糖質不足で夏バテ?

先日、「ホンマでっか!?TV」というテレビ番組を見ていると、糖質不足が夏バテの原因だと解説されていました。

糖質不足と聞くと、またまた怪しい理論を持ち出してくるんだろうなと思って見ていたら、やっぱり、糖質が脳の唯一のエネルギー源と言っていたような気がします。気がしますというのは、どうせまた適当なことを言うんだろうなと思って、そんなに真剣に見ていなかったからです。

そもそも糖質不足なんて、血糖値を下げる薬を使わないと、そうそう起こるものではないので気にする必要はありません。

糖新生でブドウ糖が作られる

人体には、血糖値が下がった時に糖質(ブドウ糖)を作り出す能力が備わっています。これを糖新生といいます。糖新生の主原料となるのは、タンパク質と脂質ですから、これらをしっかり食べていれば問題ありません。

ビタミンB群も糖新生には必要になりますが、肉類や卵を食べていれば補給可能ですから、タンパク質や脂質をしっかり摂取することを心がけていれば不足する危険性は低いです。

低血糖になると命の危険があるから、糖質摂取が必要だと言うのでしょうが、血糖値を上げるホルモンには、グルカゴン、糖質コルチコイド、アドレナリン、成長ホルモンなど多く存在しているので、そう簡単には低血糖になりません。だから、糖質を摂らないと低血糖になるなんて基本的に考える必要はありません。

ペットボトル症候群の方が夏バテにつながる

以前にも紹介しましたが、ペットボトル症候群の方が夏バテを起こしますし、健康を害することになります。

ペットボトル症候群は、砂糖などの糖質が多く含まれているスポーツドリンクなどをたくさん飲むことで起こります。スポーツドリンクなどを飲んで血糖値が上がると、それを下げるためにすい臓からインスリンが分泌されますが、頻繁にスポーツドリンクなどを飲み続けていると、すい臓が疲れてしまい、インスリンの分泌量が減ってしまいます。そうすると、高血糖の状態が持続し、体も疲れてしまいます。

現代は、糖質が多く含まれている飲料が簡単に手に入る環境が整っているので、糖質不足よりペットボトル症候群になる危険の方が圧倒的に高いことは言うまでもありません。

「夏バテしないようにしっかり糖質を摂らないと」

と思って、スポーツドリンクなどを飲んでいると、逆にペットボトル症候群になって体が疲れます。夏バテしないためには、糖質を控え、肉、卵、魚をヘビーローテーションするのが正解です。それと、睡眠をしっかりとることも大切ですよ。