高齢者でも下半身の筋肉を鍛えやすい筋トレメニュー

年をとると、筋力が衰えるのは仕方がないことです。

でも、筋力が衰えていくのを見て見ぬふりをしていると、日常生活のちょっとした動作でも、大きなケガをする場合があります。

例えば、雨の日に道路が濡れていて、足を滑らせてしまい、踏ん張ることができず尻餅をついてしまったとか。尻餅をつく時は、無意識に手で体を支えようとしてしまいますから、腕を骨折することもあります。

高齢者の骨折は大事です。日常生活に支障が出ることもありますから、筋肉、特に足腰は、普段から鍛えておいた方が良いですね。

ふくらはぎを鍛えるカーフレイズは隙間時間で簡単にできる

高齢者が、足腰の筋力アップを目指すのにおすすめなのが、カーフレイズです。

カーフレイズは、立った状態で、かかとを上げたり下げたりする筋トレメニューです。

たったこれだけで、ふくらはぎの筋肉を鍛えることができます。カーフレイズをしている時は、倒れないようにイスの背もたれやタンスなどに手を添えて体がフラフラしないようにしてください。支えが何もないと転倒する危険がありますからね。

カーフレイズの良いところは、ちょっと時間があるときに気楽にできることです。バスを待っている間、停留所のポールを支えにすればカーフレイズをできます。自宅にいる時は、テレビを見ながらでもできます。

隙間時間を見つけて、コツコツと続けていれば、ふくらはぎの筋肉が衰えにくくなります。

寝ながらできるヒップリフト

お尻から太ももの裏側の筋肉を鍛えられるヒップリフトも、高齢者におすすめです。

ヒップリフトは、仰向けに寝転んだ状態で、膝を曲げ、お尻を床から上げたり下げたりする筋トレメニューです。

寝る前に布団の上でできるのが、ヒップリフトの良いところです。転倒の心配もありませんから、高齢者が下半身の筋肉を安全に鍛えられます。

あまり、お尻を高く上げると、背中を反りすぎて腰痛になる危険があります。なので、背中が反らない程度にお尻の上げ下げをすると良いでしょう。

スクワットはイスの背もたれで体を支える

下半身を鍛える筋トレの王道は、スクワットです。

スクワットは、立った状態から両膝が90度になるまで腰を落とした状態から、ゆっくりと両膝を伸ばします、両膝がまっすぐに伸びきる前に再び腰を落としていき、両膝が90度になったら、また両膝を伸ばす動作を繰り返します。

高齢者にとってスクワットは、非常にきつい筋トレメニューです。

通常のスクワットが辛いと感じた場合は、イスの背もたれなどを両手で持ちながらスクワットをすると負荷が弱まります。最初の頃は、通常のスクワットは控え、イスの背もたれなどをしっかりと両手で持って体を支えながらスクワットをすることをおすすめします。

1セット10回を目安にする

カーフレイズ、ヒップリフト、スクワットは、それぞれ1セット10回を目安に行うのが基本です。

10回がきつい場合は、回数を減らしても構いません。連続で6回できれば、筋力アップの効果が期待できます。6回が楽にできるようになれば、7回、8回と回数を10回まで増やしていきましょう。10回以上できるようになった場合は、6回を2セットに分けるなど、工夫しながら取り組んでください。

また、関節を傷めないように動作はゆっくり、そして、関節を伸ばしきらないことを心がけてください。このような筋トレをスロートレーニングといいます。

スロートレーニングは、下半身を強化するメニューだけでなく、腕の筋肉や腹筋を鍛えるメニューもあります。下半身中心に筋肉を鍛えて、体を動かすことが苦痛にならなくなったら、下のページで紹介しているその他のメニューにも挑戦してください。

高タンパクな食事を心がける

筋力を強化するためには、筋肉を鍛える必要がありますが、筋トレと同じくらい大切なのが、タンパク質をたくさん食べることです。

若い人は、体重×1グラムのタンパク質を1日に食べる必要があると言われています。高齢者は、さらに多く、体重×1.1グラム程度のタンパク質を摂取しなければならないと言われています。

でも、この程度のタンパク質の摂取量では、筋力を維持するのが難しいでしょう。筋トレをしている人は、体重×2グラムのタンパク質摂取を目安にしていますから、高齢者の体重×1.1グラムでは筋肉の発達には少なすぎます。

年をとると、食が細くなってくるので、なかなか食事量を増やすことができません。だから、食事をする際は、卵、肉、魚といったタンパク質が豊富な食品から優先的に食べるようにし、ご飯やパンなど低タンパク高糖質な食品を減らすべきです。

筋肉が衰えないようにするためには、筋トレだけでなくタンパク質摂取も意識しなければなりませんよ。