糖質制限を否定している時点で名医じゃないだろうに

ネットニュースを漁っていると、「名医が教える」といったタイトルの記事に出くわすことがあります。

ネットニュースは、読者をひきつけるためにインパクトのあるタイトルをつけることがありますが、健康に関する記事は、お医者さんであれば誰でも「名医」と肩書がつくことが多いので、まあ、話半分くらいの気持ちで読んだ方が良いでしょう。

で、その名医の先生が糖質制限は危険だとかいう記事に登場するわけですが、これは、話半分どころかデマばかりなので信用できないですね。

糖質制限をするとエネルギー不足になると言っているお医者さんは名医じゃない

糖質制限批判をするお医者さんのほとんどが口にするのが、「糖質制限をするとエネルギー不足になる」というもの。

これって、とても怪しい理屈なんですよね。

糖質制限をするとエネルギー不足になるという理屈は、身体に必要な大部分をブドウ糖で賄っているとの前提に立っています。そして、体内のブドウ糖が不足すると筋肉を分解してブドウ糖を作り出しエネルギーに変えると言います。

じゃあ、中性脂肪はいつエネルギー利用されるの?

という疑問がわいてくるのですが、そこには触れません。もしも、ブドウ糖が不足すると直ちに筋肉を分解してブドウ糖を作り出すのなら、数日、水だけで過ごすと人間は脂肪の塊になってしまうはずです。

そんな人は見たことありません。むしろ、数日、何も食べなければ体脂肪率が低下しているはずです。半日食べなくても体脂肪率が下がることがあるのですから、何も食べていない期間が長いほど中性脂肪が減るのが普通でしょう。

細胞がブドウ糖を取り込むのは手間がかかる

細胞は、主にブドウ糖と脂肪酸を取り込んでエネルギーを作っています。

では、ブドウ糖と脂肪酸のどちらを取り込むのが、細胞にとって楽でしょうか?

ブドウ糖は、グルコーストランスポーターという輸送体を使わなければ細胞内に取り込めません。通常、グルコーストランスポーターは、細胞内に沈んでおり、何らかの合図があった時に細胞膜に浮上してきてブドウ糖を細胞内に導きます。

例えるなら、エレベーターのようなものです。普段は地下1階にあるエレベーターですが、地上にいる人がボタンを押すと地上に上がって来ます。そして、人が中に入り、地下1階に行くボタンを押すと、エレベーターは地下1階に下りていきます。

グルコーストランスポーターも同じで、例えば、骨格筋や脂肪組織だと、すい臓から分泌されるインスリンの指令を受けてグルコーストランスポーターが細胞膜に浮上してきてブドウ糖を細胞内に取り込みます。

ブドウ糖からエネルギーを作る前段階で、こんな手間をかけないと細胞はブドウ糖を取り込めないのです。

一方の脂肪酸は、輸送体を必要とせず細胞膜を通過できます。

細胞膜は、リン脂質二重層になっており、脂肪酸は自由に通すことができます。だから、ブドウ糖のような手間なく、細胞は脂肪酸を取り込めます。

これだけ見ても、ブドウ糖より脂肪酸の方が、細胞にとって使いやすいエネルギー源であることがわかります。

名医ならこれくらいのことは知っているはずですけど、糖質制限を否定するお医者さんはここには触れませんね。

糖質制限を始めてから気づいたのは、体内でどのようにしてエネルギーを作っているのか、その仕組みを知らないお医者さんが多いということ。

名医でも、理解されていない方は多そうですから、糖質制限に否定的な見解については怪しいと思いながら、記事を読んだ方が良いです。