ネコに引っかかれた傷を湿潤治療で治した

先日、近所の野良ネコと遊んでいたら、右手の人差し指を引っかかれまして。

結構な力を入れて爪を立てたものだから、長さ2cmほどの傷ができてしまいました。引っかかれた直後から血が溢れるように出てきて、これはちょっとまずいかと思ったのですが、湿潤治療で治しました。

ラップを用意

ネコに引っかかれた直後は、公衆トイレの水道で軽く洗い流しました。そして、指を舐めながらスーパーで買い物をし、もらったビニール袋を指にぐるぐると巻き付けて、傷が空気に触れないようにして帰宅しました。

帰宅してからは、ビニール袋をとって、傷口にラップを巻き付け経過を観察。

翌朝には、血は完全に止まり、痛みもましになりました。その次の日には、もうほとんど痛みは消えていました。この時は、まだ傷がふさがっていなかったので、傷がどれくらいの深さあるのかを目視で確認してみました。すると、結構深く引っかかれていて、3mmほどの深さがありました。

受傷から5日後に引っかかれた指を撮影。

受傷から5日後

第1関節と第2関節の間に弓なりの線が見えるでしょうか。

すでに5日も経過しているので、完治に近い状態です。傷を消毒せず、ラップでぐるぐる巻きにして空気を遮断するだけで、ほとんどかさぶたができずに治ります。

ラップの貼り方は、下の写真のような感じです。

傷口をラップで保護

キズパワーパッドを使った方が楽ですが、指の傷ならラップを巻けるのでキズパワーパッドを使わなくても良いでしょう。ただ、ラップだと蒸れてきて痒くなりますし、血が止まらない時は何度も貼りかえる手間がかかります。キズパワーパッドだと蒸れにくいですし、血もしっかりと吸収してくれますから頻繁に貼りかえる必要はないですね。膝をすりむいた時のように大きな傷ができた時は、さすがにラップでは厳しいのでキズパワーパッドを使った方が良いでしょう。

受傷から7日後の写真です。

傷がきれいになってきました。

端の方はラップの貼り方を失敗して、少しかさぶたができていますが、真ん中の方はかさぶたもできることなく完全に傷がふさがりました。もしも、傷を消毒してガーゼを貼っていたら、化膿してもっと腫れていたでしょうね。

ネコに引っかかれたその日に写真を撮っておけば良かったのですが、その時はブログに書こうと思ってませんでしたから、写真を撮ることを思いつきませんでした。

動物に付けられた傷は病院へ

今回、自力でネコのひっかき傷をなおしましたが、良い子の皆さんは病院に行って治療してもらいましょう。こけて膝をすりむいた程度であれば自力で治療できますが、動物につけられた傷は感染症にかかる危険があるので病院に行くべきです。イヌやコウモリに咬まれると狂犬病になるかもしれません。狂犬病は致死率が非常に高いので油断禁物です。

湿潤治療に詳しい形成外科医の夏井睦先生の「傷はぜったい消毒するな」の44~45ページに病院を受診した方がよい外傷が記載されていたので紹介しておきます。

  • 刃物を深く刺した。
  • 異物(木片、金属、魚骨など)を指し、中に破片が残っている。
  • 古い釘を踏んだ。
  • 動物に咬まれて血が出ている。
  • 動物に咬まれて腫れている。
  • 深い切り傷、大きな切り傷。
  • 皮膚がなくなっている(欠損している)。
  • 切り傷で出血が止まらない。
  • 指や手足が動かない。
  • 指などが痺れている。
  • 大きな水泡ができているヤケド。
  • 貼るタイプのアンカ、湯たんぽ、電気カーペットなどによる低音熱傷。
  • 砂や泥が入り込んでいる切り傷、擦りむき傷。
  • 赤く腫れて痛みがある傷。

ラップやキズパワーパッドで傷を治せると言っても、これらの傷は素人判断は危険だそうです。ニャンコに咬まれたのではなく、引っかかれただけだから大丈夫とは考えない方が良さそうですね。

皮膚がなくなっている場合は、さすがに病院に行こうと思うでしょうが、野人さんは小指の先を包丁で切り落としても湿潤治療で治してますね。しかも、無くなったはずの小指の先も再生しているのですから驚きです。

湿潤治療のやり方もワイルドで、昆布だったかワカメだったかを指に巻いてましたよ。その記事はグロテスクだったためブログサービスに削除されたようです。

大きめの切り傷や擦り傷ができた時は、とりあえずラップやキズパワーパッドで応急処置をして、夏井先生が運営する新しい創傷治療というウェブサイトにアクセスし、湿潤治療関係の医師リストのページで近所に湿潤治療を行っている病院があるかを調べましょう。

近所に湿潤治療をしている病院があれば、そこに行って治療をしてもらってください。近所に湿潤治療をしている病院がない場合も、とりあえず、どこかの病院に行った方が無難ですね。湿潤治療をしている病院を調べる余裕がない時は、救急車を呼んだ方が良いでしょう。

参考文献