太るかどうかはカロリーの単純な計算では決まらない

先日、「ホンマでっか!?TV」という番組でダイエットのことが紹介されていました。

番組最後にいつも「ホンマでっか」という気持ちで視聴するように促しており、テレビ局側としては何かを学ぶためより楽しむために見てくれとのスタンスのようで、そのような態度で視聴しています。

毎回、何人もの専門家が登場するのですが、今回もダイエットやその他分野に詳しい専門家の方が出演し太りやすい人の共通点を紹介していました。

カロリー重視の人は食べ物をどれも同質と考えている

番組に出演されていた専門家の方の中には、従来からのカロリー収支で太るか痩せるかが決まると考えている方もいました。

カロリーを重視する考え方は、とても単純なので、多くの人に受け入れられやすいのは理解できます。100kcal食べれば100kcal分だけ太るし、100kcal分運動すれば100kcal分痩せるという理屈ですから、そんなに難しくありません。

番組では、焼き肉を食べる際、白米を食べるか食べないかで太りやすくなるかどうかが決まるのではないと紹介されていました。白米なしで焼き肉を食べようが、白米ありで焼き肉を食べようが、それはタンパク質、脂質、糖質の摂取割合が変わるだけで、カロリーが同一なら同じように太るというのが理由です。

でも、それって本当なんですかね?

タンパク質は、皮膚、筋肉、髪など身体作りにも使われますから、エネルギー利用されるか中性脂肪になるかという単純な問題ではないですよね。脂質だって、そこからコレステロールが作られ、さらに男性ホルモンや女性ホルモンに変わるわけですから、エネルギー利用か中性脂肪として蓄えるかだけの問題ではありません。

だから、同じ摂取カロリーなら、何を食べても同じように太るとは言えないはずです。しかし、カロリー重視の人は、そこを無視して摂取カロリーと消費カロリーの収支計算だけで太るか痩せるかを論じます。どこか変ですよね。

食べ物の種類や季節で太りやすさが変わると述べる専門家も

番組に出演していた他の専門家の方は、果物を食べると太りやすいと述べていました。

果物に含まれる果糖は、肝臓で速やかに代謝されて中性脂肪になり体に蓄えられると生化学の視点からわかりやすく解説されていました。また、別の専門家の方は、秋になると太りやすくなることも解説していました。

以前にこのブログでも、冬眠前のクマが太りやすくなることを紹介しましたが、人間だって秋は冬に備えて太りやすくなっているんじゃないかと思いますよ。秋に果物をたくさん食べて、果糖で中性脂肪をつけ食料が少ない冬を乗り切ろうとする身体の反応でしょう。

太るかどうかは、カロリーの単純な収支計算だけで説明できませんね。