αリノレン酸摂取にアマニ油マヨネーズ

人間が、食物から摂取しなければならない脂肪酸のことを必須脂肪酸と言います。必須脂肪酸には、リノール酸とαリノレン酸があります。

リノール酸は植物油脂に多く含まれている脂肪酸で、現代人は摂取し過ぎだから控えた方が良いと言われています。なので、基本的に植物油脂は避けて動物性脂肪中心に脂質を摂った方が良いでしょう。

もう一つの必須脂肪酸のαリノレン酸は、オメガ3脂肪酸に含まれ、1日に2グラム摂取した方が良いと言われています。しかし、αリノレン酸が多く含まれている食品は少なく、卵や肉を食べても、なかなか1日2グラムを達成できません。でも、アマニ油マヨネーズを利用すれば、簡単にαリノレン酸を2グラム補給可能です。

キユーピーのアマニ油マヨネーズ

αリノレン酸が多く含まれている油脂は、シソ油、エゴマ油、亜麻仁油が代表的です。スプーン1杯で1日に必要なαリノレン酸を補給可能ということで、毎朝、スプーン1杯のシソ油やエゴマ油を飲んでいる人もいるみたいですね。

最近、スーパーでキユーピーのアマニ油マヨネーズを見つけました。

キユーピーアマニ油マヨネーズ

キユーピーも、いろんなマヨネーズを作っていますね。さすが卵のスペシャリスト集団。

袋の裏の栄養成分表示を見てみましょう。

成分

1食15グラムで、αリノレン酸を2.6グラム摂取できます。半分でも1.3グラムですから、他の食品も含めればαリノレン酸を2グラム摂取するのは可能でしょう。15グラム当たりの炭水化物が0.1グラムというのも優秀です。

こちらは原材料の表示。

原材料

リノール酸が多く含まれているなたね油を使っているのが気になりますが、他の植物油脂を控えて、1日に1食だけアマニ油マヨネーズをサラダなどに使う程度なら、平均的な日本人よりもリノール酸摂取量は少なくなるはずです。

私がキユーピーのアマニ油マヨネーズを購入したスーパーでは、200グラムが298円(税別)で販売されていました。まだ認知度が低いのか、他のスーパーには置いていませんでした。別のメーカーのアマニ油マヨネーズはありましたが、αリノレン酸の含有量が半分くらいでしたので、キユーピーのアマニ油マヨネーズがおすすめです。

ドラッグストアでも、298円(税別)で売っているのを見かけました。スーパーよりも、ドラッグストアに行った方が見つけやすいかもしれませんね。近くのお店で買えない場合は通販で購入できますが、アマニ油マヨネーズだけを買うのは、送料や手数料を考慮すると割高です。何か別のものを買う時にアマニ油マヨネーズをついでに注文するのが良いでしょう。

アマニ油マヨネーズの味は、普通のマヨネーズと大差ありません。やや薄味で、若干サラサラしているような気もしますが、ほぼ普通のマヨネーズと同じです。

健康に良さそうな植物油脂

植物油脂は健康のことを考えると控えた方が良いですが、αリノレン酸が入っている植物油脂は健康に良いかもしれません。

日本脂質栄養学会の初代会長の奥山治美先生の著書「本当は危ない植物油」では、タイトル通り植物油脂の危険性が解説されています。でも、全ての植物油が危険ではなく、シソ油とエゴマ油は以下の理由から健康に良いと述べられています。

リノール酸の摂りすぎによる炎症性の病気の予防に効果があります。炎症性疾患には癌、動脈硬化性疾患、アレルギー過敏症(花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎など)、炎症性腸疾患、などを含みます。
多くの基礎研究・臨床研究があります。主成分のα-リノレン酸は優先的にエネルギー源として使われ、多く食べても蓄積することはないので、メタボ対策にも使えます。安全性は極めて高いと考えられます。(182ページ)

シソ油やエゴマ油と同様の理由から、亜麻仁油とフラックス油も安全と考えられます。ただし、奥山先生によると、長期投与の結果の評価がシソ油とエゴマ油ほど多くないということですから、今のところは過信しない方が良いのかもしれません。

また、動物性脂肪では、魚油が最も優れているようです。魚油は、人体でαリノレン酸から作られるドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)が豊富で、どちらもαリノレン酸よりも炎症性疾患予防に有効だそうです。

他にバター、ラード、牛脂といった動物性脂肪も健康に良い油脂とのことです。

植物油脂を使う場合は、αリノレン酸摂取を目的にして、過剰に摂取しない方が無難でしょうね。

なお、普通のキユーピーマヨネーズには、15グラム当たり0.16グラムのトランス脂肪酸が含まれていることが、キユーピーのホームページに掲載されています。アマニ油マヨネーズにどれだけのトランス脂肪酸が含まれているのかはわかりません。

トランス脂肪酸は、健康に悪影響を及ぼす危険があると言われていて、1日の摂取量は、総摂取カロリーの1%以下にした方が良いとされています。キユーピーマヨネーズを食事のたびに使えば、3回で0.48グラムのトランス脂肪酸を摂取することになります。総摂取カロリーの1%は、トランス脂肪酸約2グラムの計算ですから、これくらいのマヨネーズの量だと問題なさそうです。

自社製品に不利な情報も公開しているキユーピーには、好感が持てますね。

参考文献