脂質の摂取不足が便秘の原因ではないのか?

糖質制限をはじめて3ヶ月ほど経ちました。

糖質制限は、米、パン、麺類、イモ類といった糖質を多く含む食品を食べない健康法で、ダイエット目的や糖尿病の治療目的で行われることが多い食事制限です。

糖質の摂取を控えると、体脂肪が急激に落ちていきます。しかも、続けていると、不思議と体が疲れにくくなり、暑さにも強くなります。汗も以前よりかきにくくなっているように思います。

2013年の夏は猛暑で、例年よりも気温が高い日が多く、40度を超える日もあったわけですが、暑さに負けることは全くありません。暑いことは暑いのですが、体が暑さに対して我慢強くなったようです。

何かと体調面でメリットが多い糖質制限ですが、困ったこともないわけではありません。それは、便秘になることが多いということです。私も排便は毎日あるものの、以前よりも便が固くなっていますね。

便秘解消に食物繊維を過信しない

便が固くなったのは糖質制限を始めてからなので、便通と糖質の間にはなんらかの関係があると思われます。なので、便通が良くない場合は、糖質の摂取が有効なのでしょうが、糖質制限をしている以上は糖質摂取での便秘解消は選択肢から除外されます。

しかし、糖質が多く含まれている食品には、便通を良くするものが含まれているに違いないと思い、まずはご飯1膳約150gに含まれる食物繊維量を調べてみました。

食物繊維は、便秘の予防や解消に効果的といわれていますからね。

それでわかったことは、ご飯1膳に含まれる食物繊維量はたったの0.5gほどしかないということです。たったこれだけの量では、便通が良くなるようには思えませんね。というよりもそもそも食物繊維に便秘の予防と解消の効果があるのかどうかも疑わしいです。

私は、糖質制限を始めてからアーモンド、枝豆、ブロッコリーなど食物繊維が多く含まれる食品を食べるようになりました。それ以前からも納豆を食べています。

例えば、枝豆には100gあたり約5g、アーモンドには100gあたり約13g、ブロッコリーには100gあたり約4gの食物繊維が含まれています。豆腐も良く食べるようにしていますが、こちらは100gあたり約0.4gの食物繊維量なので、ご飯1膳とほぼ同程度ですね。

このように私は糖質制限を始めてから食物繊維を多く摂取するようになっています。それにもかかわらず、便が固くなっているのですから、食物繊維と便通には大した関係がないように思います。むしろ、食物繊維を多く摂取しているのに便が固くなるのですから、逆効果なのではないかという疑いも持つようになりました。

乳酸菌はどうか?

便秘の予防と解消に効果的といわれているものに乳酸菌もあります。乳酸菌はヨーグルトに多く含まれているので、毎日食べると便通が良くなることが期待されていますね。

ヨーグルトは糖質含有量が100gあたり5g程度含まれています。糖質制限をしている人にとっては、微妙な数値です。1食50g程度にしておけば、2.5gの糖質摂取量に抑えられるので、これくらいなら許容範囲ではないでしょうか。

ヨーグルトは、以前は毎日夕食後に100g食べていました。その甲斐あってか、ヨーグルトを食べている間は、便が柔らかめで、排便時間が1分以内と短時間でしたね。でも、牛乳が体に良くないという話を聞いてから、今度はヨーグルトを一切食べないようにしました。これは糖質制限前の話です。

その結果、便通に何も変化はありませんでした。この時にヨーグルトを食べる必要はないと思ったわけですが、糖質制限をはじめて便が固くなってきたので、再びヨーグルトを食べるようにしました。とは言え、摂取量は、以前よりも少なく、50gから80g程度です。

しかし、便通にはほとんど変化はありません。つまり、固い状態ということですね。

そもそも便が固いのはどうしてなのか?

世の中の俗説にしたがって食物繊維と乳酸菌を多く摂取したけど、便は固いまま。

便秘で悩んでいる方も同じ経験をしているのではないでしょうか?

やはり、自分の体のことは自分で観察しなければ何もわかりません。これはスロトレを始めてからわかったことです。

とにかく毎日自分の体を観察して、その変化を知ることで、なぜ体に変化が出たのかを考えます。そして、何らかの仮説が思い浮かんだら、それを実行してみます。仮説通りの結果が出れば、おそらくそれが答えでしょうし、そうでなければ、また観察と思考と実行を繰り返します。

ということで、まずは便の状態を観察することにしました。

毎朝出る便は、ヤギやシカのような小さく丸い塊をしていて、細切れに出る感じでした。この段階では、何もわかりません。

しかし、何日も自分の便を観察していると、ふとお尻を拭いたときの感触が以前と違うことに気づきました。それは、お尻に湿り気がほとんどなく、乾燥しているということです。

