糖尿病になった場合、様々な合併症を併発します。
その中には、糖尿病性網膜症もあり、進行すると網膜剥離になって失明します。
糖尿病は発症すると治りません。糖尿病にならないためには、日ごろから米、パン、麺類、砂糖、果物、根菜類など、糖質が多く含まれている食品を控える食事を心がけるのが大切です。だから、カロリー制限や運動よりも、まず糖質制限から優先的に始めましょう。
もしも、糖尿病に気づかず、いつの間にか糖尿病性網膜症になっていたとしても、諦めてはいけません。
糖質制限で糖尿病性網膜症が治る
眼科外科医の深作秀春先生の著書『視力を失わない生き方』で、糖尿病性網膜症に糖質制限食が有効だと述べられています。
この効果は劇的でした。いくら硝子体手術で網膜症を救っても、大量の糖質とインシュリンの治療では、早晩、血管が破けるのです。しかし、糖質制限で血糖変動を少なくして、我々が開発した近代的な小切開硝子体手術を施行することによって、増殖性糖尿病性網膜症や糖尿病性網膜症による重症の網膜剥離も完全に治せるようになりました。(299ページ)
糖尿病性網膜症は、以前から手術で治療できたようです。しかし、高糖質食と大量のインスリン(インシュリン)で、血糖値を乱高下させていると、せっかく治った糖尿病性網膜症を悪化させてしまいます。
糖尿病性網膜症と診断されたら治療を開始しなければなりません。それと同時に糖質制限も開始しなければ、せっかくの治療の効果も台無しになります。
眼科で糖尿病が発覚することもある
毎年受けている定期健診で糖尿病が発覚することもありますが、定期健診では糖尿病がわからない場合もあります。
定期健診の場合、空腹時の血糖値を測定し、基準値を超えていないかどうかを確認します。でも、糖尿病の人でも、空腹時の血糖値は正常となることもあるので、定期健診だけでは糖尿病かどうかを確実に見分けることはできません。
だから、眼の調子が悪くなってから眼科を受診し、糖尿病性網膜症が発見され、糖尿病が判明することもあります。糖尿病は自覚症状なく進行しますから、このような事例は稀ではありません。
眼科で糖尿病が発覚した後は、内科で糖尿病の治療をすることになりますが、必ず糖質制限に理解のある内科を受診することが大切です。糖質制限に否定的なお医者さんだと、高糖質食を指導し、上がった血糖値を薬やインスリンで下げようとします。これだと血糖値の乱高下が起こるので、糖尿病性網膜症が悪化します。
糖尿病は治らない病気ですが、糖質制限で合併症を予防できます。糖尿病性網膜症も治療と糖質制限で治ります。
糖尿病の悪化を防ぐためにも、糖尿病の予防のためにも、糖質制限はできるだけ早く始めた方が良いです。