ウォーキングでは筋力アップできない?

建康のため、あるいは運動不足を解消するためにウォーキングをしているという方は多いのではないでしょうか。

休みの日に家でゴロゴロとしているよりも、ウォーキングをする方が体にとって良さそうですよね。でも、脚の筋力アップのためにウォーキングをするというのは、実は無意味だということをご存知ですか?

ウォーキングでは最大筋力の20%しか使わない

私もこの事実を知った時は驚きました。日ごろから足の筋肉が衰えないようにするためにできるだけ歩くようにしていましたからね。

でも、どうしてウォーキングでは筋力アップできないのでしょうか?

これはスロトレで筋力アップする仕組みを理解するためにも重要なことです。通常、筋肉は最大筋力の80%以上の負荷を与えなければ発達しません。このような負荷を与えるトレーニングをするには、自宅では難しく、ジムに通ってインストラクターの指導を受けながらエクササイズする必要があります。

ところが、スロトレは、50%程度の軽い負荷でも筋力アップすることが可能です。これはノンロックスローというスロトレ独特の動きが、血流を抑制して筋肉に乳酸をため、成長ホルモン分泌スイッチを押すことができるからです。

ウォーキングの場合、20%程度の負荷しか筋肉に与えることができません。しかも歩いているときは、ノンロックスローではないので、血流を抑制することもできません。

負荷も軽く、血流も抑制できないのですからウォーキングで筋力アップできないのは当然ですよね。

余談ですが、加圧トレーニングの場合は、ウォーキングだけでも十分に筋力アップすることが可能なようですよ。

工夫次第でウォーキングでも筋力アップは可能

では、ウォーキングだけでは絶対に筋力アップ、特に脚力をアップすることはできないのでしょうか?

石井直方教授の著書『筋肉革命』の中で、熟年体育大学の事例が掲載されていましたので、紹介します。

熟年体育大学では、9年間で1,800人の方がウォーキングのプログラムに参加し、そのうち30%の方が、ほぼ毎日1万歩のウォーキングを1年間続けました。これだけ歩けば、それなりに筋力アップしてそうなものですが、結果は全く筋力アップしていなかったそうです。それどころか持久力も増加していなかったというのですから驚きです。

「ウォーキングは健康にとって全く意味がないんだ」

そう思ってしまいますが、中性脂肪、悪玉コレステロールなどの項目は改善されていたので、そのようなことはありません。ただ、脚力アップには効果がなかったということです。

でも、工夫次第でウォーキングだけでも脚力と持久力をアップさせることができます。本書の中では、アップダウンのある道や歩くスピードに強弱をつけることで筋肉を鍛えることができると解説されています。

特にスピードに強弱をつけるインターバル速歩は、5ヶ月実施したところ太ももの筋力が10~15%アップ、全身持久力は約10%もアップしたそうです。詳細なデータは本書に譲りますが、インターバル速歩が筋力アップに効果的なのは間違いないようです。

では、インターバル早歩インターバル速歩は、どのように行うのでしょうか?

簡単に説明すると、息が上がるような速足での歩行を3分間行い、その後、呼吸を整えるように3分間ゆっくりと歩くというウォーキングを自分が設定した目標回数だけ交互に行います。3分間がきついなら2分間に短縮するなど自身の体力に合わせて調節してください。

私は、インターバル速歩は、行っていませんでしたが、上り坂と下り坂が多い場所に住んでいるので、歩くだけでもいくらか筋力と持久力アップに貢献していたとは思います。少なくとも現状維持にはなっていたのではないでしょうか?人よりも歩くのが早いですからね。でも、計測したわけじゃないので、実際はどうなのかわかりません。

現在は、出かける前に必ずスロトレを実施しているので、歩くだけでも、それなりに効果があると思います。というか、そう信じたいです。

参考文献