冬になると、風邪やインフルエンザにかかる人が増えます。私は、この8年ほど風邪にかかっていませんし、インフルエンザにも生まれてこの方一度もかかったことがありません。
でも、食中毒にはなったことはあるのですが。
風邪でもなんでも構わないのですが、体が疲れている時や病気の時は消化に良いものを食べなさいと言われますよね。疲れているときに胃腸に負担をかけると病気の治りが良くないから、そのように言われるのでしょう。これに対しては、そうなんだろうなと思うのですが、では、消化に良いものは何かと聞くと、ほとんどの人がお粥と答えます。
でも、お粥が消化に良いはずはないんですよね。
人間は植物から栄養を補給するのが苦手
なぜそのようなことが言えるのかというと、植物細胞はセルロースでできた細胞壁に覆われており、これを人間は消化できないからです。動物の細胞は細胞壁に覆われていないので、こちらは消化して栄養を吸収できます。
そもそも草食動物でさえセルロースを自力で分解して栄養を補給できないのに人間が植物から栄養を補給しようと考えることに無理があるんですよね。
以前テレビ番組を見ていると、白米は3時間かかっても食べた量の半分程度しか胃液で消化できていませんでした。玄米に関しては、ほとんど消化されずに残っていましたね。
米などの穀物を食べるとかえってお腹がすく
白米や玄米のように消化しにくい食べ物は、消化のために多大なエネルギーを要します。だから、米などの穀物を常食している人は、そうでない人と比較して、食事中のエネルギー消費が多いため、すぐにお腹がすくはずです。野菜も消化に悪い食べ物なので、たくさん食べている人は疲れやすいことでしょう。
私がよく読むブログに「野人エッセイす」があります。このブログ、とてもおもしろいんですよね。
野人エッセイすを運営されている野人さん(むーさん)は、肉中心の食生活をしています。人間本来の食性を自然を観察して見つけだし、それを実践されています。特に野生のイノシシは生命エネルギーがとても強いので、最高の食材とのこと。300グラムほど食べれば数日は何も食べなくてもお腹が空かないそうです。
その野人さんが、猪肉多めでご飯の量は普通のカレーライスを食べると、食後すぐに眠気が襲ってきたとのこと。4時間後に目が覚めると、お腹が空いていて、再び猪カレーを食べます。しかし、ご飯を食べれば食べるほどお腹が空いてくる状況になり、野人さんはある結論に達します。
それは、穀物食は消化に多大なエネルギーを使うということ。どんなに生命エネルギーの優れた猪肉であっても、3食穀物を食べていればエネルギーが持続しないのだそうです。
肉なら5分で消化できる
野人エッセイすに目を通すと、人によっては何やらスピリチュアルな雰囲気が漂っているので、拒否反応を起こすかもしれません。でも、野人さんの述べていることは、一般の学問とは視点が異なるだけで、間違いなく科学、物理なんですよね。
そう言っても、米が肉よりも消化に悪く多大なエネルギーを消費することに疑問を感じている方は、以下のサイトをご覧になってください。(2018年12月22日追記:以下のページは閉鎖されています。)
消化 食事の回数 糖質制限|回転式本部
こちらのページでは、穀物や野菜を食べて30分後に指を口の中に入れて吐き出す実験をしています。ラーメンは原形をとどめて出てきます。野菜も未消化の状態です。特にラーメンや米のように炭水化物が多量に含まれている食品は2時間たってから吐き出しても原形をとどめています。
お酒を飲みすぎて二日酔いになり、トイレに駆け込んだ経験のある方ならわかるでしょう。米粒や野菜がそのまま出て来たのではないでしょうか?
さらに肉、魚、チーズ、豆腐類に変更して同様の実験をしたそうですが、30分後に吐き出すことができなかったとのこと。つまり、これらのタンパク質が豊富な食品は胃で短時間に消化可能ということです。
しかも、肉にいたっては5分で消化が完了するというのですから、米や小麦に代表される穀物よりも圧倒的に消化が良いということになります。
なお、回転式本部さんには、以前にこのブログの以下の記事にリンクをしていただいています。ありがとうございます。
なぜお粥が消化に良いと言われるようになったのか?
多くの方は、ここまで読まれて米よりも肉の方が消化しやすいことを納得されたと思います。
でも、まだ信じきれない方はいるはずです。今まで肉が消化に悪くて米の方が消化に良く、しかも、風邪をひいた時には、お粥を食べて栄養補給をしてきた人がほとんどだと思うので、それは仕方のないことかもしれません。
そういう方は、なぜ、お粥が消化に良いと言われるようになったのかを考えてみてください。
日本人が、肉を多く食べ始めたのは戦後からでしょう。それまでは、穀物や野菜中心の生活だったわけで、その中で最も消化に良い食べ物は、おそらく、お粥だったのではないでしょうか?
イモ類なんかも煮込めば柔らかくなるので消化に良さそうに思えます。大根やニンジンも、とにかく煮込めば煮込むほど柔らかくなるので、なんとなく消化に良さそうな気がしますね。
しかし、消化に良いと思って日本人が長年食べてきた食品は、植物ばかりです。すなわち、お粥は植物に限定して選んだ中から最も消化に良いということで食べ続けてきただけなのではないでしょうか?
選択肢に動物性の食品が含まれていない状況で出した答えをいつまでも信じつづけているのが、現代日本人なのです。今では、肉や卵もよく食べるようになっているのですから、これらの食品も加えて、何が消化に良い食べ物なのか追試をしなければなりません。
しかし、それを怠って、いつまで経っても消化しにくい穀物を消化しやすいと思い込んで、風邪をひいた時にはお粥を食べているんですね。
風邪をひいた時には、食欲があれば肉、魚、卵などの消化に良いものを食べるべきです。お粥を食べるくらいなら、これ以上疲れないようにするために絶食した方が良いのではないでしょうか?
なお、食物の消化に関しては以下の記事もご覧になってください。