スロートレーニングのダイエット効果は、スロトレを行うことで成長ホルモンが大量分泌されて脂肪の分解が進み、エネルギーとして消費されやすい状態になることがその理由です。
スロトレ開始後1時間ほど経つと成長ホルモンが分泌され、その脂肪分解効果は5時間程度持続します。だから、成長ホルモンをいかにたくさん分泌させるかが、スロトレでのダイエットでは重要と考えられます。
でも、成長ホルモンの他に忘れてはいけないホルモンがあります。それはアドレナリンとノルアドレナリンです。
アドレナリンとノルアドレナリンも脂肪を分解する
スロトレを始めると、その直後からアドレナリンとノルアドレナリンが分泌されます。どちらも気持ちを前向きにして、やる気を高めるホルモンとされているので、スロトレを継続してこれらのホルモンを分泌させれば、前向きな性格に変わっていくことが期待できます。
特に午前中にスロトレをすれば、朝からシャキシャキと積極的に活動できるようになります。私も、起床後にスロトレを行っていますが、スロトレをしていなかった頃よりも、1日をだらだらと過ごさなくなった気がしますね。
このアドレナリンとノルアドレナリンにも、やる気をアップさせるだけでなく、脂肪を分解する効果があります。成長ホルモンと比較すると、その効果は1時間ほどでしかないので大したことはないと思えますが、スロトレ直後から、これらのホルモンは脂肪を分解し始めますので、成長ホルモンよりも即効性があります。
なので、アドレナリンとノルアドレナリンも、しっかりと分泌された方がダイエットには効果的なんですね。
フェニルアラニンから作られる
薬学博士の生田哲先生の「食べ物を変えれば脳が変わる」という本によると、人間に限らず動物は、強いストレスを受けるとアドレナリンとノルアドレナリンを消費するそうです。
これらのホルモンがストレスで消費されてしまったのでは、もしかすると、スロトレ時にしっかりと分泌されないのではないでしょうか?もしもそうだとすると、スロトレ前には、アドレナリンもノルアドレナリンも分泌できる体制にしておかないと十分なダイエット効果を得られないような気がします。
アドレナリンもノルアドレナリンも、必須アミノ酸の一種であるフェニルアラニンが材料となります。
フェニルアラニンからは、ビタミンC、葉酸、マグネシウム、マンガン、鉄、銅の働きによってチロシンというアミノ酸が作り出されます。そして、チロシンもこれらの栄養素の働きによってドーパという物質を作り出し、さらにドーパはドーパミンを作り出します。
ドーパミンは気持ちを元気にするホルモンで、これがビタミンCの働きによってノルアドレナリンを作ります。さらにノルアドレナリンは、ビタミンB12、葉酸、ナイアシンの働きによってアドレナリンを作り出します。
フェニルアラニンとチロシンを多く含む食品
ノルアドレナリンやアドレナリンの材料となるフェニルアラニンは、肉、卵、チーズなどに多く含まれています。フェニルアラニンは必須アミノ酸なので、プロテインスコアの高い食品を食べることでしっかりと摂取できるはずです。卵はプロテインスコア100点満点ですし、肉も高いスコアとなっていますから、これらを毎日食べていればフェニルアラニンが不足することはなさそうですね。
また、フェニルアラニンはチロシンを作り、それがノルアドレナリンやアドレナリンを作り出すわけですから、食品からチロシンを直接補給するのも有効です。チロシンは、かつお節、大豆食品、チーズに多く含まれています。冷奴にかつお節をふりかけて食べたり、間食にチーズを食べたりすれば、チロシンを摂取しやすいでしょう。
ノルアドレナリンもアドレナリンも、肉類、卵、チーズを食べていればしっかりと分泌できるわけですね。よくよく考えれば、これらの食品は筋肉を造るためにも大切ですし、健康的な体作りには欠かせません。
動物性の良質なタンパク質と脂質を食べることだけ意識すれば、ノルアドレナリンとかアドレナリンとか、そういったものをあれこれと考える必要はなさそうです。