大阪府の新型コロナウィルス感染状況(21/01/13-21/03/19)。新規陽性者は増えても陽性率は低い水準を維持。

大阪府の緊急事態宣言が解除されて、約3週間が経ちました。3月21日で、4都県の緊急事態宣言も解除されますから、やっと全国的に以前の生活に戻れそうです。

でも、相変わらず、医学界は感染のリバウンドが起こるかもしれないと、国民を不安がらせています。このところ、少しずつ感染者数が増えてきているので、リバウンドを起こさないためにさらに厳しい活動制限を求めるべきだとの意見もありますが、必要ないでしょう。

大阪府も新規陽性者数が増加傾向だが

1月13日から3月19日までの陽性者の増加数を確認していきましょう。なお、データは、大阪府の「新型コロナウイルス感染症患者の発生状況について」のページから取得しています。

まずは、感染経路別の新規陽性者数の増加数を見ていきます。

大阪府コロナウィルス陽性者増加表(経路別)

増加率は、医療機関が最も高く53.9%です。そして、最も低いのは飲食店の9.6%です。また、感染経路不明と感染経路不明者の濃厚接触者等を除けば、施設の陽性者数が最も多くなっています。

以前から、このブログでは、医療機関と施設での陽性者が多いことを指摘していますが、ようやく政府や東京都も施設での感染を抑える必要性に気づき対策をすることにしましたね。もっと早くに気づいて欲しかったのですが、方針転換することは良いことです。

なお、上の表は、3月5日頃から、感染経路不明者と感染経路不明者の濃厚接触者等で、感染経路がわかった陽性者の数を他の項目に移動させています。3月4日以前については移動を行っていないので、大阪府の公式発表と数字が一致しません。陽性者の合計は一致しています。

次に年代別の陽性者の増加数を確認します。

大阪府コロナウィルス陽性者増加表(年代別)

再び、20代の陽性者数が増え始めているので、他の世代との差が広がり始めています。

こちらは、1月13日から3月19日までの新規陽性者の推移です。

1/13~3/19までの陽性者の推移

3月8日頃から徐々に新規陽性者数が増えています。これを見るとリバウンドの予兆ではないかと思う人が出てきそうです。確かに3月17日から19日までの期間、141人から158人の新規陽性者が確認され、緊急事態宣言解除後、最も多くなっています。

ところが、検査数も異常に増加しているので、新規陽性者増加の影響の大部分は検査数を増やしたことが理由と考えられます。

1/13~3/19までの検査数の推移

なぜか、緊急事態宣言が解除された3月1日以降、急激に検査数が増えているんですよね。

感染者が増えているから検査数を増やしているのではないかとも考えられますが、1月13日から3月19日までの陽性率(1週間移動平均)の推移を見れば、陽性率は1%台と低い水準を保っているので、感染者が増加傾向にあるようには思えません。

1/13~3/19までの陽性率の推移

ちなみに3月19日の検査数は10,872件で、そのうちPCR検査数は9,118件でした。PCR検査は、コロナに感染していなくても1%の確率で陽性と出ますから、3月19日には、約90人がまちがって陽性と出た計算になります。この日の新規陽性者数は158人ですから、約6割は感染していないと考えられます。

こちらは経路別の陽性者の推移です。

1/13~3/19までの経路別陽性者の推移

再び、感染経路不明と感染経路不明者の濃厚接触者等が増加し始めていますが、先ほど見たように検査数を増やした影響が大きいでしょう。

年代別に陽性者の推移をみると、20代以下が増加し始めています。

1/13~3/19までの年代別陽性者の推移

ここ3日間は、20代以下を集中的に検査したのでしょうか。

こちらは、1月13日から3月19日までの年代別陽性者の累計です。

1/13~3/19までの年代別陽性者の累計

このところ、20代だけでなく50代の陽性者数も増えてきています。理由はわかりません。

最後に大阪府の1月13日から3月19日までの死亡者の内訳をみておきましょう。

大阪府のコロナ感染での死亡者の内訳(21/01/13~21/03/19)

死亡者数は合計472人です。

そのうち、40代は3人、50代は7人、60代は26人です。

緊急事態宣言が解除されて以降、死亡者数は減っており、ここ数日は1日に2人以下の日が続いています。

緊急事態宣言に効果があったようには思えない

このところ、東京都での新規陽性者数が増えつつあることから、リバウンドが懸念されていると冒頭で述べました。

東京都は緊急事態宣言が出ている最中なので、人の動きは大阪府よりも少ないでしょう。それなのに東京も大阪も、3月以降は、毎日の新規陽性者数の動きが似ています。

東京で陽性者数が増えていると大阪でも陽性者が増えています。大阪は緊急事態宣言が解除され、人の動きが活発になっているから陽性者数が増えたと説明できそうです。でも、東京都は緊急事態宣言が解除されていないので、大阪ほどは人は動いていないはずです。

それなのに東京も大阪も、陽性者数が増えているのですから、人の動きが感染の主要因とは言えないでしょう。

大阪の場合は、検査数を増やしていることが、陽性者数の増加に大きく影響していると考えられます。東京の検査数は知りませんが、どうも、意図的に陽性者を水増ししているのではないかと勘繰ってしまいますね。