3つの条件を満たせば筋肉は成長する

筋肉を成長させるためには、トレーニングをする必要があります。もちろんトレーニングを行わなくても、力仕事をすることでも筋肉を成長させることができます。

要は、重力に逆らって重たいものを持ち上げれば、筋肉を鍛えることができるということです。

でも、ただ重たいものを持ち上げるだけでなく、筋肉を成長させる3つの条件を知っていれば、トレーニングの効果をより高めることができます。

1.機械的破壊

プロのトレーナーの山本ケイイチさんの著書「仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか」に筋肉を成長させる3条件として、機械的破壊、成長ホルモンの分泌、適切な負荷が挙げられています。

機械的破壊とは、簡単にいうと筋肉痛が起こるということです。

筋肉繊維は傷つき、破壊されることによって再生が始まる。そして破壊の度合いが適度に大きいと、破壊前の状態に戻る以上に再生が進んで、「筋肉が太くなる」現象として表れる。これがいわゆる「超回復」と呼ばれる現象だ。(67ページ)

誰でも、普段しない運動をした翌日には、筋肉痛になりますよね。

筋肉痛になるということは、機械的破壊が行われたことを意味します。そして、破壊された筋肉は、修復される過程で太く強くなります。筋肉痛が起こらない程度のトレーニングでは、超回復を期待できません。

2.成長ホルモンの分泌

筋肉を成長させる2つ目の条件は成長ホルモン の分泌です。

成長ホルモンは、筋トレ後に多く分泌されます。特に加圧トレーニング後やスロートレーニング後は、通常時の数百倍の成長ホルモンが分泌されます。

方法としては、筋肉を短時間のうちに疲労させ、酸素の供給を減らし、代謝産物である乳酸を多量に分泌させる。具体的にはインターバルの短いセットを組んだり、いま流行の加圧トレーニングなどを行ったりするとよい。(68ページ)

このブログでは、成長ホルモンを効果的に分泌させるスロトレを紹介していますが、より多く分泌させるには、だらだらとメニューをこなすのではなく、休む時間をできるだけ短くして、短時間で集中的にトレーニングをした方が、良いでしょう。

また、睡眠時にも成長ホルモンは多く分泌されます。特に午後10時から午前2時の間は、分泌のピークになるとされているので、この時間帯にできるだけ寝るようにしたいですね。

3.適切な負荷

どんなに筋トレをしても、与える負荷が少なければ、筋肉は成長しません。

負荷とは重さ・回数・休憩時間・動作の難易度などのレベルを指すが、筋肉によい変化を起こすためには、トレーニングをする毎に、少しずつ負荷を大きくしていくことが必要である。(68ページ)

もちろん、負荷が強すぎても筋肉を傷めるだけなので、個人の筋力に合わせて負荷をかける必要があります。ちょうど良い負荷をかけることで、効果的に筋肉を成長させることができますが、同じ人でも、常に同じ負荷でトレーニングを行っていたのでは、そのうち頭打ちになります。

筋肉の成長に合わせて、負荷も少しずつ強くしていくことが継続的に筋肉を成長させるためには大切です。また、適切な負荷をかけることで、機械的破壊も起こるでしょうから、超回復による成長も期待できますね。

スロトレで3つの条件を満たすことができるのか

では、スロトレで、「機械的破壊」「成長ホルモンの分泌」「適切な負荷」という3つの条件を満たすことができるでしょうか?

スロトレは、成長ホルモンを大量分泌させることができるので、この点はクリアしています。

問題は、機械的破壊と適切な負荷です。

スロトレを開始してすぐは、筋肉痛が起こるので、機械的破壊は起こります。なので、超回復によって筋肉が成長するはずです。しかし、私の場合は、1ヶ月もすれば、筋肉痛が起こらなくなったので、継続的に機械的破壊を起こすことは難しいと感じました。

適切な負荷は、スロトレ[完全版]で、メニューごとにeasy、standard、hardの3段階の負荷が紹介されているので、継続的に負荷を強くしていくことは可能です。でも、男性の場合、easyでは負荷が軽すぎるので、standard以上の負荷でスロトレを行うことになるでしょうから、継続的に負荷を強めていくのには限界があると思います。

とは言え、その限界が来るのは、かなり先のことなので、あまり意識しなくても良いでしょう。

負荷については、hardが楽に10回できるようになってから、考えればいいだけですからね。まず、コツコツとスロトレを継続していくことの方が大切です。

参考文献