6月20日に沖縄県以外の緊急事態宣言の解除が決定しました。大阪府も、これで自由に動けるかと思っていたら、緊急事態宣言解除後は、まん延防止等重点措置に移行することになりました。
そう発表されてから、大阪府の陽性者数も重症者数も以前よりも減り始めています。この減り方なら、まん延防止等重点措置も必要なさそうなのですが。そもそも、人の動きが感染拡大の主要因ではないことは、これまでの陽性者の増減を見て明らかですし、国民も、うすうす感じていることでしょう。
人の動きを減らすこと以外の感染予防策を思いつかないのでしょうか。民間企業では、ウィルスを不活化する画期的な製品を開発しているんですけどね。
新規陽性者数の増加の内訳
1月13日から6月18日までの陽性者の増加数を確認していきましょう。なお、データは、大阪府の「新型コロナウイルス感染症患者の発生状況について」のページから取得しています。
まずは、経路別の新規陽性者数の増加表です。
陽性者の増加スピードが衰えてきたので、大きくは増加しなくなっています。
年代別の陽性者数の増加表です。
40代がそろそろ1万人に達するかなと思っていたのですが、コロナウィルスの勢いが衰えてきたため、陽性者が増えてきません。良い傾向ですね。
1月13日から6月18日までの新規陽性者数の推移です。
6月17日は95人、18日は79人まで新規陽性者数が減っています。毎週月曜日に陽性者数が減りやすく100人を切ることがあったのですが、木曜日と金曜日に100人を切るのは、3月中旬以来のことです。
こちらは検査数の推移です。
やや減少傾向にはあります。
そして、陽性率の推移です。
6月18日は、1週間平均で0.9%、当日で0.6%まで下がりました。PCR検査は、感染していなくても1%の確率で陽性と出ます。したがって、陽性率が1%を切っていることから、まちがって陽性と出た人の割合が高いと推定できます。コロナウィルスの感染力が衰えたようです。ワクチンの接種率が10%程度のようですから、陽性者数の減少はワクチン以外の原因によるものでしょう。
経路別と年代別の陽性者の推移
経路別の陽性者の推移を見ていきましょう。
すべての経路で、感染が収まっているのがわかります。
上のグラフから医療機関、施設、「他」を取り出したのが以下のグラフです。
医療機関も施設も「他」も、6月12日以降、すべて低い水準です。特定の場所から感染が発生しているようにも見えません。
年代別の陽性者の推移です。
こちらも、全体を通してみると、全世代で同じような動きをしているのがわかります。特定の世代から感染が拡大しているようには見えません。
1月13日から6月18日までの年代別陽性者の累計です。
これまでと大きな変化はありませんね。
重症者数が一気に減った
重症者の状況も見ておきましょう。
先週は重症者残留数がなかなか減ってこなかったのですが、6月16日から順調に減ってきて18日には110人になりました。同日の新規重症者は1人で、5月31日以降からも10人未満で推移しています。
この様子だと、これから重症者が増えていくことはなさそうです。気温の上昇とともにコロナウィルスの活動が弱まっているように見えます。
3月24日から6月18日までの重症者回転期間です。
6月10日以降、7日未満を維持しており、18日には6.1日まで短くなりました。ただ、重症者回転期間は、ほぼ横ばいとなっており、これ以上は大きく下がらないでしょう。これは、新規重症者数が少ない日が続いており、重症解除者数も大幅に増加しなくなっていることが理由です。
6月10日以降、重症解除者数は10人前後で推移していますが、6月19日以降は10人未満になってくると思われます。
20代の死亡が確認されたが
以下は、1月13日から6月18日までの毎日の死亡者数をグラフにしたものです。
たまにグラフが高く伸びている日が見られますが、6月以降は順調に死亡者数が減っているのがわかります。
同期間の死亡者数は、1,894人です。その内訳は以下の通りです。
20代が1人、30代が6人、40代が21人、50代が66人です。
とうとう20代の死亡者が出てしまいました。でも、この方が新型コロナウィルスが原因で死亡したとすることには疑問があります。死亡が確認されたのは6月17日で死亡日は6月11日なのですが、大阪府の発表ではコロナ関連死とはなっていません。基礎疾患があったかどうかは調査中です。
この方が、コロナでの死亡者数に含まれたのは、死亡後に検査をして陽性と出たからです。このように死亡後に検査をして陽性と出た人数は、1月13日以降で49人います。ざっくり見た感じでは、若い世代での死亡の場合、死後に検査をして陽性と出ていることが多いですね。
また、1,894人の死亡のうちコロナ関連死は1,734人なので、160人はコロナ以外の原因で死亡した可能性が高いです。
なお、1月13日から6月18日までのコロナウィルスの陽性者の推定生存率は以下の通りです。
- 90歳以上:72.3%
- 80代:81.2%
- 70代:90.7%
- 60代:97.3%
- 50代:99.3%
- 40代:99.78%
- 30代:99.93%
- 20代:99.99%
- 10代以下:100.0%
70歳未満で感染しても、滅多に死にいたることはないですね。
紫外線でウィルスを不活化
先日、テレビ東京のカンブリア宮殿という番組を見ていたら、株式会社NejiLaw(ねじろう)の社長さんが出演されていました。
絶対に緩まないネジを開発した会社で、最近、北里大学と共同で、紫外線を使ってウィルスを不活化する製品の開発にも成功しています。抑制率は、99.999%とのこと。9がもう1つ多かったかもしれません。
筒の中で紫外線を発生させ、その筒が室内の空気を吸収して、ウィルスがいた場合に紫外線で不活化するという仕組みです。筒状の空気清浄機のようなものですね。今秋の発売を目指しているそうです。
この製品は、あらゆるウィルスを不活化できるので、コロナだけでなくインフルエンザなどの予防にも有効です。
ウィルスもタンパク質だから、紫外線が弱点となります。他に熱や酸にもタンパク質は弱いです。だから、紫外線、熱、酸を利用した製品を開発すれば、ウィルスをやっつけられます。
ウィルス感染を予防するためには、医学的な知見よりも、化学や物理の知識を活用した方が効果的だと思いますね。ワクチンで、特異的生体防御を活性化させるという発想では、コロナだけ、インフルエンザだけと、特定のウィルスに対抗することしかできません。変異してタンパク質の形が変わった場合には、そのワクチンが通用しなくなります。
ウィルス共通の弱点に注目した製品開発が、今後は感染症予防の主流になっていくのではないでしょうか