世の中が少しずつ糖質制限に関心を持ち始めているように感じる今日この頃。
糖質制限を始めた人、もしくはこれから始めようと思っている人になぜ糖質制限をするのかを尋ねれば、おそらく、多くの人がダイエット目的と答えることでしょう。糖質制限ダイエットという言葉もあるくらいですからね。こういった言葉が生まれるということは、糖質制限の痩身効果が高いということなのでしょう。
しかし、糖質制限のダイエット効果に批判的な人たちがいるのも、また事実でして、そういった人たちが口にするのは、糖質をカットすると、一時的に水分が体から出て行ってしまうから痩せるんだということ。私も、以前、テレビ番組でそういったことを言ってる人の話を鵜呑みにして、糖質の過剰摂取をやめなかったのですが、いざ、糖質制限をやってみると、短期的に水分が体から抜けるだけではないことが分かったんですよね。
体脂肪が明らかに減っている
私が糖質制限を開始して1ヶ月ほどが経ったとき、体の変化に気づきました。
それは、今まで全然減ることがなかった脇腹の贅肉が、すっきりと消えていたことです。
脇腹、つまり、ウェストですね。ダイエットに取り組む人の中でも、ここの脂肪を落としたがっている人は多いはず。私も、体を右に左にひねりながら腹筋を鍛えるツイストクランチを行って、脇腹をすっきりさせようとしましたが、まったく減る気配はなかったですね。
でも、糖質制限を始めたら、ツイストクランチなんかしなくても、脇腹の脂肪がグングン減っていきました。糖質制限批判をしている人が言う痩せる理由は水が減るからだとするなら、脇腹に蓄積された贅肉はすべて水だったのでしょうか?
そんなことはありません。
明らかにあれは脂肪ですよ。体脂肪率も糖質制限開始前は13%だったのに糖質制限を始めたら10%を切りましたからね。
糖質の摂取量を減らしたら脂肪が減る。
これが事実なんですよね。でも、やったことない人は、いろいろと頭の中で妄想して批判します。そして、間違ったことを他人に植え付けようとします。しかし、糖質の摂取を減らしたら脂肪が減ることは、理屈の上でも明らかになっているのです。
糖質を減らせば何もしなくても中性脂肪は減る
最近、東京健康クリニックの斎藤糧三先生の著書「腹いっぱい肉を食べて1週間5kg減!ケトジェニック・ダイエット」を読みました。
この本の中で、糖質を減らすと、何もしなくても中性脂肪が減る仕組みが解説されています。
糖質の摂取をやめると痩せる第一の理由は、脂肪を体に蓄積しようとするインスリンの追加分泌が起こらなくなることです。インスリンは肥満ホルモンとも呼ばれており、その追加分泌は、糖質摂取によって引き起こされます。だから、糖質を多く含んだ米や小麦を食べないようにすれば、脂肪の蓄積を防げるんですね。
糖質制限で痩せる第二の理由は、糖質の供給が断たれると、体が脂肪を分解してエネルギーとして使い始めることです。
人間の体は、糖質→脂質→タンパク質の順番で消費するようになっています。糖質摂取を控えれば、体内の糖質がなくなってしまうので、次に脂肪をエネルギー源とします。
糖質をカットすると、カラダに蓄えた中性脂肪を分解して使おうとします。血糖の消費が増えてくると、グルカゴンやアドレナリン、成長ホルモンといったホルモンが分泌されます。これらのホルモンは脂質を蓄えている体脂肪に作用し、内部に収めている中性脂肪を分解するのです。
中性脂肪は脂肪酸とグリセロールに分解され、血液で肝臓へ運ばれます。脂肪酸はそのままでもエネルギーになるため、運動時は肝臓に向かう途中で筋肉などで使われます。残りの脂肪酸が肝臓でケトン体になるのです。グリセロールのほうは糖新生によって肝臓で糖質に変えられます。
ケトン体はあらゆる細胞でエネルギー源となりますが、なかでもケトン体を使うのは心臓と腎臓、そして脳の神経細胞です。(74~75ページ)
同書の73ページに上記の解説をわかりやすくした図が掲載されています。その図に私が少し書き足したりして作ったのが以下の図です。
よく脳の栄養はブドウ糖(糖質)だから、食事でしっかりと糖質を摂取しなければならないと言われますが、上の図を見れば明らかなように中性脂肪が分解されてできたグリセロールからも糖新生によって糖質を作り出すことができます。だから、健常者は、食べ物から糖質を積極的に摂取する理由はありません。
仮に糖質が体内になかったとしても、ケトン体が脳のエネルギーに使われるので、この点からも糖質を食事で補給しなければならないとは言えません。
この体の仕組みを知ったら、糖質制限で痩せるのは、体の水分が減るだけではないことがわかりますよね。
また、糖質制限で中性脂肪が減る仕組みは、スロートレーニングで痩せる仕組みと同じです。このことについては、以下の過去記事で紹介していますので、ご覧になってください。
糖質制限で痩せるかどうかを知りたければ、自身で試すのが手っ取り早いですよ。