筋肉への負荷を強めるには筋トレ中の動作を小さくする

スロートレーニングに限らず筋トレを続けていると必ず訪れるのが、筋トレ中の負荷への慣れです。

最初は苦しかったエクササイズが、筋トレを継続しているうちに楽に感じてくるというのは誰にでも起こることです。筋トレが楽に感じるのは、筋力アップしている証です。だから喜ばしいことなのですが、同じ負荷で筋トレを続けていても、それ以上の筋力アップが望めないので、負荷を強める必要があります。

自重トレーニングでは負荷を強めにくい

しかし、スロトレのように自重中心の筋トレでは、なかなか負荷を強めることができません。

腕力を強くしようと思うならプッシュアップ(腕立て伏せ)をするのが効果的ですが、負荷に慣れてくると、今まで以上に負荷を強めるのが難しいです。片腕だけでプッシュアップをするといった方法もありますが、両腕からいきなり片腕に変えてもなかなかうまくはできないでしょう。

その点、ジムでのトレーニングであれば、バーベルの重さに慣れてくると、それより重たいバーベルに替えることで負荷を強くできます。

自宅でのトレーニングとジムでのトレーニングの違いは、まさにここにあります。

そして、一定以上の負荷を筋肉にかけることができないのが、自重トレーニングの限界と言えます。

筋トレ中の可動範囲を狭くする

ただ、自重トレーニングに限界があると言っても、そこに達するには、それなりの年月がかかります。今まで筋トレをしたことなかった人が、スロトレを始めても、半年やそこらで負荷に慣れてしまうということは、そうそうないはずです。

また、自重トレーニングの負荷に慣れてきても、工夫すれば負荷を強めることは可能です。

自重トレーニングの負荷を強める簡単な方法は、エクササイズ中に動かす運肉の可動範囲を狭くすることです。これは、以前に紹介した単関節エクササイズとほぼ同じです。

単関節エクササイズとは、簡単に言うと筋トレ中に使う筋肉を少なくすることです。その逆は多関節エクササイズです。

例えば、プッシュアップをする場合、多関節エクササイズだと、二の腕の筋肉、肩の筋肉、胸の筋肉を動員します。3ヶ所の筋肉を同時に鍛えられますが、それぞれの筋肉にかかる負荷が分散されるので、1ヶ所あたりの筋肉が発達しにくいという難点があります。

これに対して単関節エクササイズだと、二の腕の筋肉だけ、肩の筋肉だけ、胸の筋肉だけを使ってプッシュアップを行うので、一度に鍛えられる筋肉の範囲は狭くなりますが、負荷は多関節エクササイズよりも強くなります。

では、どうやって単関節エクササイズをすれば良いのでしょうか?

やり方は、特に難しくありません。

プッシュアップであれば、普段やっている方法よりも、肘の曲げ伸ばしの範囲を狭くすればいいだけです。体を低い位置に保って肘を小さく曲げ伸ばしすれば、通常のプッシュアップよりも狭い範囲の筋肉しか使わないので負荷が増します。

ニートゥチェストなら、足を上下に動かす範囲を狭めることで、腹筋の狭い範囲に負荷を集中させれます。他にスクワットカーフレイズアームレッグクロスレイズなどでも、動作を小さくすると特定の筋肉への負荷が強まります。

ただ、筋肉の可動範囲を狭くするので、鍛えられる筋肉の範囲も狭くなります。

なので、単関節エクササイズを行う場合に広い範囲の筋肉を鍛えようとするのなら、トレーニングメニューを追加する必要があるでしょう。