脂質摂取が推奨されるようになってきたけど植物油が健康的というのはいただけない

最近、糖質制限の普及があってか、十分に脂質を摂取することがダイエットや健康にとって大切だと言うお医者さんが増えてきてますね。

脂質は細胞膜を構成しているので、不足すると細胞の健康に好ましくないことは容易に想像できるのですが、それを無視して肥満の原因だとか血管が詰まるとか、脂質の摂り過ぎが生活習慣病の原因だと言われ続けてきました。

でも、それって糖質の摂り過ぎが問題だったんじゃないかと思うんですよね。脂質の摂取を推奨するお医者さんも、そこに気づいているのだと思いますよ。ただ、脂質摂取をすすめていても、動物性脂肪ではなく植物油を推奨しているのがいただけないですね。

植物油は酸化しやすい

動物性脂肪と植物油は、ざっくり比較すると固体と液体の違いがあります。

牛脂やラードなどの動物性脂肪はかたまっていますが、キャノーラ油やオリーブオイルは液体状ですよね。この違いは、動物性脂肪には飽和脂肪酸が多く含まれ、植物油には不飽和脂肪酸が多く含まれていることによります。

飽和脂肪酸を多く含む脂質は高い温度じゃないと液体にならないのですが、不飽和脂肪酸を多く含む脂質は常温でも液体です。常温でも液体の方が血管が詰まりにくいように思えますが、酸化しやすいという欠点があります。

脂質が酸化すると過酸化脂質が蓄積していき細胞が壊れてしまいます。だから、脂質が酸化しにくい状態の方が細胞の健康に良く、不飽和脂肪酸より飽和脂肪酸を多く含む動物性脂肪を摂取する方が健康的です。

脳卒中ラットの実験ではラードやバターの方が長生きした

奥山治美先生の著書『本当は危ない植物油』の128ページに脳卒中ラットに様々な油を投与し生存期間を調べた実験内容が紹介されています。

これを見ると不飽和脂肪酸を多く含む水添大豆油群を投与された脳卒中ラットが全滅するまでの期間は200日未満です。植物油を加工して作られるマーガリンは300日を少し超えて全滅です。

一方、飽和脂肪酸を多く含むラードだと350日超、ラード・シソ油交換油は370日くらいと不飽和脂肪酸を多く含む油よりも長生きでした。他にバターでも実験をしており、途中でエサを食べきったので中途半端なところで中止となっていますが、途中経過の段階で300日を超えても80%近くの脳卒中ラットが生存していたことから、他の油脂より、かなり健康的だと思われます。

飽和脂肪酸に対する誤解については以下の記事でも紹介しているのでご覧になってください。

とりあえず、健康を意識して油脂にもこだわりたいのなら、不飽和脂肪酸を多く含む植物油より、牛脂、ラード、バターを食べるべきですね。牛脂は、スーパーで肉を買ったら無料でもらえることが多いですから有効活用しましょう。

参考文献