ここでピンと来たんですよね。

便通が悪くなるのは、腸内の水分量が少なくなっていることが原因なのではないかということに。確かに毎朝観察している便も水分が少ないような感じです。

ただ、水分を多く摂取したからといって腸内が潤うかというと、そんなこともないようです。夏の暑さの影響もあるのでしょうが、水分だけでは腸内が潤っているような感じはなく、便は固い状態が続きました。

次に思い当たったのが、便の出口が詰まるような感覚でした。どうも出口付近で渋滞を起こしているような感じです。

「これは、腸内に潤滑油となるものが不足しているに違いない」

そう思って、すぐに近所のスーパーに肉を買いに行きました。そして、牛脂をひとつもらいました。牛脂はその名のとおり牛の油ですね。フライパンやホットプレートに油を敷く時に使う白くて四角い油の塊です。

25gほどあったでしょうか。それをおもむろに口に入れ、そのまま全部食べました。味はほとんどありません。食べづらいということはなかったのですが、何か調味料があった方が良さそうですね。

便がスルリと出る

そして翌朝。

いつも通りの時間にトイレに入ります。

すると、いつも通りの便の感覚、つまり、固い感じです。でも、この日は、排便はすんなりといきました。

確かに便は固かったのですが、出口付近で渋滞することはなく、スルリと外に出ました。やはり潤滑油となるものが腸内に不足していることが便通が悪くなる原因なのでしょう。

この日夕方に温泉卵を3つ食べてみました。再び、脂質を多めに摂る作戦です。

そして、次の日の朝もすんなりと便が出ました。やはり、脂質の摂取不足が便秘になる原因のようです。

ここで厚生労働省が運営する「eヘルスネット」というサイトで便秘のことを調べました。すると、しっかりと脂質の摂取不足が便秘の原因だと書いてありましたよ。

このページには、さらに便秘の定義についても記載されていました。

便秘とは、便中の水分が乏しく硬くなったり、もしくは便の通り道である腸管が狭くなり排便が困難、または排便がまれな状態をいいます。

これを見ると便秘の原因は2つに分けられるということですね。ひとつは便中の水分不足、もうひとつは腸管が狭くなるということです。

腸管が狭くなることは、自分ではどうすることもできなさそうなので、病院に行くしかないでしょう。でも、便中の水分不足は、自分で何とかできそうです。水分を多く摂取すれば良いのですからね。それと脂質も多く摂取することですね。

さらに上のページを読んでいくと、脂質に含まれる脂肪酸が大腸を刺激するとも書かれていました。他にも便秘の原因が色々と書かれていますが、どれも多くの人が聞いたことがあるようなことですね。

糖質についても記述があります。糖分が多い食品は腸内で発酵するので大腸運動を高めるそうです。

コーヒーや紅茶などカフェインが多く含まれている飲み物も控える

私たちが、よく知っている便秘解消に良いと言われている食物繊維や乳酸菌ですが、これらの情報は、テレビCMから得ている場合が多いんですよね。

毎日、無意識に見ているものですから、知らない間に脳にすりこまれてしまうのでしょう。そして、便秘になった時には、食物繊維と乳酸菌しか頭の中にないので、こればかりに意識が行ってしまうわけですね。

やはり、自分の体のことは、自分で観察しないとダメですね。

それと、便秘の予防や解消には、コーヒーや紅茶といったカフェインが多く含まれている飲み物を控えることも効果的ということです。これは、「あらてつの糖質制限な日々」というブログで紹介されていたことです。

  • 糖質制限食と便秘 読者の方から頂いた解消法 左記ページは閉鎖しています

どうやらカフェインには殺菌効果があるので、普段からよく飲んでいると、腸内細菌が殺されてしまい、便秘になり易ということです。

ということで、現在、3週間ほどコーヒーも紅茶も飲んでいません。以前は、朝起きた時に生姜紅茶を飲んでいましたが、今は飲んでいません。夏は暑いので、わざわざ飲まなくても良いでしょう。

どうやら、カフェイン断ちは便通を良くする効果がありそうに思いますね。

牛脂を食べてから2週間くらいは、牛脂を食べなかったので、少しずつ便が固くなっていきました。そして、今度は2日連続で牛脂を食べて、再び便通を元に戻しました。

その後は、マヨネーズを多めに食べるようにしてできるだけ脂質を摂取するようにしていましたが、牛脂ほどの効果はないようです。でも、カフェイン断ちを続けているためか、便通はそれほど悪くなっていません。

腸の健康には、コーヒーが良いなんて言われていますが、この情報も怪しいですね。

とりあえず、便秘で悩んでいる人は、脂質を多く摂取することが大事でしょう。

それと同時にカフェインの摂取も控えてみてはいかがでしょうか。