東京オリンピックが盛り上がっていますね。スケートボードやスポーツクライミングは、普段見ることがない競技なので見ていて楽しいです。
スポーツクライミングは、よくもまあ、あんな反り立つ壁にちょっとだけ出ている石をつかんだり足場にしたりして、上っていけるものだと感心します。スケートボードもジャンプ中に板がどこかに飛んでいかないのが不思議ですね。
さて、東京オリンピックが盛り上がる中、新型コロナウィルスも勢いよく感染再拡大しています。医学会や政治家の方々は焦りを見せていますし、テレビも恐怖を煽りに煽っています。でも、被害は以前よりもはるかに少なく、コロナウィルスは、これまで風邪に毛が生えた程度の毒性だったのが、今は完全に風邪以下の毒性になっていますね。
大阪府も陽性者数は急増していますが、重症者数も死亡者数も大して増えていません。
新規陽性者数の増加の内訳
1月13日から8月6日までの陽性者の増加数を確認していきましょう。なお、データは、大阪府の「新型コロナウイルス感染症患者の発生状況について」のページから取得しています。
まずは、経路別の新規陽性者数の増加表です。
飲食店、医療機関、施設での陽性者数の発生は少なくなっています。飲食店は、以前からほとんど発生していませんけどね。
一方で、感染経路不明とその濃厚接触者などは、この2週間の間に大きく増えました。「他」も以前は少なかったですが、今は、医療機関と同じくらいの増加数になっています。いずれ、「他」は医療機関よりも多くなるでしょうね。
年代別の新規陽性者数の増加表です。
20代から50代までが、ついに1万人を超えました。10代の陽性者数もこのところ大きく増加しているので、1万人を超えてきそうです。
一方で、70代以上は、ほとんど増えていません。
こちらは、1月13日から8月6日までの新規陽性者数の推移です。
8月6日は、1,300人を超えました。4月中旬と同じ規模の感染拡大です。増加の仕方が以前よりも急に見えます。
でも、8月に入ってから、新規陽性者数が、前日より増える日もあれば減る日もあるので、今がピークのように思えます。ただ、現在の状況では、これから減るのか増えるのかはっきりしてこないですね。
こちらは、同期間の検査数の推移です。
このところ検査数が増加傾向です。感染が拡大し始めているので、検査数が増えるのは当然なんですけどね。
高齢者のワクチン接種が進んでいるので、今後は、濃厚接触者であっても無症状でワクチン接種済みであれば検査をする必要はないと思います。こういう人には、しばらく自宅で待機するように言うだけで良いでしょう。でも、それを許さない人が多そうですけどね。
陽性率の推移です。
1週間平均の陽性率は、8月6日に7.6%となり、5月上旬ころの水準にまで上がってきています。それでも、最近は、陽性率の上昇が鈍化しています。ここからも、感染拡大のピークに達したように見えるのですが。
経路別と年代別の陽性者数の推移
経路別と年代別に陽性者数の推移を見ていきましょう。
まずは、経路別の陽性者数の推移です。
感染経路不明が急上昇しているのがわかります。でも、そうは言っても、3月下旬から4月中旬にかけての増加と比較すると、同じような増え方に見えます。
上のグラフから、医療機関、施設、「他」を取り出したのが以下のグラフです。
オレンジ色の医療機関は、全く陽性者が出なくなりました。医療従事者と高齢者に優先的にワクチンを接種した効果と考えられます。
そして、施設の陽性者数も高齢者へのワクチン接種が進んだことで、大して発生しなくなっています。
一方、「他」は急激に増えています。「他」には、学校や職場などが含まれていますが、これらでの感染が7月以降拡大しています。事業所で100人を超える集団感染も見つかっています。64歳以下のワクチン接種が進んでいないので、医療機関や施設よりも陽性者が多いのは仕方がないことですけどね。
年代別の陽性者の推移です。
こちらも、高齢者へのワクチン接種が進んだことから、60歳以上の陽性者数がほとんど増えていません。
20代以下と30~50代は、7月以降、ほぼ同じような増え方で、グラフの線が重なってわかりにくくなっていますね。
もしも、高齢者へのワクチン接種が行われいなければ、60歳以上の青い線も、オレンジ色や灰色の線の少し下あたりを推移していたことでしょう。
60歳以上でも、徐々に陽性者数が増えているので安心できないとおっしゃる方もいるでしょうが、60歳以上で陽性者数が増加しているのは60代くらいのもので、70歳以上は大して増えていません。上のグラフから60歳以上を取り出したのが以下のグラフです。
黄色の線が60代ですが、他の世代と比較して大幅に上昇しているのがわかります。64歳以下のワクチン未接種の方が感染していると想像できます。
70歳以上の世代も若干増えていますが、各世代で陽性者が1日に20人を超えることはありません。90歳以上に関しては、陽性者がゼロの日もあります。
こちらは、1月13日から8月6日までの年代別陽性者の累計です。
高齢者の陽性者数が増えにくくなっているので、20代の増加が今まで以上に目立つようになっています。
重症者の状況
重症者の状況も確認しましょう。
1月13日から8月6日までの重症者残留数の推移は以下の通りです。
8月6日は101人でしたが、感染が拡大している割には重症者数は増えてきません。4月19日の感染がピークを迎えたあたりの重症者数が約300人でしたから、今は3分の1まで抑えられています。これも、明らかにワクチンの効果ですね。デルタ株にはワクチンが効きにくいと言われていますが、このグラフを見れば、デルタ株にも十分に有効だとわかります。
また、デルタ株は、従来株よりも毒性が弱まっているようにも見えますね。もう、大騒ぎするようなウィルスではありません。
大騒ぎと言えば、政府が、陽性者を原則入院から原則自宅待機に方針変更したことで、批判する人が増えていますね。普通に考えれば、政府の方針が妥当だとわかるのですが、このところ自宅療養中に亡くなる人が増えているから、自宅待機は危険だと安直に考える人が多いようです。明らかに原則自宅待機の方が、自宅療養中の死亡者を減らせるのですが。
ということで、説明しよう。
今、病床が3つ空いていたとします。原則入院の場合、以下のように4人の陽性者が発生すると、どのように入院させるかを考えてみましょう。
- 4月1日にAさんが陽性と判明したが無症状
- 4月2日にBさんが陽性と判明したが無症状
- 4月3日にCさんが陽性と判明したが無症状
- 4月4日にDさんが陽性と判明し中等症
上の場合、Dさんが中等症であり、その他が無症状なので、Dさんを優先的に入院させなければならないことは誰にでもわかります。
では、原則入院の方針の場合、Dさんが優先的に入院できるでしょうか?
