エネルギー論一覧

ナイアシンはATP産生のための電子の受け渡しに必要

ビタミンB群の一種にナイアシンがあります。

ナイアシンは、我々の体の中で、糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素からアデノシン三リン酸(ATP)というエネルギーを作り出すために非常に重要な役割を果たしています。

ちょっと歩くだけでもATPは必要ですし、何もせずダラダラしている間も、体の中の内臓を働かせるためにATPは必要となります。そして、ATPが作られる過程でナイアシンは欠かすことができません。

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ビタミンB₂は脂質代謝に大切

ダイエットで痩せるためには、体に蓄えた中性脂肪を減らす必要があります。

中性脂肪を減らすためには、運動をするとか、食事制限をするとか、いろいろなことが言われていますが、栄養の視点で見ると、ビタミンB₂の摂取が重要となります。

どのようなダイエット法を採用したとしても、中性脂肪を減らすにはビタミンB₂は欠かせませんから、不足しないように摂取したいですね。

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ビタミンB₁は糖質代謝に欠かせない

我々人間の身体は、糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素からエネルギーを取り出して活動しています。

三大栄養素から取り出されたエネルギーは、アデノシン三リン酸(ATP)に一時的に蓄えられます。蓄えると言っても、バッテリーのように長時間蓄えることはできないので、ATPに蓄えたエネルギーはすぐに何らかの活動に利用されます。

さて、三大栄養素からエネルギーを取り出し、ATPを産生するためには、ビタミンB群が必要になります。特に糖質からATPを産生するために重要となるのがビタミンB₁です。

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筋肉の非常用エネルギーはクレアチンリン酸プールに蓄えられる

横断歩道を渡っている時、こちらに気づかず自動車が右折してきたとします。

自動車が自分の前を通り過ぎそうなら、その場で立ち止まってやり過ごせます。でも、自分の体が自動車とぶつかると判断した場合は、瞬時に前に走って衝突を避けますよね。

この時、足や腰の筋肉に瞬間的にエネルギーが供給されていなければ走ることはできません。実際に自動車をよけられているのですから、筋肉には目にも止まらぬ速さでエネルギーが供給されているはずです。

しかし、自動車の動きを見てからエネルギーを作っていたのでは、衝突前に体を動かすことは不可能です。だから、我々の筋肉には、瞬間的に体を動かせるようにするためにエネルギーが蓄えられています。この仕組みをクレアチンリン酸プールといいます。

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代謝の同化と異化の意味を知っておこう

代謝という言葉がありますよね。

「あの人は代謝が良いから太らない」とか、「新陳代謝が活発だから肌がきれい」とか、代謝という言葉を耳にすることがあります。

では、上記のように使われる代謝という言葉を説明できるでしょうか?

代謝という言葉は、ダイエットや健康を扱っているテレビ番組でよく使われていますが、どことなく曖昧に使っているように思います。また、テレビを見ている人も、何となくわかっているような気がするけど、詳しくは説明できないという人が大多数だと思います。

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糖質制限をすると筋肉が分解されてアミノ酸が糖新生に使われるのか?

米、小麦、砂糖、果物、根菜など炭水化物(糖質)の摂取量を減らす糖質制限をすると、様々な体調不良を起こすと警鐘を鳴らす人がたくさんいます。

例えば、糖質を摂取しないと低血糖になって倒れてしまうといった糖質制限批判があります。しかし、人体には、タンパク質や中性脂肪からブドウ糖を作り出す糖新生という仕組みが備わっているので、究極の飢餓状態でなければ低血糖で倒れることはありません。

体内でブドウ糖を作り出せる事実が世の中に広まると、今度は、「糖質制限をすると、筋肉が分解されてアミノ酸が糖新生に使われるので、筋肉がやせ細ってしまう」と言い始めました。

これって本当なの?

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脂肪酸合成の材料は糖質

お腹になんで脂肪が付くんだろう。

やっぱり、脂っこいものを食べているのが原因?

確かに脂質が多い食品を食べれば、体に脂肪が蓄えられます。だから、脂質を制限することがダイエットには大切だと考えても変ではありません。しかし、脂質の摂取量を制限しているのになかなかお腹周りがスッキリしてこないと悩んでいる人は、多いのではないでしょうか?

それはそうですよ。

だって、毎日、米やパンなど炭水化物(糖質)が多く含まれている食品を食べていれば、脂質を摂取しなくても体内で糖質を材料に脂肪酸が合成された後、中性脂肪となって蓄えられるのですから。

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果糖が太りやすいのは解糖系でホスホフルクトキナーゼ1の調節を受けないから

かつては、脂質を摂取すると肥満すると言われていましたが、現在では糖質の方が太りやすいと言われるようになり、糖質摂取量を減らすことが肥満の予防や解消に効果的だとされています。

一口に糖質と言っても、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、脳糖(ガラクトース)など多くの種類があります。これらは単糖類に分類されますが、他に二糖類や多糖類といった分類もあります。

糖質の代表的存在はブドウ糖で、体内に入るとエネルギーが取り出されアデノシン三リン酸(ATP)が合成されます。しかし、エネルギー需要を越えてブドウ糖が体内に入ってくると、中性脂肪として蓄えられます。そのため、ブドウ糖は太りやすいのですが、それ以上に太りやすいのが果糖です。

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グリコーゲンの貯蔵は中性脂肪の貯蔵よりも非効率

人間は、主に脂肪酸ブドウ糖(グルコース)をエネルギーとして利用しています。

脂肪酸は中性脂肪という形で体に蓄えられますし、ブドウ糖はグリコーゲンという形で体に蓄えられます。だから、少々、食事間隔が空いても中性脂肪やグリコーゲンを取り崩してエネルギー利用するので、体が動かなくなることはありません。

ブドウ糖は脂肪酸よりもエネルギーを生み出す速度は速いですが、生み出せるエネルギー量は少な目。一方、脂肪酸はブドウ糖よりもエネルギーを生み出すのに時間がかかりますが、その量は非常に多いです。

ブドウ糖と脂肪酸のどちらが主要なエネルギー源なのかは、その人の考え方によって異なります。ブドウ糖を主要なエネルギー源だと言う人もいれば、脂肪酸が主要なエネルギー源だと言う人もいます。でも、エネルギーの貯蔵という点では、人間の体はグリコーゲンではなく中性脂肪を好んでいると言えそうです。

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中性脂肪を糖新生に使えることを知らない医師がいる?

人間には、肝臓や腎臓でグルコース(ブドウ糖)を作り出せる糖新生という機能が備わっています。

作り出せると言っても、無の状態からグルコースを合成できるわけではなく、原材料として主にタンパク質中性脂肪乳酸が必要となります。特にタンパク質を分解したアミノ酸が、糖新生の原材料として利用されやすいです。

ある時、インターネットで検索していると、プロフィールに医師と書かれた匿名ブログに中性脂肪(脂質)を糖新生に使えないと書いてありました。この記述は誤りです。

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