マグネシウムも亜鉛も糖質制限で摂取量が増える

人間にとっての必須ミネラルの中にマグネシウム亜鉛があります。

マグネシウムは、骨に弾力性を与えたり、エネルギー代謝に関わったりしています。マグネシウムが不足すると、神経興奮、不整脈、虚血性心疾患、疲労感、こむら返り、めまいといった症状が出ます。

亜鉛は、生体内での200以上の酵素反応に関わり、血糖値を下げるインスリンを合成したり、抗酸化酵素のスーパーオキシドジスムターゼ(Zn-SOD)の成分にもなります。そして、亜鉛が不足すると、成長障害、性腺発育障害、皮膚障害、味覚異常といった症状が出ます。

マグネシウムも亜鉛も、大切な栄養素なわけですが、どちらも糖質制限をすれば摂取量が増える傾向にあります。

白米のマグネシウムと亜鉛の含有量

糖質制限は、普段の食事から糖質が多く含まれている食品を減らし、代わりにタンパク質と脂質を多く摂ることです。

日本人だと、白米を食べることが多いですから、白米を一切食べず、卵、肉、魚介類に置き換えれば簡単に糖質制限ができます。

そんなことしたら、白米に含まれているマグネシウムや亜鉛を摂取できなくなるので、逆にこれらの欠乏症になるのではないかと思うかもしれません。でも、白米には、マグネシウムも亜鉛も大して含まれていませんから、そのような心配はありません。

カロリーSlismで白米の栄養価を調べると、茶碗1杯(160グラム)に含まれるマグネシウムと亜鉛がどれくらいかを知ることができます。

  • マグネシウム=11.2mg
  • 亜鉛=0.96mg

ちなみに成人女性のマグネシウムの摂取推奨量は、270~290mgで、妊婦は40mg追加となっています。

成人女性の亜鉛の摂取推奨量は、8mgです。

茶碗1杯の白米を朝、昼、晩の3回食べても、全く足りません。一般的に糖質から1日に必要な熱量の60%を補給することが推奨されていますが、白米のように糖質が多く含まれている食品にはマグネシウムや亜鉛が少量しか含まれていない傾向があります。そのため、糖質の摂取割合を増やすほど、マグネシウムと亜鉛が欠乏していくことになります。

白米を卵、肉、魚介類に置き換えればOK

マグネシウムも、亜鉛も、白米を卵、肉、魚介類に置き換えれば、確実に摂取量を増やせます。例えば、カロリーSlismで、卵、肉、魚介類のマグネシウムと亜鉛の含有量を調べると以下の表のようになりました。

食品 マグネシウム 亜鉛
卵2個(120g) 13.2mg 1.56mg
牛肉(100g) 14mg 3mg
豚肉(100g) 15mg 1.8mg
鶏肉(100g) 19mg 1.6mg
サケの切り身2切れ(160g) 49.6mg 0.8mg
ししゃも5尾(150g) 72mg 2.7mg
イカ半分(150g) 81mg 2.25mg
タコ足切り身(200g) 110mg 3.2mg

サケの切り身2切れだけ、亜鉛の含有量が白米を下回っていますが、それ以外の食材では、マグネシウムも亜鉛も白米より多く含まれています。

マグネシウムは、海のものに多く含まれている傾向がありますから、マグネシウム補給には魚介類が有効です。マグネシウム補給におすすめなのはあおさ粉です。わずか1グラムで32mgもマグネシウムを補給できる優れものですから、肉にでも、魚にでも、あおさ粉を振りかけて食べていればマグネシウムの上乗せができます。

亜鉛の補給は牛肉が最強です。

世の中には、糖質制限をすると、マグネシウムや亜鉛の摂取量が減ると言う人がいます。

何を嘘を言っているのか。こういう嘘を言うのは、大概が糖質制限批判者なんですよね。食品の栄養価を調べられたら、すぐにばれる嘘を言って、何がしたいんでしょうね。

糖質制限をすると糖尿病になると嘘を言う人もいますが、糖質制限をすれば亜鉛を多く含む食品を積極的に食べるようになるのですから、インスリン分泌が増えて血糖コントロールが良くなると普通は考えるはずです。

糖質制限をすれば、マグネシウムも亜鉛も摂取量は増えます。ただ、マグネシウムは推奨量を摂取するのが難しい栄養素なので、食事に工夫が必要です。あおさ粉を食べるのがおすすめですが、その他にもマグネシウムが多く含まれている食品を探して、積極的に食べるようにしましょう。

ちなみにレバーはビタミンとミネラルを多く補給するのにおすすめです。

参考文献