野菜はミネラルの吸収を阻害する

野菜は美容と健康に良いというのは、現代日本では常識となっています。子供の頃から両親や学校の先生にそう言われて育ってきているので、多くの人が何の疑いも持っていないでしょう。

せいぜい、農薬や肥料が体に良くないのではないかと思う程度でしょうね。

私も以前はそう思っていましたが、スロートレーニングと糖質制限を続けていくうちに野菜が健康や美容に良いということに疑問を感じ始めています。むしろ、野菜はミネラルの吸収を阻害するので、たくさん食べると良くないと思うんですよね。

食物繊維がミネラル補給を邪魔する

なぜ、野菜がミネラルの補給を邪魔するのかと言うと、食物繊維が多く含まれているからです。

亜鉛や鉄といった微量ミネラルは、ただでさえ吸収が良くありません。亜鉛だと吸収率は30%程度ですし、鉄はヘム鉄(二価鉄)で10~20%、非ヘム鉄だと1~6%しかありません。

最近では、野菜を先に食べてから肉や炭水化物を食べると太りにくいと言われ、食べる順番ダイエットが注目を集めていますが、これは、単に食物繊維が栄養素の吸収を阻害しているだけです。炭水化物(糖質)のように急激に血糖値を上げてしまう栄養素の吸収を阻害するのは助かりますが、必須ミネラルの吸収を邪魔するのは考え物です。

食物繊維は便秘の予防に大切だとされていますが、摂り過ぎには注意すべきです。分子栄養学の三石巌先生も著書の「医学常識はウソだらけ」で以下のように述べています。

ただし、食物繊維にも落とし穴がある。あまり摂取量が多すぎると、亜鉛や銅といった必須ミネラルまで吸着して、それを体外に排泄してしまいかねない。特に最近は、亜鉛の不足によって味覚異常が起きることが問題視されている。過ぎたるは及ばざるがごとしと言うが、まさに食物繊維にはその言葉が当てはまるわけである。(188ページ)

亜鉛が不足すると味覚障害だけでなく、肌も劣化しやすくなります。亜鉛は、DNAの複製に欠かせないミネラルです。なので、亜鉛が不足すると細胞分裂が上手くできず、元気な細胞を作り出せません。肌は新陳代謝が活発に行われているので、亜鉛不足は美容にとっても良くないのです。

フィチン酸のキレート作用

豆類や穀物には、食物繊維が豊富に含まれています。だから、野菜だけでなく豆類や穀物も、ミネラル補給の面では多量に食べるべきではないでしょう。

特に豆類や穀物にはフィチン酸が含まれており、これが強力なキレート作用を持っていることから、食べ過ぎには注意です。キレート作用については、栄養学博士の川島由起子先生監修の「カラー図解 栄養学の基本がわかる事典」に解説が載っているので以下に引用します。

フィチン酸には強力なキレート作用があります。「キレート」とはギリシャ語でカニのはさみのことで、2個以上の原子が金属イオンをはさむように結合することをキレート作用といいます。金属の吸収や排泄に影響し、有害な金属だけでなく、必要なミネラル分も排泄してしまうので、一緒にミネラルの吸収を高める動物性たんぱく質を摂取するなど、バランスをとることが必要です。(162ページ)

フィチン酸には、有害物質を排泄してくれるという良い面もあるのですが、必須ミネラルまで排泄されては困ります。

食物繊維が多く含まれる食べ物を食べる理由は、多くの場合、便秘予防でしょう。近頃では、腸内細菌の餌になって腸内環境を整えてくれるという理由から、食物繊維を多く摂取する人もいるかもしれません。

でも、便秘は、脂質を多く摂取しても予防できます。むしろ食物繊維をたくさん腸内に入れるということは、消化吸収できないゴミを腸内に入れているのと同じだと思うんですよね。

どうしても、食物繊維をたくさん摂りたいというのであれば、普段の食事で摂取するのではなく、間食で補給するのが良いでしょう。

朝食、昼食、夕食は、野菜を少なめにして卵や肉、魚を食べます。当然、脂質も多めで。間食時には、寒天やところてんを食べて食物繊維を補給します。これらの食品には糖質がほとんど含まれていませんから、ダイエットをしている方でも問題なく食べれます。

野菜が健康や美容に良いという常識は非常に怪しいですね。

肉類と比較しても、栄養価が低いです。ビタミンもミネラルも肉類の方が野菜より豊富に含まれている傾向があります。大根なんて1本丸ごと食べても、大した栄養を補給できません。ただ、ビタミンCは肉類からの補給は難しいので、野菜から補給する必要がありそうです。

カロリーSlismを使えば、いろんな食品の栄養素を調べられますから、試しに思いついた食品を検索して栄養素を確認してください。

毎日350グラムの野菜を食べるくらいなら、その分、肉や卵を食べた方がしっかりと栄養を補給できることが分かるはずです。

参考文献