは難しいですが、国内だとニュージーランド産の牧草牛の肉が流通しています。

東京クリニックの斎藤糧三先生は、肉中心の食生活で痩せるケトジェニック・ダイエットを推奨しており、著書の「腹いっぱい肉を食べて1週間5kg減!ケトジェニック・ダイエット」で、牧草牛を食べる利点を解説しています。

牧草で育てられている牧草牛は適度に運動しているため、筋肉質で赤身率が高く、高タンパクで低脂肪なのが特徴です。
日本をはじめとする世界の国々では、脂肪分の多い霜降り牛肉をつくるために、牛を狭い牛舎内に閉じ込めて運動量を極端に抑え、高カロリーの穀物飼料や人工飼料などを与えて飼育するのが主流になっています。すると赤身率は下がり、脂肪分が増えてきます。いわば”メタボ牛”です。(114ページ)

さらに牧草牛は赤味率が高くタンパク質が豊富なだけでなく、脂質にも違いがあります。

普段、使用する機会が多い大豆油、コーン油などの植物性の油には、リノール酸がたくさん含まれています。リノール酸は、必須脂肪酸なので食品から摂取する必要があるのですが、その必要量は1g/日程度です。しかし、現代の日本人は動物性油脂よりも植物油の方が健康に良いという思い込みがあることから、必要量の10倍ほどのリノール酸を摂取していると言われています。

リノール酸には体内で強い炎症を超す物質が含まれていることから、過剰摂取すると皮膚炎や関節炎などを引き起こす危険があります。さらには慢性的な炎症が原因で欠陥が硬くなる動脈硬化を進展させる危険もあるので、摂りすぎには注意が必要です。

しかし、牛肉には、もともとリノール酸の含有量が少なく、さらに体内で強い炎症を起こさず、しかも、リノール酸に代表されるオメガ6系の脂肪酸の摂りすぎによる害を抑えてくれるα-リノレン酸も豊富に含まれています。

メタボ男性は、糖質だけでなく植物油も多く摂取しているでしょうから、動脈硬化のリスクも高いはず。だから、糖質制限の実施とともにα-リノレン酸も多く摂取できる牧草牛を食べた方が良いですね。

なお、α-リノレン酸は、ごま油や亜麻仁油にも豊富に含まれていますし、サバ、サンマ、イワシなどの青魚からも摂取できます。

糖質の過剰摂取をやめれば1ヶ月以内に結果が出る

早い話、メタボ男性が1ヶ月以内にウエストを引き締めるためには、糖質の過剰摂取をやめればいいだけです。

わざわざ、ややこしいダイエット理論を持ち出してくるダイエット法は怪しいと思ってください。とにかく、普段の食事から糖質を減らしていれば、それほど運動をしなくても、自然に腹回りがスッキリとし始めます。

そもそも、人間は腹回りにぜい肉がつくなんてことはないと、私は思っています。だから、脇腹を手で掴めるくらいウエストに脂肪がついているという人は、人間本来の姿ではないはずです。野生動物を見ても、ウエストがボテッとしてませんよね。彼らは、そもそも人間ほど多くの糖質を摂取していないのですから当然です。

とりあえず、まずは1週間、普段の食事から米を削ってみてください。

そうすれば、体の変化を実感できるはずです。

参考文献