夏になると、よく汗をかきます。夏じゃなくても、体が熱くなれば汗をかきます。
なんで汗をかくんでしょうね。一般的には、体の熱を取るために汗が出ると言われています。皮膚表面に出てきた汗が乾くと、気化熱の効果で体温を下げることができるからという理由です。水は蒸発する時に周りの熱を吸収してくれるというのが気化熱の効果。きっと、暑い時に汗をかくのも気化熱の効果で体温を下げているのだろうということのようです。
でも、この説、ちょっと怪しいと思うんですよね。
湿度が高くても汗が出る
何が怪しいって、湿度が高くても低くても、体が熱くなると汗が出るからです。
湿度が高い状態だと、水は蒸発しにくくなります。湿度が80%もあるような蒸し暑い日は、なかなか汗が乾きません。これでは、気化熱の効果で体の熱を取ることなんてできません。
一方、同じ気温でも、湿度が低いほど汗が乾きやすく、体の熱を取ることができます。
湿度が高い日の方が暑く感じるのは、汗が蒸発しにくいからなんですね。
それなら、湿度が高い時に汗を出すのは無駄じゃないですか。乾きもしない汗を出しても、体温を下げることはできません。それなのに気温が高いと、湿度に関係なく汗を出すのは合理的ではないですよね。
汗を軽く拭き取ると涼しく感じる
汗が気化熱の効果で体温を下げるという説は怪しいですが、汗を上手に使うことで、少しは体を涼しくできます。
汗だくになっている状態だと、なかなか汗が乾きません。だから、気温が同じでも、汗だくになった状態だと非常に暑く感じます。
暑さを和らげるためには、汗はこまめに拭いた方が良いです。そうすることで、皮膚表面に残った微量の汗が乾きやすくなり、涼しく感じられます。先日、猛暑の中を歩き回っていたのですが、汗をこまめに拭きとっていると、暑さがましになりました。今までは、汗を拭かずに歩いた方が涼しいのではないかと思っていたのですが、まちがいでした。
ただ、汗を完全に拭き取ると気化熱の効果を利用できないので、すぐに蒸発する程度の汗は残しておいた方が良いです。真夏だとすぐに汗が出てくるので、完全に汗を拭きとっても問題はなさそうですけどね。
湿度が高い時ほど、汗はしっかり拭きとりましょう。湿度が高い時に汗を拭きとらないと、なかなか乾きませんから暑さが増すだけです。
夏は、汗を拭くためにハンカチを持ち歩きましょう。