大阪府の新型コロナウィルス感染状況(21/01/13-21/07/09)。ワクチンの効果が出始めたんじゃないの?

大阪府のまん延防止等重点措置が延長されるようです。東京に関しては、緊急事態宣言が再び発出され、どちらも期限は8月22日となるようです。

大阪も東京も、陽性者数が、じわじわと増えてきていますが、何か特別なことをする必要はないのですが。テレビを見ていると危険だと思う人もいるでしょうが、政府や自治体が公表しているデータを見れば、これから医療崩壊が起こることは、まず考えられません。

それは、大阪府の感染状況から明らかです。

新規陽性者数の増加の内訳

1月13日から7月9日までの陽性者の増加数を確認していきましょう。なお、データは、大阪府の「新型コロナウイルス感染症患者の発生状況について」のページから取得しています。

まずは、経路別の新規陽性者の増加表を確認しましょう。

大阪府コロナウィルス陽性者増加表(経路別)

いつもながら、飲食店は、30人のまま増えることがありません。これ以上、飲食店に厳しい制限を課しても意味がありません。

こちらは、年代別の新規陽性者の増加表です。

大阪府コロナウィルス陽性者増加表(年代別)

40代の陽性者数も1万人を超えました。そろそろ、50代も1万人を超えそうですね。

1月13日から7月9日までの新規陽性者数の推移です。

1/13~7/9までの陽性者の推移

6月以降、低い水準で安定していた陽性者数ですが、7月に入ってから増加し始めています。テレビでは、これを見て危険だと言ってるわけですね。

検査数の推移です。

1/13~7/9までの検査数の推移

7月に入って検査数が減っています。それなのに陽性者数が増加していますから、感染が再び拡大し始めていることがわかります。

1週間平均の陽性率の推移を見ても、7月に入ってから、じわじわと上昇しているので、感染が拡大し始めているとみて間違いないでしょう。

1/13~7/9までの陽性率の推移

でも、感染が拡大していると言っても、今回は全く問題ありません。それは、後述します。

経路別と年代別の陽性者数の推移

次に経路別と年代別に陽性者数の推移を見ていきましょう。

まずは経路別から。

1/13~7/9までの経路別陽性者の推移

感染経路不明が7月以降増えているのがわかります。

上のグラフから、医療機関、施設、「他」を取り出したのが以下のグラフです。

1/13~7/9までの経路別陽性者の推移(医療機関、施設、他)

6月以降、低い水準を保っていますが、たまに医療機関で集団感染が見つかります。

感染経路不明が増加していることから、特定の場所での感染ではなく、市中感染が再拡大していると見てよさそうです。

こちらは、年代別の陽性者の推移です。

1/13~7/9までの年代別陽性者の推移

1月13日から6月中旬まで、すべての世代で同じような動きをしていたのが、6月下旬以降は、60歳以上とその他の世代で全く異なる動きをし始めました。

青色の線が60歳以上ですが、5月以降ずっと右肩下がりが続いています。一方、オレンジ色の30~50代、灰色の20代以下は6月下旬から上昇し始めています。

なぜ、高齢世代とその他の世代で真逆の動きをしているのでしょうか。

普通に考えれば、ワクチンの効果が現れてきたと言えそうです。大阪府だけが、このような動きをしているのなら、たまたまかもしれません。でも、永江一石さんのブログで、東京でも同じように高齢世代の陽性者が減り、その他の世代の陽性者が増えていることが述べられていたので、これはもう、ワクチンの効果だと考えるのが自然です。

運の良いことに大阪は、感染が再拡大してくれました。

もしも、6月と同じようにずっと陽性者数が減少し続けていれば、ワクチンの効果で減ったのか、自然に減ったのか全くわからないところでした。

また、高齢世代以外の感染拡大は、緊急事態宣言が解除された6月23日以降に始まっていますから、緊急事態宣言期間中の陽性者の減少は、緊急事態宣言以外の要因の方が大きいと言えそうです。もしも、緊急事態宣言に効果があるのなら、感染再拡大は1週間ほど先になっていたはずです。

そして、飲食店の規制を強化するまん延防止等重点措置も、飲食店で感染者が出ていないので、府民の生活を圧迫しているだけと言えそうです。

こちらは、1月13日から7月9日までの年代別の陽性者の累計です。

1/13~7/9までの年代別陽性者の累計

再び20代の陽性者数が増え始めました。

重症者の状況

重症者の状況も確認しましょう。

重症者残留数は、7月9日には50人ほどまで減りました。

1/13~7/9までの重症者残留数の推移

新規重症者数も、毎日5人未満です。7月9日は1人もいなかったので、重症病床にも余裕が出てきています。これからは、ワクチンの効果で、さらなる新規重症者数の減少が期待できます。

3月24日から7月9日までの重症者回転期間の推移です。

1/13~7/9までの重症者回転期間の推移

6月以降、新規重症者が増えなくなってきていますが、重症解除者数も減ってきているので、回転期間は長くなり始めています。これは、当初の予想通りで、最終的には14日程度になると思います。

死亡者数の状況

1月13日から7月9日までの新型コロナウィルスによる毎日の死亡者数です。

1/13~7/9までの毎日の死亡者数

7月9日は、2人まで減りました。そのうちの1人は4月の死亡ですから、直近の死亡者数は1人です。死亡者の報告がない日も出てきています。

同期間の死亡者数は、2,002人です、その内訳は以下の通りです。

大阪府のコロナ感染による死亡者数の内訳(21/01/13~21/07/09)

20代が1人、30代が6人、40代が21人、50代が71人です。

死亡者数全体の約87%が70歳以上です。ワクチンの効果がこれから期待できますから、70歳以上の死亡者数が一気に減っていくと思います。

なお、1月13日から7月9日までのコロナウィルスの陽性者の推定生存率は以下の通りです。

  • 90歳以上:71.5%
  • 80代:80.4%
  • 70代:90.4%
  • 60代:97.2%
  • 50代:99.2%
  • 40代:99.79%
  • 30代:99.94%
  • 20代:99.99%
  • 10代以下:100.0%

大阪府の感染状況を見てきましたが、ワクチンの効果で、高齢者の感染も重症化も食い止められていると想像できます。それなのにまん延防止等重点措置を延長するのですから不思議です。