和食は健康的な料理じゃないよ

和食と日本食の違いを知っていますか?

日本食は、日本で食べられている料理のことで、昔ながらの日本の料理に加えて、外国から入ってきたカレーライスやラーメンなども含まれます。だから、居酒屋で食べられる料理はすべて日本食です。

一方、和食は、伝統的な日本の料理で、ご飯を中心に汁物とおかずが組み合わされたものです。

現代の日本食は、洋風化しており、和食と比較すると不健康だと言われることがありますが、これは、とんでもない理屈ですよね。普通に考えれば、和食より日本食の方が健康的です。

和食は炭水化物と野菜だらけ

和食の中心となるのは、先ほども述べたようにご飯です。ご飯あってこその和食ですから、摂取する栄養素の大部分が炭水化物(糖質)になります。

また、消化に悪い野菜も、おかずに選ばれる傾向にありますから、炭水化物以外の栄養素が不足しやすくなります。しかも、糖質は、必須の栄養素ではないので、和食では、タンパク質、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルといった必ず食事から補給しなければならない栄養素を必要量摂取するのが難しいです。

一方、日本食は、伝統的な和食も含まれますが、焼き肉、すき焼き、豚のしょうが焼き、親子丼など、肉料理も含まれているので、タンパク質を多く摂取でき、和食より必須の栄養素を補給しやすいです。

日本食と和食は、同じように思われがちですが、タンパク質、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルを補給しやすい日本食の方が栄養面では優れているといえます。

江戸時代は男性より女性の平均寿命が短かった

以前に片山一道先生の『骨が語る日本人の歴史』という本を読んだのですが、その中で、江戸時代の女性の平均寿命が男性よりも短かったことが述べられていました。

江戸時代は、米を中心とした植物食が基本で、タンパク質は魚介類から補給していました。男女とも、現代人と比較すると、タンパク質の摂取量はかなり少なかったと推定できますが、女性は、さらに男性よりもタンパク質を摂取していなかったようです。

江戸時代は、男性優位の社会だったので、男性が多くの魚介類を食べ、女性が魚介類を食べる頻度は少なく、それが原因で女性のタンパク質摂取量も少なかったみたいです。

また、現代人以上に加齢性の関節炎や骨粗しょう症が、当時の高齢者の骨には多く、老後の運動の減少や寝たきりになる人が多かったのではないかということです。

他に当時は、BMIが25以上の肥満の人も多かったとのことですから、高糖質、低タンパクな食事が不健康な体にしていったことが想像できます。

近年、伝統的な和食が健康的だと言われていますが、栄養の面からも、歴史的な事実の面からも、そのように考えることはできません。文化的な視点で見れば、すばらしいものであっても、健康面からは推奨できるような料理ではないですね。

参考文献