スロトレを行うと、乳酸などの代謝物が筋肉にたまり、ハードなトレーニングをしたと錯覚させることができます。これが、スロトレのような軽い負荷でも筋力アップが可能となる理由です。
また、乳酸は、筋肉内にある成長ホルモンを分泌させるスイッチを押す作用があります。成長ホルモンは、新陳代謝を活発にし、筋肉の発達、ケガや病気の回復力アップ、運動能力を向上するなど、様々な働きが確認されています。中でも脂肪分解作用はとても強力です。
通常時の数百倍の成長ホルモンが分泌される
成長ホルモンは、その名のとおり、体の成長に関わるホルモンです。
思春期前の分泌量を「1」とした場合、思春期後半は「2」となり、20歳を過ぎると徐々に減少していき、40歳になる頃には、「0.5」も分泌されなくなります。また、成長ホルモンが最も多く分泌されるのは睡眠時で、特に22時から翌2時の間が分泌のピークとなります。
思春期に急激に背が伸びるのは、成長ホルモンの分泌量が多いことが理由です。寝る子は育つというのも頷ける話ですね。
スロトレを行うと、筋肉に乳酸がたまり成長ホルモン分泌のスイッチが押されます。
スロトレによって分泌される成長ホルモンは、通常時の数百倍で、その分泌量は思春期の分泌量に匹敵します。
成長ホルモンの脂肪分解作用
先ほども述べましたが、成長ホルモンには強力な脂肪分解作用があります。
スロトレを行った後、約1時間ほど経過すると、成長ホルモンが分泌され始めます。成長ホルモンは、分泌が終わっても一定時間、脂肪を分解し続けます。その持続時間は、5時間から6時間とされています。
この脂肪分解が行われている時間は、脂肪が燃焼されやすくなっているので、積極的に体を動かすことで、脂肪を燃やすことができます。また、人間は、基礎代謝といって、何もしていなくてもエネルギーが消費されますが、この基礎代謝によっても脂肪が燃焼されます。
スロトレによって筋肉をつけるだけでなく、脂肪も減らしたいなら、スロトレ後6時間の間にウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を行うのがおすすめです。
ここで注意しなければいけないことは、スロトレと有酸素運動の順番を反対にしないということです。有酸素運動を行った後にスロトレを行った場合、有酸素運動で血中の遊離脂肪酸濃度が上昇し、成長ホルモンの分泌量が少なくなってしまいます。なので、スロトレは有酸素運動の前に行わなければいけません。
ただし、10分以内の有酸素運動なら、スロトレ後の成長ホルモンの分泌量が減ることはありません。
目次
- スロトレとは
- ノンロックスローで筋トレ効果アップ
- スロトレの回数と頻度
- スロトレ時の呼吸
- スロトレで成長ホルモンが大量分泌
- スロトレのダイエット効果
- スロトレのアンチエイジング効果