筋トレ中は、鍛えている筋肉を意識すると効果的。
こんな話を聞いたことはないですか?
例えば、プッシュアップやベンチプレスをしている時に「大胸筋大きくなれ」と意識していると、無意識の場合よりも大胸筋が大きくなるとされています。だから、筋トレ中は鍛えている筋肉を意識しましょうと言われているんですね。
でも、この説は本当なのでしょうか?
鍛えている筋肉を意識すると効果があったらしい
筋トレ中に鍛えている筋肉を意識すると効果があったとする研究結果が以下の英語のページに掲載されています。
実験内容は、通常のベンチプレスをする場合、上腕三頭筋を使う意識をしながらベンチプレスをする場合、大胸筋を使う意識をしながらベンチプレスをする場合を比較して、どの程度、筋肥大するかを確かめるものです。
結果は、通常のベンチプレスよりも、上腕三頭筋や大胸筋を使う意識をしながらベンチプレスをする方がより筋肥大しました。
どうやら、鍛えている筋肉を意識することで筋肥大するのは確かなようです。
日頃から「筋肉大きくなれ」と念じていれば筋肥大するのか
それなら、筋トレをしていない時でも、「大胸筋大きくなれ」「上腕三頭筋大きくなれ」「腹筋割れろ」と念じていれば、その通りになりそうじゃないですか?
筋トレ中に鍛えている筋肉を意識するのも、何もしていない時に筋肉を意識するのも同じでしょう。もちろん、筋トレをしている時の方が、筋肉に負荷を与えている分だけ筋肥大はするはずですが、「筋肉大きくなれ」と念じる分の筋肥大は筋トレをしているかどうかに関わらず効果があるはずです。
でも、筋肉を使わずに筋肥大させることは不可能ですよね。「大胸筋がもうちょっと大きくなって欲しいな」とか「腕っぷしが強くなってくれないかな」と思うことは、しばしばあるでしょうが、そう思っているだけで筋肉が付いたという話は聞いたことがありません。
筋肉を意識しただけで筋肥大するといった都合の良い話はないのでしょう。
筋トレ中の動作を意識している
先の研究内容は、筋トレ中に「筋肉を使う意識をする」という点がミソなのだと思います。
それは、「筋肉大きくなれと念じる」ことや「今、大胸筋を鍛えているぞ」と思うことではなく、鍛えている筋肉に意識を集中することで正しい動作で筋トレができるということなのでしょう。
鍛えている筋肉を意識しないと筋トレ中の動作が雑になり、同じ10回のベンチプレスでも、正しい動作と比較して効果が小さくなってしまいます。
スロートレーニングでも、ノンロック・スローを意識しないと血流を抑制できないので成長ホルモンの分泌量が減ってしまいます。だから、正しい動作でスロトレを行うことが、筋肉の発達とダイエット効果を高めるために重要だと言われています。
筋トレ中に鍛えている筋肉を意識するとは、正しい動作で筋肉を使うことに意識を集中するという意味であり、「筋肉大きくなれ」と念じることとは違うはずです。
筋トレをしていない時に「筋肉大きくなれ」と念じて、本当に筋肉が大きくなるかは実験してみないとわかりません。そもそも、人の心の中を見ることはできませんから実験のしようがなさそうですが。