生活習慣病の原因を探って行ったら糖質過剰摂取にたどり着く

生活習慣病は、日頃の食生活や運動不足が原因で健康を損なう病気の総称です。

具体的には、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、肥満、心臓病、脳卒中などが生活習慣病に挙げられています。

生活習慣病が食生活と運動不足が原因であるのなら、それらの改善が生活習慣病の予防に重要となって来そうです。運動不足は自覚しやすいですが、食生活は良いのか悪いのかを見分けるのが難しいのではないでしょうか。食事のたびにわざわざ食品に含まれる栄養素がどれだけかを調べるのは面倒ですし、カロリー計算なんて不可能に近いです。

食生活の改善は糖質摂取量を減らすことから始める

食生活の見直しは、何をどれだけ食べるべきかを決めることから始めなければならないと考える人が多いと思います。

そして、健康的とされている食品を列挙してみるわけですが、まあ、大変なこと。

魚、海藻、野菜、果物を一体何種類食べなければならないのか。1日30品目食べましょうと言われているから、とりあえず30品目列挙してみる人もいると思いますが、30品目も食材を見つけることが面倒です。トマトとプチトマトは同じなのか、ブロッコリーとブロッコリースプラウトは別物なのか、レタスとサニーレタスを2品目と数えるのは反則じゃないか、考え出すとキリがありません。

食生活の改善は、ただ一つだけ考えればよろしい。

それは、糖質含有量が多い食品を食べないこと

シミズ先生が、著書の「『糖質過剰』症候群」で、様々な生活習慣病を紹介されていますが、それらの原因は糖質の過剰摂取が原因だと述べています。

例えば、肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム。

一般的には、高カロリーな食事を続け、運動不足も重なるとお腹が出てきて肥満になると言われています。ウェストを測って、男性なら85cm、女性なら90cmを超えていると、メタボリックシンドロームの疑いが出てきます。

そこで、健康診断を受けて、高血糖脂質異常症高血圧のうち2項目が当てはまるとメタボリックシンドロームとなります。そして、高血糖が当てはまっていれば糖尿病と診断されるわけです。

つまり、食生活の乱れや運動不足が肥満を招き、肥満がメタボの原因となり、やがて高血糖が持続して糖尿病と診断されるという一連の流れになっていると、一般には考えられています。

しかし、そういうことではなく、糖質の過剰摂取が、肥満にも、メタボにも、糖尿病にも、同時並行的に向かっているのです。

肥満→メタボ→糖尿病

と水が滝を流れ落ちるように段階的に発展するのではなく、糖質を食べ続けていれば、これらは同時に進行していきます。

だから、生活習慣病の改善のために真っ先に始めるべき食生活の改善方法は、糖質制限となるんですね。

完全なメタボになる前のチョイメタあたりで、米やパンと決別した方が良いでしょう。

フレンチパラドックスはパラドックスではない

血管が詰まって大変なことになる冠動脈疾患や心血管疾患は、脂っこいものやコレステロールが多く含まれているものを食べていると起こると信じられてきました。

だから、低脂肪食品が多く販売されているのですが、なぜか動物性脂肪をたくさん食べているフランス人は、冠動脈疾患になりにくい事実があります。そこで、このような不思議な現象をフレンチパラドックスと名付けました。

脂っこい食事が血管を詰まらせるという理屈と脂っこい食事をしているフランス人が冠動脈疾患になりにくいという矛盾をどう説明するのか。

思いついたのが、フランス人が赤ワインをよく飲むことでした。赤ワインには、レスベラトロールという成分が含まれています。この競走馬のような名のレスベラトロールが冠動脈疾患のリスクを低下させると仮説を立て、それでフレンチパラドックスは一件落着となりました。

しかし、そもそも動物性脂肪が血管を詰まらせるという前提がまちがっているのです。

フレンチパラドックスも、前提である「動物性脂肪や飽和脂肪酸が心血管疾患の原因である」という仮説が間違っているというのに気付かなかった。現在では、飽和脂肪酸と心血管疾患の関連は認められない、という十分なエビデンスが存在している。34万7747人を対象にした前向きの疫学研究のメタアナリシスでは、食事による飽和脂肪酸の摂取は、心臓の冠動脈疾患のリスクが1.07倍、脳卒中が0.81倍、心血管疾患が1.00倍と、どれもリスク増加と関連していなかったのである。(33~34ページ)

血液中の中性脂肪の値が高い、HDLの値が低いと血液がドロドロだと言われたりします。この血液ドロドロ状態になるのは、脂っこい食生活をするからだというのが定説です。

ところが、糖質制限をして肉や卵など脂っこい食品を食べても、中性脂肪の値は高くなりませんし、HDLの値も低くなりません。それどころか、中性脂肪は下がりHDLは上がるという、これまで信じられてきた定説とは真逆の結果となるんですね。

フレンチパラドックスは、パラドックスでも何でもなく、起こるべくして起こった結果だったのです。

結局、生活習慣病と言われている多くの病気が、毎日、大量の糖質を摂取してきた結果起こる現象なのです。

チョイメタオヤジから抜け出したければ、糖質制限をしましょうってことですよ。

参考文献