全国的に見て、新型コロナウィルスの勢いが急激に弱まってきました。東京では、8月中に1日の陽性者が1万人を超えると予想する専門家もいましたが、そんなことは起こらず、8月下旬には沈静化しだし、9月中旬には1日の陽性者数が1千人未満にまで減少しました。
大阪府も同様に沈静化しており、新規陽性者がこの1週間で1千人未満の日が増えています。人の動きがどうとか一切関係なく陽性者が増えるときは増え、減るときは減ってますね。誰にもコロナの挙動を予測することはできないと見て良いでしょう。
新規陽性者数の増加の内訳
1月13日から9月17日までの陽性者の増加数を確認していきましょう。なお、データは、大阪府の「新型コロナウイルス感染症患者の発生状況について」のページから取得しています。
最初に新型コロナウィルスの経路別の陽性者増加表を確認します。
全体的に見て、大きく増加している項目はありません。
次に年代別の陽性者の増加表です。
年代別で見ても、特定の世代が大きく増減していることはないですね。
1月13日から9月17日までの新規陽性者の推移です。
グラフを見れば急激に減少しているのがわかります。緊急事態宣言の延長とか関係ないです。
それにしても、今回は、減少するスピードが5月や2月と比べ物にならないほど急です。この様子だと、9月25日には300人未満にまで減るのではないでしょうか
こちらは検査数の推移です。
やや減ってきていますが、まだ多いですね。
1週間平均の陽性率の推移です。
9月17日には、6.0%まで下がりました。ここからも、コロナウィルスの勢いが急激に弱まっているのがわかります。
経路別と年代別の推移
次に経路別と年代別に陽性者の推移を見ていきます。
まずは、経路別の推移です。下のグラフタイトルが「年代別」になっていますが、「経路別」のまちがいです。
感染経路不明も感染経路不明者の濃厚接触者等も順調に減っています。特に感染経路不明の減少が著しいです。感染が拡大しているときは、いろんな場所にコロナウィルスがいたんでしょうね。それが、今ではコロナウィルスの生息地が減ってきて、感染しにくくなっているのかもしれません。
上のグラフから医療機関、施設、「他」を取り出したのが以下のグラフです。こちらも「年代別」となっていますが、「経路別」のまちがいです。
「他」は、職場や学校が含まれています。陽性者数が順調に減っていますね。施設もあまり陽性者が出ていません。医療機関は、ワクチンの先行接種の効果でほとんど陽性者が出なくなっています。
年代別の陽性者の推移です。
20代以下の陽性者数が一気に減りました。
30~50代も順調に減っています。
60歳以上も緩やかに減っていますね。
64歳以下のワクチン接種があまり進んでいないのにこれだけ陽性者数が減るのですから、感染の勢いは人間側の行動で決まるものではないことがわかります。コロナウィルスが、ウィルスの世界の覇権争いに負け始めているんですかね。
人は、一度に複数のウィルスに感染しにくく、これをウィルス干渉といいます。ウィルス干渉の理由は様々言われていますが、詳しいことはわかっていません。昨年は、コロナウィルスの感染が拡大し、インフルエンザの感染が減少していますが、これもウィルス干渉ではないかと考えられています。
ワクチンで撲滅できたウィルスは、天然痘だけと言われていますが、天然痘は、もしかしたら、ワクチンではなく、ウィルス干渉の影響で地球上から消え去った可能性もありますね。
こちらは、60歳以上の陽性者の推移です。
70歳以上は、ワクチンを接種しているので、それほど陽性者数が増えませんでした。
60代は、ワクチンを接種していない人も多いので、7月以降に陽性者が増加しましたが、今は他の世代と変わらない水準まで減っています。
1月13日から9月17日までの年代別陽性者の累計です。
全世代で感染が減少しているので、大きな変化はありません。
重症者の状況
1月13日から9月17日までの重症者残留数の推移です。グラフタイトルが「重症者回転期間」となっていますが、「重症者残留数」のまちがいです。パソコンがディスク100%病にかかってしまい、Excelで文字を入力するとすぐに固まり、誤字が多くなっています。
毎日、重症者は発生しますが、それ以上に重症解除者が多いので、重症者残留数は日々減少しています。この調子でいけば、9月24日には150人あたりまで減ってきそうです。
3月24日から9月17日までの重症者回転期間の推移です。
ついに14日より短くなりました。
死亡者の状況
死亡者の状況も確認しておきます。
1月13日から9月17日までの毎日の死亡者数です。
死亡者数も一時は、1日に10人以上報告される日がありましたが、最近は10人を超えなくなってきています。デルタ株は、感染力は強いですが、死亡する確率は従来株よりも低いです。もちろん、ワクチンの効果で高齢者の死亡が減っているのが大きいですが、デルタ株の弱毒化の影響もあります。
1月13日から9月17日までの死亡者数は、2,215人です。その内訳は以下の通りです。
10代が1人、20代が1人、30代が、10人、40代が33人、50代が96人です。
なお、1月13日から9月17日までのコロナウィルスの陽性者の推定生存率は以下の通りです。
- 90歳以上:74.7%
- 80代:83.2%
- 70代:92.1%
- 60代:97.8%
- 50代:99.5%
- 40代:99.86%
- 30代:99.96%
- 20代:99.99%
- 10代:99.99%
- 10代未満:100.0%
60代と40代は、先週より0.1ポイント下がりましたが、それ以外の世代は、上昇か同じです。基本的に推定生存率は、全世代で7月以降上昇し続けています。ここからもデルタ株の弱毒化がわかります。
ちなみに陽性者の平均死亡年齢は79.8歳で、以前よりも低下傾向にあります。これは、若い世代の死亡が増えているのではなく、高齢者世代で死亡しにくくなっており、全体の死亡者に占める若い世代の割合が高まっていることが理由です。
コロナで騒ぎ続けるのも9月で終わりにしてほしいですね。