野菜から先に食べると食後の血糖値の上昇を緩やかにし、ダイエットにも効果があると言われていたベジ・ファースト。
どうやら、厚生労働省が5年ごとに公表している日本人の食事摂取基準2025年版からは記載されなくなるようです。当然と言えば当然で、こんなニセ科学を国民にすすめていたことがおかしかったんですよね。
野菜は栄養の吸収を邪魔するだけ
最初に野菜を食べることで血糖値の上昇を緩やかにするのは、野菜が栄養素の消化吸収を邪魔するからです。
胃液で消化できない野菜を先に食べて消化管を渋滞させれば、肉や魚などに含まれるタンパク質の消化を邪魔するだろうというのは容易に想像できます。ご飯に含まれる糖質も、消化吸収に手こずるから、血糖値が上がりにくいという発想です。
でも、野菜から先に食べても、その後に食べた糖質が、ゆっくりでも最終的に体内に吸収されれば、インスリンが分泌されて中性脂肪に変換され蓄えられるのですから、太るのを避けることはできません。
仮に野菜を先に食べれば糖質の吸収量を抑えられるというのであれば、最初からご飯やパンを少なめにすれば良いだけです。糖質は絶対に食べなければならない、でも、血糖値は上げてはいけないというのはおかしな発想です。糖質を食べれば血糖値は上がるのですから、血管を傷めるほどに糖質を食べないのが正解。要するに糖質制限をしなさいということです。
また、以前にも書きましたが、GI値もベジ・ファーストと同じ発想ですから、いちいちGI値を覚えたり、GI値が低いものを食べたりしても無駄です。食べた糖質が吸収されれば、血糖値も上がりますし、インスリンも分泌されて中性脂肪が溜まります。
野菜を食べるのは一番最後が理にかなっている
野菜なんて、そんなにたくさん食べる必要はないのですが、どうしても食べたいというのなら、食事の最後に持ってくるのが正しい食べ方でしょう。野菜に多く含まれる食物繊維は、ミネラルの吸収を阻害します。また、食物繊維が豊富な穀物にはフィチン酸が多く含まれており、こちらもキレート作用によりミネラルの吸収を阻害します。
こういうことを知っていれば、野菜を最初に食べるような愚かなことはしません。
血糖値が上がらないようにするには、糖質制限をするしかありません。日本人の食事摂取基準2025年版でも、糖尿病の人が糖質制限をすると短期的に血糖値が改善すると記載されるようです。しかし、その続きもあり、長期間糖質制限をしても、他の食事療法と血糖値に変化がなく、糖尿病の人には糖質制限はすすめられないとの記載になるみたいです。
これって、日本糖尿病学会の糖質制限に対する考え方と同じですよね。どうやら、日本人の食事摂取基準には、日本糖尿病学会の意向が反映されているようです。
とりあえず、無意味なベジ・ファーストが日本人の食事摂取基準から削除されることは望ましいことです。2030年版では、糖尿病の人には糖質制限食を強く推奨するという内容になっていて欲しいですね。