肉食は味覚を敏感にする?

米や小麦、砂糖など糖質が多く含まれている食品を食べるのを控える糖質制限を続けていると、徐々に味覚が鋭くなってきているように感じます。

最初は、米やパンのような味の薄いものとおかずを一緒に食べなくなるので、おかずの味が濃く感じるのだろうと思っていました。でも、糖質制限を続けていると、豆腐のような味の薄い食べ物でも、しっかりと味がわかるようになってきてるんですよね。

タンパク質の摂取量が増えると食塩の摂取が減る

糖質制限を続けて味覚が鋭くなるのは、それまで食べ続けてきた糖質が味覚を鈍感にしていたのかと思っていました。でも、どうやらそうではなく、糖質摂取量を減らした分、タンパク質の摂取量を増やしたことが味覚を敏感にしているようです。

以前にも紹介したことがある熊本県畜産広場というホームページの「トピックス」食肉のたんぱく質のページを読むと、動物性タンパク質と食塩嗜好の関係について解説されていました。

明治時代から近年までの日本人の食物摂取状況の変遷を国民栄養調査成績で見たところ、肉類や卵類の消費量が増えるにしたがって食塩の摂取量が減ってきているようです。ただ、これだけだと、2つのデータを並べただけなので、正しいのかどうかわかりません。

でも、このページでは、ラットを使った実験結果も紹介されており、タンパク質を多く与えたラットは、そうでないラットよりも濃度の低い食塩水を好んで飲んでいたそうです。また、動物性タンパク質と植物性タンパク質との比較では、動物性タンパク質を与えたラットの方が薄い食塩水を好むことが観察されています。

このラットの実験結果から、日本人の減塩嗜好が進んでいるのは動物性タンパク質の摂取量が増えていることと関係があると言えそうですね。

塩分の摂り過ぎが体に悪いと、よく言われますが、塩分摂取量を控えたいのであれば、動物性タンパク質を積極的に食べるようにして、薄味でも満足できる味覚にすると良さそうです。

ただ塩分を控えろと言っても、濃い味になれている人だと、そう簡単に薄味に変えることは難しいでしょう。無理なく薄味を好む味覚に変えるなら、肉食が最も簡単そうです。ついでに米もパンも麺類も食べなければ、さらに薄味になれてきます。

肉を好む人は味を見分けるのが得意?

毎年、正月に芸能人の格付けチェックをする番組が放送されています。

司会は伊東四郎さんとダウンタウンの浜田さん。番組内容は、複数の芸能人が高級品と低価格品を見分けるといったものです。

例えば、数十億円のバイオリンの演奏と初心者用のバイオリンの演奏を聴き分ける、映画監督が脚本した映像と素人が脚本をした映像を見分けるといったものです。

その格付けチェックの中で定番となっているのが、高級ワインと低価格ワインの比較、高級ステーキと低価格ステーキの比較など、芸能人の味覚を試すものです。この味覚の格付けで、いつも見事に高級品を見分けているのが、歌手のGACKTさんです。

一流芸能人なら、いつも高級なものを食べたり飲んだりしているのだから、食べ比べれば高級かどうかはわかるだろうと思うでしょうが、GACKTさん以外の一流芸能人の方は、正解だったり不正解だったりと様々です。

普段、GACKTさんは炭水化物を食べないようにしており、誕生日の時だけ京都のラーメンを食べると、以前、テレビでおっしゃっていました。そして、牛肉とワインには、かなりのこだわりがあるようです。

きっと、GACKTさんの味覚が優れているのは、日頃から牛肉をよく食べているからなのではないでしょうか?つまり、普段から動物性タンパク質を多く摂取することで薄味を好むようになっており、それが味覚の鋭さと関係があるように思います。

GACKTさんの私生活を見たことがないので想像でしかありませんが、テレビ番組での発言内容から、高タンパク質、低炭水化物の食生活が正常な味覚を維持しているのかもしれません。

とりあえず、濃い味付けが自身の健康を害している原因ではないかと感じている方は、肉中心の食生活に変えてみると良さそうですね。