医学論文があるじゃないですか。
一般人は、医学論文に書かれている内容を世紀の大発見とか最先端の科学の知識のように思いがちですが、果たしてそうなのでしょうか?なんか統計ばかり使って、AとBは関係があるっぽいようなことしか書かれていない医学論文が多い気がするんですよね。
引用が多い医学論文は価値がある?
医学論文については、形成外科医の夏井睦先生のホームページにおもしろいことが書いてありました。
私が知っている医者に「物理学科の博士号を取得後,訳あって医学部に入り直して医者になった」という人物がいますが,彼によると,物理学科時代は教授に「君の論文の考察には君の考えが書かれていない」と叱られ,医学部では「君の論文の考察には君の考えや解釈を書く必要はない。他人の論文の引用を並べなさい」と叱られたそうです。要するに同じ「科学的」という言葉を使っていながら,物理学科と医学部では180°解釈が異なっているのです。
なるほど、医学論文を書く際は、自分の考えを書いてはいけないようですね。そして、すでにある論文をいくつも引用することが大切なようです。
これって、キュレーションサイトやまとめブログと同じですよね。
キュレーションサイトもまとめブログも、すでに存在するウェブサイトやブログから情報を拝借して作られたコンテンツです。ひどいものになると、他人のブログを1ページまるまる転載しているようなキュレーションサイトもあります。コピー元のブログ運営者に許可を取っているのなら問題ないですが、勝手に全文転載するのは違法ですからやってはいけません。
多くのキュレーションサイトやまとめブログは、他のウェブサイトやブログの一部分を転載しているので引用と言えなくもありません。しかし、キュレーションサイトもまとめブログも、そこに書かれている情報はオリジナルではなく、すでにある複数のウェブサイトやブログから、情報を少しずつ拝借して1つのコンテンツにしています。例えば、10個のウェブサイトから200文字ずつ転載して2,000文字のページを作るといった感じですね。
医学論文も、他人の論文を多く引用するのが良いのなら、文章構成は、キュレーションサイトやまとめブログと大差ありませんね。
新しい知識は何もない
他人の論文を引用してできた医学論文からは、何も新しいことは得られないのではないでしょうか?
それどころか、昔に書かれた論文を引用して作られた医学論文は、すでに捨てられた学説をひっぱり出してくる可能性もあるのですから、間違った情報を社会に流布する可能性もありそうです。査読されているから、そのようなことはないのでしょうけどね。
インターネット上には、たくさんの医学論文が転がっています。誰でも検索すれば、多くの論文を無料で読むことができます。
最新の医学論文を手軽に読めるのは素晴らしいことだとは思いますが、引用ばかりの医学論文を読むくらいなら、1冊本を買ってきて読んだ方が良いと思います。
医学論文をつまみ食いするように情報をあさるよりも、本を読んだ方が体系的に知識を身に着けることができます。
特に医療従事者でもない一般人が医学論文を読んでも、そこに書かれている専門用語がわかっていなければ誤読する可能性がありますから、間違った解釈をする危険があります。
医学論文を読んでいる人は、なんかすごい人のように思えます。でも、その人の文章をよく読むと、単語を誤解して用いていることがあります。
入門書も読まず、医学論文を持ち出して、もっともらしく語っている一般人の文章は怪しいと思って読んだ方が良いですね。