答えはNOですよね。原則入院の場合、陽性と判明した人から入院するのですから、Dさんよりも日付が早いAさん、Bさん、Cさんから先に入院することになります。治療を優先しなければならないDさんが出現することは、4月3日までにはわからないのですから、無症状の3人が優先的に入院となります。
原則自宅待機の場合はどうでしょうか。
この場合、無症状のAさん、Bさん、Cさんは問答無用で自宅待機になりますから、病床は3つ空いたままです。4月4日に中等症のDさんが出現しても、治療できます。
このように考えれば、原則入院は、将来出現するかもしれない中等症以上の症状の患者を自宅待機させる可能性が高まるので、自宅療養中に死亡する危険性も高まります。
一方、原則自宅待機は、将来出現するかもしれない中等症以上の症状の患者のために病床を残しておけるので、自宅療養中に死亡する危険性は下がります。
テレビに出演しているお医者さんも、このことを全くわかってないですね。今は、さすがに無症状で入院ということはないでしょうが、無症状者や軽症者を順番にホテル療養させていたのでは、後から出現するかもしれない中等症以上の患者を自宅待機させざるを得なくなります。
原則入院は、先着順で入院と言っているのと同じですよ。すべての陽性者を入院させる方針の奈良県や兵庫県がまさにこれ。先着順で入院させるから医療がひっ迫するのだということが全くわかっていないようです。
横道にそれましたが、重症者回転期間の推移を確認しましょう。
7月下旬には、14日程度になったので、このまま推移するものと思っていましたが、急激な感染拡大で、8月6日には回転期間が35日まで延びてきました。
それでも、1日の新規重症者数は多い日でも17人と、4月や5月の時のように20人を超えるのが当たり前といった状況にはありません。重症化してから2週間程度で重症解除となりますから、7月下旬に重症化した人たちから順にそろそろ重症解除となって、重症者回転期間が短くなってくるものと思われます。
死亡者の状況
1月13日から8月6日までの毎日の死亡者数です。
7月以降感染が拡大していますが、死亡者数が増加してくる気配がありません。今の死亡者数の水準は、緊急事態宣言が出ていなかった3月よりも低いです。陽性者数は急増していますが、死亡者数や重症者数の観点からは、まったく緊急事態と言えません。
1月13日から8月6日までの大阪府のコロナ感染による死亡者数は2,038人です。その内訳は以下の通りです。
20代が1人、30代が7人、40代が22人、50代が76人です。
なお、1月13日から8月6日までのコロナウィルスの陽性者の推定生存率は以下の通りです。
- 90歳以上:71.6%
- 80代:80.8%
- 70代:90.6%
- 60代:97.4%
- 50代:99.3%
- 40代:99.83%
- 30代:99.94%
- 20代:99.99%
- 10代以下:100.0%
死亡者数が少なくなったので、全世代で推定生存率が上昇しています。一方で、死亡者の推定平均年齢は80.3歳に下がっています。これは、70歳以上の死亡が急激に減っていることが理由です。
ワクチンが、重症化の防止や死者数の減少に大きく貢献していることは疑いようがありません。
ただ、副反応を考えると誰にでもすすめられるものではないですね。先日も、中日ドラゴンズの木下雄介選手が6月28日にワクチンを接種し、7月6日に体調不良を訴え、8月3日に27歳でなくなっています。ワクチンの副反応かどうかは不明です。
厚生労働省の副反応疑い報告の状況について(PDF)によると、7月25日までにファイザー製ワクチン接種後に副反応疑いで死亡した人は828人で、ワクチン接種との因果関係は不明となっています。ワクチン接種が原因で死亡した場合は、金銭的な補償を受けられますが、因果関係が証明されないことには補償は受けられないのでしょう。
幼いお子さんがいらっしゃる方は、ワクチン接種は慎重に考えた方が良いですよ。30歳未満でコロナで死亡した人は、大阪府では皆無に等しいです。20代に1人死亡者がいますが、この方は、死亡後に検査をして陽性となった人で、大阪府もコロナ関連死とは認めていませんから、おそらくコロナとは関係ない原因で亡くなったのでしょう。
現状では、ワクチン接種が原因で死亡したとしても、いつ金銭的な補償が受けられるかわかりません。死なない病気のためにワクチンを打つメリットがあるかどうか、慎重に考えましょう。