糖尿病には低炭水化物食が当たり前の時代になってきている

血糖値が高い状態が持続すると、糖尿病と診断されます。

健康な人だと、身体が勝手に血糖値を最適な状態に保ってくれます。しかし、糖尿病になると、この機能が衰えてしまいます。だから、血糖値を正常な状態に保つために血糖値が上がらない食事をしたり、上がった血糖値を下げるために運動をする必要があります。

食事を改善せず、運動もしないという選択をすると、徐々に糖尿病が悪化し、失明、足の壊疽、腎症といった合併症を併発し苦しい思いをしますから、普段から食事に気を使ったり、運動習慣を身につけることが糖尿病を悪化させないために大切です。

食事は低炭水化物食

血糖値は、炭水化物(糖質)が多く含まれている食品を食べると上昇します。だから、糖尿病と診断されたら、これまでの食事から、炭水化物の量を少なくする低炭水化物食(糖質制限食)に変えていく必要があります。

かつては、「糖質制限なんてすると早死にする」と顔を真っ赤にして怒り出すお医者さんがいましたが、令和の時代には、そのようなことを言うお医者さんは少なくなっています。糖質制限で早死にする人がいないんだから、黙るしかないですよね。

近年、アメリカ糖尿病学会は、低炭水化物食を推奨するようになっています。シミズ先生のブログの以下の記事では、アメリカ糖尿病学会の2023年版の診療ガイドラインが、日本語に翻訳されて紹介されています。

結構長い文章ですが、全体を読むと、低炭水化物食に好意的な内容となっています。まだ、アメリカ糖尿病学会も、もろ手を挙げて低炭水化物食に賛成とは言ってないですが、徐々に低炭水化物食に傾いていっているのがわかります。

炭水化物を食べなければ、血糖値が上がりにくくなるのは当たり前のことですから、いつまでも低炭水化物食を否定し続けることはできないでしょう。

無酸素運動と有酸素運動はどっちが血糖コントロールに好ましいか

運動療法には、筋トレに代表される無酸素運動とウォーキングやジョギングに代表される有酸素運動があります。

糖尿病の人は、どちらをやった方が良いか議論になることがありますが、しらねのぞるばさんのブログの以下の記事で、有酸素運動がやや有利との研究結果が紹介されています。

ただし、有酸素運動が圧倒的に有利というわけではないようなので、両者で大差なしと考えるのが妥当なようです。だから、どちらでも継続しやすい方を選択するのが良いでしょう。どちらもやるなら、スロートレーニングとウォーキングの組み合わせが良さそうですね。

スロートレーニングは、低負荷の筋トレなので継続しやすいですし、ウォーキングも、ただ歩くだけですから取り組みやすいです。朝、自宅でスクワットをした後に歩いて駅まで行くとか、腕立て伏せをした後に洗濯をするとか。

スロトレ後の有酸素運動は、身体に蓄えた中性脂肪を消費しやすくなりますから、肥満が原因で血糖値が高くなっている方には良い運動だと思います。

糖尿病には、筋トレが有利だとの論文もあるようですが、しらねのぞるばさんの以下の記事では、論文の内容が怪しいと述べられています。

筋トレだけやっていたら糖尿病は治るというものではなく、血糖コントロールに効果があることを組み合わせながら継続することが大切ということですね。

食事も改善せず、運動も一切しないで、薬だけに頼るのが最もやってはいけないことです。この見解は、どのような立場のお医者さんでも共通していますね。