いよいよ東京オリンピックが開幕しましたよ。
私は、この記事を書くためにグラフや表を作っていたので、あまりテレビでオリンピックの開会式を見ていないのですが、それでも、あれだけのことをやろうと思ったら、相当な準備が必要なんだろうなということはわかりました。
オリンピックを開催するかどうかを1ヶ月前や2ヶ月前になって決定することは無理ですね。新型コロナウィルスの感染状況に関係なく、東京オリンピックを開催することは、ずっと前に決まっていたのでしょう。
大阪府では、新型コロナウィルスの勢いが再燃していますが、オリンピックの報道が多くなってきているので、興味を示す人が減っているように感じます。
新規陽性者数の増加の内訳
1月13日から7月23日までの陽性者の増加数を確認していきましょう。なお、データは、大阪府の「新型コロナウイルス感染症患者の発生状況について」のページから取得しています。
まずは、経路別の新規陽性者数の増加表です。
飲食店は30人のまま増えることはありません。それなのに飲食店では、酒類の提供を禁止したりと厳しく規制されています。このところの感染拡大は、飲食店とは関係のないところで起こっているのにかわいそうなものです。
次に年代別の新規陽性者数の増加表です。
30代も1万人の大台に乗ってきました。50代もそろそろ1万人ですね。「だから何?」といった感じですが。
7月に入ってから、70代以上の陽性者数はほとんど増えなくなりました。ワクチンの効果でしょう。
1月13日から7月23日までの新規陽性者数の推移です。
7月21日には、491人まで陽性者数が増加しました。一気に増えてきた感じですが、23日と24日は減少しています。連休の影響で、陽性者数の集計が遅れているのかもしれません。
梅雨が明けて、一気に日差しが強くなったので、コロナが紫外線に負け始めた可能性も考えられます。
今後、陽性者数が増えるのか減るのかは、いまのところ予想がつかないです。テレビで紹介されている専門家の方は、増加すると予想していますが、今まで予想を外し続けているので、今回も外れそうですね。
こちらは検査数の推移です。
7月24日は1万4千回以上の検査が行われ、検査数が増加傾向にあります。
1週間平均の陽性率の推移です。
陽性率が3%を越えてきました。感染が拡大傾向なのは明らかですね。
陽性者数の推移と陽性率の推移を見ていると、周期的にコロナウィルスの勢いが強くなったり弱くなったりしているように見えます。
経路別と年代別の陽性者の推移
経路別と年代別に陽性者の推移を見ていきましょう。
まずは経路別です。
感染経路不明と感染経路不明者の濃厚接触者等が増え続けています。
上のグラフから医療機関、施設、「他」を取り出したのが以下のグラフです。
黄色い線の「他」が増加傾向にあります。「他」には、職場や学校などが含まれています。
一方で、医療機関と施設での陽性者数はほとんど増えていません。医療従事者と高齢者を優先的にワクチン接種を行ったからでしょうね。
次に年代別の陽性者の推移です。
このグラフを見ると、ワクチンの効果が一目瞭然です。
青色の60歳以上の線は、ずっと低い水準を維持しています。
一方、オレンジ色の30~50代、灰色の20代以下は7月に入ってから、ずっと増え続けています。
60代以上も若干増えていますが、これは、60代の陽性者数が増えていることが理由です。60代は、65歳以上はワクチンを接種していますが、64歳以下は未接種です。おそらく、60代の増加は、64歳以下のワクチン未接種の人がほとんどなのでしょう。
ワクチンは2回目の接種が50%程度まで進んでいるとのことですが、1ヶ月前には10%程度だと言われていました。上のグラフを見れば、6月下旬には60代以上の陽性者数が他の世代よりも少なくなっているので、1回接種でもワクチンは十分に効果があると考えられます。
製薬会社の言っていることを杓子定規に捉えて2回摂取を進めるより、ワクチンを希望している人でまだ1回も摂取していない人を優先する方が、効果的でしょう。2回目摂取を待っている人の予約をキャンセルして、1回目の接種を待っている人にワクチンを回すべきですね。特に60歳から64歳の世代を優先すべきです。
年代別の陽性者数の累計です。
70代以上は、ほとんど動かなくなりました。
重症者の状況
重症者の状況も確認しましょう。
1月13日から7月23日までの重症者残留数の推移です。
7月以降、感染が拡大していますが、重症者残留数は減ってきています。最近は40人台で推移しています。ここにも、高齢者にワクチンを打った効果が出ていますね。
菅総理が、「ワクチンで重症者数を抑えられている」とおっしゃられていましたが、まさにその通りになっています。若い世代は、感染しても重症化する確率が低いので、感染が進んでも医療に大きな影響は出ないでしょう。テレビでは、忙しい病院ばかりを取り上げていますが、余裕が出ている病院もたくさんあるはずです。
3月24日から7月23日までの重症者回転期間の推移です。
7月23日には、回転期間が14.4日になりました。
重症解除までの日数は14日程度と考えられるので、重症者回転期間は、今後、重症者数が増加しなければ14日程度で推移すると思われます。7月に入ってから重症者残留数が安定しているので、回転期間は、しばらく14日程度を維持するでしょう。
死亡者の状況
1月13日から7月23日までの毎日の死亡者数です。
死亡者数も、7月以降少なくなっており、ここからもワクチンの効果が出ていることが読み取れます。
同期間の死亡者数は、2,026人です。その内訳は以下の通りです。
20代が1人、30代が7人、40代が21人、50代が73人です。
30代の死亡が1人増えました。
全体の死亡者数が、7月以降かなり減っているので、年代別の内訳に大きな変化は見られなくなっています。
なお、1月13日から7月23日までのコロナウィルスの陽性者の推定生存率は以下の通りです。
- 90歳以上:71.3%
- 80代:80.4%
- 70代:90.4%
- 60代:97.3%
- 50代:99.3%
- 40代:99.80%
- 30代:99.93%
- 20代:99.99%
- 10代以下:100.0%
東京オリンピックで、医療崩壊を起こすと言われていますが、現状の大阪府の感染状況を見ていると、医療がひっ迫する気配が見られません。東京の方が大阪よりも医療に余裕がありそうですから、心配する必要はないでしょう。