イライラしていると気づいたら糖質制限

いつもイライラしているのなら糖質制限の始め時です。現代社会はストレス社会だと言われていますから、ほとんどの現代人が糖質制限を始めた方が良い人ばかりです。

というか、糖質の過剰摂取がストレス社会を作っているのですが、それに気づいていない人が大多数といった方が良さそうです。

糖質を摂取するするからイライラする

糖質を摂取すると血糖値が上がります。そうすると、血糖値を下げるためにすい臓のβ細胞からインスリンが分泌され血糖値が下がります。

これは誰にでも起こる反応なのですが、糖質摂取量が多いほどインスリンの分泌量も増え、血糖値が急激に大きく下がります。これが、イライラの原因なんですね。

糖尿病専門医の牧田善二先生の著書『糖質中毒』に簡単にその仕組みが解説されているので紹介します。

血糖値は高すぎても低すぎても生命に危険を及ぼしますから、低血糖に陥っている危険な状態を知せるために、脳からの指令でアドレナリンというホルモンが分泌され、さまざまな不快症状でシグナルを発します。
具体的には、イライラ、強い空腹感、冷や汗、動悸、震え、吐き気などがおきます。このシグナルは、脳からの「早く糖質を摂れ」という指令です。
それに従って糖質を摂ると、血糖値が上がるとともに、ドーパミンというホルモンが脳内で分泌されます。
ドーパミンは「報酬系」と呼ばれ、脳の指令通りに糖質を摂ったご褒美に、不快な症状を和らげ幸せな気分を与えてくれます。でも、それは一時的なもので、また同じことが行われます。(56ページ)

上がった血糖値を下げるホルモンはインスリンですが、大量の糖質摂取の場合、血糖値が下がり過ぎて危険な状態になります。この時、今度は血糖値を上げるインスリン拮抗ホルモンが分泌されます。そのインスリン拮抗ホルモンの一つがアドレナリンで、イライラなどの不快症状をもたらします。

血糖値が下がり過ぎると糖質を摂って血糖値を上げるようにとの指令も出され、それに従って糖質を食べると、今度は快楽ホルモンのドーパミンが分泌されます。

しかし、再び血糖値が上がるので、インスリンが分泌されて血糖値が下がり、またアドレナリンのせいでイライラし始めます。

これを延々と繰り返してしまうわけですね。

負の連鎖を断ち切るために糖質制限をする

このイライラと快楽の無限ループから抜け出すには、糖質制限しかありません。インスリンとアドレナリンが交互に分泌されるそもそもの原因は糖質摂取なのですから。

脳が疲れている時は甘いものを食べるのが効果的だと言われていますが、これは完全な誤りです。こんなことを続けていると、それこそ糖質中毒になってしまいます。脳が疲れている時ほど、糖質を摂取すべきではありません。

脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖だと言われていましたが、現在では、デマだとわかっています。ブドウ糖以外にも脂肪酸から合成されるケトン体を脳はエネルギー源として利用できます。だから、体内でブドウ糖が少なくなってきても糖質を摂る必要はありません。体内の中性脂肪やタンパク質からブドウ糖を作り出す糖新生も活発になりますしね。

最近、イライラするなと感じたら糖質制限の始め時ですよ。

参考文献