この前、あるテレビ番組を見ました。
そのテレビ番組は、何人かの芸能人が健康診断を受けて、体の異常を指摘されるというもの。
内容は、なかなかおもしろくて、出演者の私生活に密着し、「そんな生活してて、異常がない方がおかしい」と思うようなことを放送していました。案の定、出演者のほとんどが不健康な状態で、このままの生活を続けていると、将来、とんでもないことになってしまうと脅されていました。
そして、最後に人間ドックを受けた人で、異常がない人は全体の7%程度しかいないという内容が紹介されて、番組は終了。
そうか、日本人の9割は病人なんだ。
電車に乗ったら必ず席を譲りましょう
日本人の9割が病人なのですから、街を歩いていてすれ違う人は、ほぼ病人に違いありません。すれ違った直後に振り返ると、人が倒れていたということも十分に起こりえます。
車を運転している時なんかは、もっと注意しなければいけません。
何しろ、前後を走っている車はもちろんのこと、対向車線を走っている車の運転手も、ほとんどが病気なわけですからね。運転中に急に意識がなくなって、数十台を巻き込む大事故を起こすかもしれません。
こんな状況では、車を運転するなんてことはできませんし、それどころか、外を歩くのも不安です。
電車に乗っている時も、周囲に気を配る必要があります。あなた以外の乗客は、ほとんどが病人なんですからね。とにかく立っている人がいたら、席を譲りましょう。きっと、目の前に立っている人は、気丈に振る舞って、病気でないふりをしているだけです。
また、電車のような密室で病人に囲まれたら、あなたも病気をうつされる危険があります。マスクはもちろんのこと、メガネもかけましょう。夏でも長袖のシャツと手袋着用は当たり前。
ここまで読んで、何を書いているんだと思ったあなた。
それが普通の感覚です。
定期的な人間ドックや健康診断は必要か
まず、人間ドックを受診した人の9割が、何らかの異常を抱えているというのがおかしいと思いますよね。
おそらく、自分の友人や知人の9割が、不健康だという人は少ないのではないでしょうか。もちろん、80歳以上の方の多くが、なんらかの異常を抱えているというのならわかりますが、働き盛りの人たちの9割が不健康だという検査結果が出るのは、どうなんでしょうね。
普通に考えたら、検査が厳しすぎるということになりますよ。
最近では、定期的な人間ドックや健康診断は無意味だという見解もあるようです。
下の記事なんかも人間ドックに否定的です。
この記事の中では、チェコスロバキアでの調査結果が紹介されています。
それによると、ガン検診を受診していた人の方が肺ガンに多くかかり、より多く亡くなっていたそうです。普通に考えれば、ガン検診を受診した方が、早期発見につながり、すぐに治療を受ければ、治りそうな気がするんですけど。
こういったデータは、情報の発信者にとって都合の良い部分だけを抜き出している可能性もあります。なので、少々、大げさに書かれているとも考えられますが、それを考慮しても、ガン検診を定期的に受けていたら、死亡率が極めて低くなるということはなさそうに思いますね。
人間ドックの結果が正しければ、現代の健康常識が異常
しかし、人間ドックを受診した人の9割が異常だという結果が出ていることが正しいのであれば、考え直さなければならないことがたくさんあります。
それは、今、常識とされている建康に関する知識や情報です。
テレビをつければ、健康に関する情報が頻繁に流れています。CMを見るだけでも、そういった知識を得ることはできますよね。
もしも、これらの情報が正しいのであれば、人間ドックで9割の人が異常なんてことにはならないのではないでしょうか。
人間ドックを受診している人は、先ほど紹介した記事によると、毎年約300万人です。日本人の約2.5%の人が受診しているわけですね。おそらく、人間ドックを受診するくらいですから、普通の人よりも健康に関心を持っている人たちなのでしょう。
そういう健康意識が高い人たちでも、9割が異常なわけですから、健康のために常識とされていることが、実は健康を害しているということになっているのではないでしょうか。
結局、何もしないという結論に
とは言え、健康常識のすべてが間違っているということにはならないと思うので、ひとつひとつの情報を検証していかなければなりません。
しかし、一般人が、そんなことを検証できるわけがありません。それに、そんなことする必要もないでしょう。動物なんか、健康常識を知らなくても、普通に生きてるわけですからね。
しかも、動物は人間のようにあれこれと色々なこをしていません。健康診断なんか受けたことがない動物の方が多いはずです。
でも、われわれ人間は、そういった動物を食べています。健康診断を受けていない魚を食べますし、しかも、日本人なんか生で食べてるわけです。
もしかしたら、魚に健康診断を受けさせれば、9割が異常かもしれません。そんな危険な魚を食べてるから、日本人の9割が病人なんだと言われれば、返す言葉がありませんが、レントゲン検査を受け、バリウムを飲んで健康だと判断された魚を食べようなんて、普通は思いませんよね。
テレビ番組を見て、あれやこれやと考えてたわけですが、結局、何が正しいのか、何が間違っているのかなんて一般人にはわかりません。
どうせわからないのなら、特別なことは何もしないのが、最もリスクが少ないのではないでしょうか。