筋トレから20時間以内ならタンパク質補給のタイミングを気にしなくて良いのでは?

筋肉をつけるためには、筋トレをした後にしっかりとタンパク質を補給することが大事です。そして、摂取したタンパク質を効果的に筋肉に変えるためには、筋トレ後できるだけ早い時間にタンパク質を摂取することが重要とされています。以下のダイヤモンドオンラインの記事では、筋トレ後のタンパク質補給のタイミングについて解説されています。

この記事を読むと、タンパク質補給のタイミングにそれほど神経質になる必要はなさそうですね。

筋トレ後1~2時間で筋肉の合成速度が高まる

記事によれば、トレーニング後の1~2時間で筋肉の合成速度が急激に高まると解説されています。だから、このタイミングに合わせてタンパク質を補給すると、筋肉量がより多く増加することが期待されます。筋トレ後30分以内のタンパク質補給が大切と言われるのは、この急激に筋合成の速度が高まるのに合わせるためなんですね。

しかし、ここで以下の疑問がわきます。

筋トレ後30分以内にタンパク質を補給しても、消化吸収速度が遅ければ筋合成が急激に高まるタイミングで、体内にタンパク質(アミノ酸)を送り込めないのではないか?

記事を読んでいくと、ホエイプロテインを飲めば1~2時間で血中アミノ酸レベルを上昇させられると述べられています。これだと、ギリギリじゃないですか。筋トレ後の筋合成が高まるタイミングに合わせて血中にアミノ酸を放り込もうと思うと、筋トレの直前に飲まなければ意味ないですよね。ホエイプロテインでこの消化吸収速度なのですから、肉や魚だともっと消化吸収に時間がかかってしまい、筋トレ後の1~2時間で血中アミノ酸レベルを上げるのは難しそうです。

筋合成が優位な状態は筋トレ後24時間持続する

タンパク質の消化吸収速度を加味すると、筋トレ前にガツガツとステーキや焼き肉を食べるのが望ましいことになりますが、運動前にたくさん食べると胃腸に負担をかけそうで、なんか良くない気がしますよね。

寝坊した時、急いで朝食を食べ走って駅に行ったら、電車の中で便意を催した経験がある人は多いはず。私も、自宅を出る前にトイレで全部出しても、早歩きで駅に向かった時は、降車駅で再び便意を催し、トイレに駆け込んだことが何度もあります。

食べたものをしっかり体内に吸収するためには、食後は安静にするのが良いということをほとんどの人が経験則で知っています。だから、筋トレ前にたくさん食べると下痢をして逆効果になるかもしれません。

ダイヤモンドオンラインの記事に以下の記述があります。

筋合成の速度はピークを過ぎたあと、ゆるやかに下降していくものの、合成が分解を上回る状態=“合成優位”な状態は、トレーニング後24時間(長くて48時間)ほど続いている。

この部分を読んだら、筋トレ直後のタンパク質補給にこだわる必要はなさそうだなと思いますね。

タンパク質の消化吸収に最大4時間かかるとした場合、トレーニング後20時間以内に多くのタンパク質を摂っていれば筋合成に影響はなさそうです。

それと、ダイヤモンドオンラインの記事に掲載されているグラフを見ても、筋トレ後1~2時間で筋合成速度が上がるのは、1時間につき0.1%程度です。このタイミングでタンパク質を摂取しても0.15%に上がるだけ。24時間後に摂取しても0.12%の筋合成速度の上昇ですから、筋トレ直後のタンパク質補給にこだわる利点はそれほど大きくなさそうですよね。たった0.03%の差なら、筋トレ後20時間以内にタンパク質を多く摂取する方が効果的に思えます。

どうしても、筋トレ直後のタンパク質補給にこだわるのであれば、食前に筋トレをすれば良いだけですね。