筋肉をつけるためには、筋トレなどの運動をしなければならないことは誰でも知っています。中学生や高校生のように成長期にある場合には、大した運動をしなくても筋肉がついていくでしょうが、大人になると何もしなければ筋肉は減っていきます。
だから、適度に運動して筋肉を鍛えることを推奨する医師や栄養士の方は多いです。
筋肉をつけるためには、毎日の食事でタンパク質をしっかりと摂取することも大切です。しかし、タンパク質は腎臓を悪くすると言われているので、1日の摂取上限を守らないと危険なのではないかと思っている人もいることでしょう。
タンパク質の過剰摂取を気にする必要はない
最初に答えを述べておきます。
健康な人のタンパク質制限は必要ありません。
タンパク質を食べると腎臓が悪くなるというのは、迷信と考えて良いでしょう。
厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準2015年版」には、タンパク質制限が必要ない旨が記載されています。タンパク質が腎臓を悪くすると言っている人は、日本人の食事摂取基準2015年版を読んでないのでしょう。
たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。しかし現時点では、たんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。そこで、耐容上限量は設定しないこととした。(97ページ)
「たんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない」と書かれてますね。だから、タンパク質を食べすぎると健康に良くないという主張には根拠がないのです。
でも、毎日、2kgも3kgもタンパク質を摂取すると、さすがにどうなるかはわかりません。朝、昼、晩の3回の食事でお腹いっぱいになる程度のタンパク質摂取量なら、問題ないと考えていいんじゃないですか。
タンパク質の過剰症の報告はない
タンパク質の過剰摂取が健康に悪いと言うのなら、タンパク質の食べ過ぎで体を壊した人がどこかにいるはずです。しかし、タンパク質の過剰摂取で病気になったという報告は、まだありません。
日本人の食事摂取基準2015年版の88ページにも、「たんぱく質の過剰症は報告されていない」と明言されています。
理論上は、タンパク質が腎臓に負担をかけるとかいうことになるのかもしれません。しかし、そうだったとしてもタンパク質の過剰症の報告がないのですから、それこそ1日に2kgや3kgといった非常識な量のタンパク質を食べない限り問題ないと言えそうです。
日本人の食事摂取基準2015年版の91~92ページによると、高齢者の1日のタンパク質摂取の推奨量は体重1kgあたり1.0625gです。なので、体重の0.1%以上のタンパク質を毎日摂取しておかないと、タンパク質不足になるかもしれません。
運動をしている人は、これ以上に必要でしょうね。