便通と脂質には深い関係があると確信

糖質制限を開始すると、便秘になる人がいます。反対にお腹が緩くなって下痢気味になる人もいます。どちらかというと便秘になる人の方が多いようで、私も糖質制限を開始して7ヶ月経つまでは便が硬くて困っていました。

最近、神経内科医のたがしゅう先生のブログで、糖質制限をしていて便秘に困っているというコメントがあったので、私が「脂質をたくさん摂ると便通が良くなりますよ」と返しておきました。そして、そこから、便通と脂質との間には深い関係があることを再認識しました。

便秘になる人は脂質の摂取量が不足している

たがしゅう先生のブログで、便秘についてのコメントが寄せられていたのは下記記事です。

記事の内容は便秘とは関係ないのですが、コメント欄でまるさんが便秘のことで質問されていたので、それに私が答えた形となっています。

まるさんは、便秘の解消のためにオリーブオイルを飲むかバターなど飽和脂肪酸が多く含まれているものを食べるか悩んでいらっしゃったので、私が、牛脂には飽和脂肪酸もオリーブオイルに含まれているオレイン酸も豊富に含まれているので、試してみてはどうですかとお答えしました。

すると、一読者さんも便秘で悩んでいるというコメントをされ、私にどの程度脂質を摂取しているのか、なぜ牛脂を食べてみようと思ったのかといった質問がありました。

私の1日の脂質の摂取量は、詳しく測っていませんが、おそらく100g以上だと思います。一読者さんは、1日1食の生活をされており、コメントを読む限りでは、50gから80g程度の脂質摂取量だと思われます。

私も、糖質制限を開始した時は、一読者さんと同じ程度の脂質摂取量だったと思います。きっと、便が硬いのは、脂質摂取量が少なかったからだと思い、牛脂を食べてみたところ翌日から効果が出ました。それで、脂質不足が便秘の原因だと考えるようになったんですよね。

脂質摂取量が増えるとお腹が緩くなる

そして、一読者さんも、脂質の摂取量をさっそく増やしてみたそうです。

これまでは牛脂を15gから20g、バターを10g食べていたようですが、牛脂を40gに増やしたとのこと。また、牛肉を300gと多めに食べたせいで、夜中に吐き気がして気持ち悪くなり、その後、腹痛にも襲われたそうです。

でも、脂質摂取量を増やしたことが功を奏し、今まで腸に溜めこまれていた便がすべていっきに排泄されたようで、翌朝は非常にすっきりしていたということです。

私だけでなく、一読者さんも脂質の摂取量を増やしたことで、便秘を克服されています。たった2人のサンプルでは、脂質と便通との因果関係はわからないという人もいると思います。でも、厚生労働省も脂質の摂取が不足すると便秘になるといったことをホームページに書いています。過去にもこのブログで何度か紹介している以下のページを読むとわかります。

そして、つい5日ほど前に私も脂質を大量摂取する実験をしました。昼食で、鶏皮300g、豚肉70g、鶏レバー200gをフライパンで炒めて食べる実験です。

鶏皮300gだけで140gほどの脂質補給になります。フライパンで炒めていると、脂が溢れだしてくるので、それを捨てずに鶏皮や豚肉にたっぷりとかけて食べました。食べ終わった時には、脂がまだお皿に残っていましたので、それも飲むことに。さすがに途中で気持ち悪くなったので、20gほどは捨てました。

この実験、かなりきつかったです。

さすがに脂を飲むとお腹が気持ち悪くなります。でも、不思議と吐き気はしないんですよね。

さらに夕食の時にスーパーで買ってきた鶏のから揚げや焼き鳥が入った惣菜を2人前食べました。きっと、昼食もあわせると脂質の摂取量は200gを超えていたことでしょう。

もうね。お腹の中が本当に気持ち悪かったです。でも、食べたものが逆流してくる気配はありません。以前は、食べ過ぎると吐き気がして、夜中になるとお腹がタプタプと音を立てて気持ち悪くなり、トイレに駆け込んで戻していたのですが、今回はそのようなことはありませんでした。きっと、穀物や野菜のような消化に悪いものを食べていなかったからでしょう。

きっと、糖質はタンパク質と比較して胃滞留時間が長いことが、逆流しやすい原因なのだと思います。

戻すことはなかったものの、その代り、5回ほど排便がありました。最後の方は、下痢だったのですが、腹痛にはなりませんでした。下痢になる前の便もかなり柔らかくて、お腹にまったく力を入れなくても、スルスルと排泄されました。

脂質が腸内の潤滑油になっていたのだと思います。

糖質制限で便秘になる人と下痢になる人の違い

今回の実験でわかったこと。

それは、糖質制限で便秘になる人は脂質の摂取量が少ないということです。また、糖質制限で下痢になる人は、反対に脂質の摂取量が多いということです。

糖質制限をして、便秘にも下痢にもならない人は、きっと脂質摂取量がちょうど良いのでしょう。

このように考えると、食物繊維と便通との間に因果関係はないと思います。むしろ、食物繊維は、食べても栄養にならないものの総称なので、それを食べるということは、腸内にゴミを入れるのと同じです。だから、食物繊維を摂りすぎると、腸が詰まって、便秘の予防どころか逆に便秘になりやすくなるはずです。

炭水化物は、糖質と食物繊維の合計です。

人間は糖質を一切食べ物から補給する必要はありません。なぜなら、自力で糖質を作り出す糖新生という機能を備えているからです。

そして、食物繊維も便通を良くするために食べなければならないと言われていますが、両者に因果関係がないことが分かりました。なので、食物繊維も積極的に摂取する理由が見当たりません。

結局、糖質だけでなく食物繊維も、一切、人間は食べる必要はないので、炭水化物そのものが不要ということですね。

ちなみに脂質の摂取量が不足して便が硬くなり、血が出たことがあります。くれぐれも、脂質不足には注意しましょう。