腕立て伏せで鍛えた筋肉は日常生活であまり活躍しない気がする

自宅での筋トレの定番は、プッシュアップ(腕立て伏せ)ではないでしょうか。

筋トレを始めようと決心したら、とりあえず、プッシュアップ、スクワットクランチあたりから始めるのが一般的だと思います。スクワットは、太ももの筋力を強化するので、続けていれば歩くのが楽になるのを実感できます。また、クランチは腹筋を鍛えますが、こちらも、背筋と一緒に鍛えれば姿勢が良くなってきますから、日常生活で役立っているのを実感しやすいです。

でも、プッシュアップは、続けていると二の腕が太くなっていくのはわかりますが、意外と日常生活で活躍する筋肉ではないことに最近気づきました。

押す力を使う場面が思いつかない

プッシュアップで鍛えられるのは二の腕で押す筋力です。

腕で押す動作って、何が思いつくでしょうか。

エンストした自動車を車道の中央から歩道近くに寄せるとか、そんなくらいしか思いつかないですね。しかも、そのような場面に遭遇することもほとんどありません。

プッシュアップで二の腕の裏側の上腕三頭筋を鍛えると、腕を太く見せることができますし、振袖のように皮膚が垂れ下がるのを防ぐこともできます。だから、プッシュアップをすると、見栄えの良い二の腕にはなります。

ただ、実用面ではイマイチですね。

懸垂で引く力を鍛えた方が実用的

一方で、腕で引く力はよく使います。

例えば、重たい荷物を持ち上げる時を思い浮かべてください。段ボール箱の下に手を入れて、両腕で引っ張り上げますよね。日常生活では、下から上に物を引っ張り上げる動作の方が、押す動作よりも圧倒的に多いです。

だから、同じ二の腕を鍛えるにしても、実用面を重視するなら、二の腕の内側の上腕二頭筋を鍛えた方が良いです。上腕二頭筋を鍛えることで、引っ張る力が強化されますから、重たい物を持ち上げる仕事をしている人には、特に実用的です。

ただ、上腕二頭筋を鍛える筋トレメニューはあまりありません。

自宅で上腕二頭筋を鍛えるためには、ダンベルを買う必要があります。ダンベルを持って肘を曲げ伸ばしすれば、上腕二頭筋を鍛えられます。

他に公園の鉄棒で懸垂をすることでも、上腕二頭筋を鍛えられます。近所の公園に行けばできるので、ダンベルのようなアイテムを用意する必要もありません。

懸垂は、鉄棒を順手で持つ方法と逆手で持つ方法がありますが、上腕二頭筋を鍛えやすいのは逆手です。段ボール箱を地面から持ち上げるときの動作を思い浮かべると、逆手になっていることに気づくと思います。実用面を重視するなら、逆手で懸垂をした方が良いです。

大人がぶら下がれる鉄棒が公園にない場合は、足を地面について行う斜め懸垂をしましょう。子ども用の鉄棒をぶら下がるように両手で持ち、両足を前に投げ出すような姿勢で肘の曲げ伸ばしをするのが斜め懸垂です。通常の懸垂よりも負荷が弱くなりますが、回数をこなすことで上腕二頭筋を強化できます。

プッシュアップと懸垂の両方を行う

引っ張る力を強化するなら懸垂をすべきですが、プッシュアップもして押す力も強化しておいた方が良いです。

懸垂で鍛えられる上腕二頭筋は肘を曲げる動作に使い、プッシュアップで鍛えられる上腕三頭筋は肘を伸ばす動作に使います。

筋トレをする際は、鍛える筋肉と反対側の筋肉も同時に鍛えなければならないとされています。腹筋を鍛えるのなら、背筋も鍛えるといったように。そうすることで、より筋力アップが期待できるとされているんですね。

だから、引く力を鍛えるために懸垂をするのなら、押す力を鍛えるプッシュアップも行う方が効果的です。

プッシュアップで二の腕を太くできたけど、重たい物を持ち上げる力が弱い気がする方は、ダンベルや懸垂で上腕二頭筋を鍛えると良いでしょう。

参考文献