テレビの健康番組で、糖尿病の治療食として糖質制限食が認められたと紹介されていました。『糖尿病診療ガイドライン2024』に糖質制限食が掲載されたことで、そのように言われているのですが、積極的に糖質制限食を認めたとは言えないような記述になっています。
むしろ、糖質制限食はやめておけと言っているように読めるんですよね。
糖質制限食の長期の安全性は認められないとの態度は変わらない
これについては、以前にも以下の記事で紹介しています。
『糖尿病診療ガイドライン2024』には、糖尿病の治療食として、糖質制限食は、短期的には効果があるけども、長期的には科学的根拠が不足しており、現時点では勧められないといったことが書かれています。私が糖質制限を始めた2013年も、長期的なデータがないので危険だと言われていましたが、その頃から態度はほとんど変わっていません。
短期的には糖質制限食を認めるとしたのも、米国の糖尿病学会が糖質制限食に言及したから、仕方なく『糖尿病診療ガイドライン2024』にも載せておくかといった感じに思えますね。
結局、カロリー制限食
そして、最終的にはカロリー制限食にしておけといった態度になっています。でも、カロリー制限食が効果を発揮するのは肥満の人だけで、痩せていて糖尿病の人にどれだけの効果があるのか疑問です。
さすがに痩せている人の場合にも、カロリー制限食が効果的だとは言えないようで、『糖尿病診療ガイドライン2024』にも以下のように記載されています。
過体重・肥満を伴わない 2 型糖尿病および 1 型糖尿病の血糖コントロールに対するエネルギー摂取量の制限の効果については文献が乏しくステートメントにいたらなかった.(40ページ)
痩せている人が糖尿病になった場合、どうするんでしょうね。薬を使って血糖値を下げるしかないのでしょうか。糖質制限をすれば、血糖値が上がりにくくなるんですけど。普通なら、「痩せている人は糖質制限食をした方がいいよ」と言いそうなものですが。
あと、糖質制限をする場合には、お医者さんに相談する必要があるとよく言われますが、健常者がお医者さんに相談する必要なんてないでしょう。私は、お医者さんに相談せず糖質制限をしています。
糖尿病の人で血糖値を下げる薬を使っている人は、お医者さんに相談する必要がありますが、その場合でも、糖質制限食に理解があるお医者さんを選ばないといけませんよ。これまで、糖質制限食に否定的だったお医者さんに糖質制限の知識や経験があるとは思えませんからね。自分で糖質制限をやっているお医者さんだと信用できますが、『糖尿病診療ガイドライン2024』を読んだだけのお医者さんだと、糖質制限について、まともな助言はできないでしょう。
日本で糖質制限食が、糖尿病の治療食として当たり前になる時は、まだまだ先になりそうです。