大阪府の新型コロナウィルス感染状況(21/01/13-21/09/10)。肥満は重症化しやすいから糖質制限をしよう。

9月に入ってから、新型コロナウィルスの勢いが完全に弱まり、全国的に陽性者が日々減少しています。

感染拡大と縮小の波を見ていると、人の動きとは全く関係がないことが見て取れるのですが、緊急事態宣言が9月末まで延長されることになりました。緊急事態宣言とは関係なく感染が縮小しているのは明らかなのですから、予定通り9月12日に解除すれば良いのですが。

新規陽性者数の増加の内訳

1月13日から9月10日までの陽性者の増加数を確認していきましょう。なお、データは、大阪府の「新型コロナウイルス感染症患者の発生状況について」のページから取得しています。

最初に新型コロナウィルスの経路別の陽性者増加表を確認しましょう。

大阪府コロナウィルス陽性者増加表(経路別)

飲食店は、いつも通り変化なしです。8ヶ月で38人しか陽性者が見つかっていないということは、1週間で1人しか、飲食店での陽性者が発生していないことになります。どんなに飲食店を規制しても、効果は、1週間に1人の陽性者を減らすことしかできないのですから、規制するだけ無駄でしょう。

最初に飲食店が感染を拡大させているとデマが流れたせいで、無意味な対策が行われているのがよくわかります。そして、その後に対策の修正が行われることもありません。

こちらは、年代別の陽性者増加表です。

大阪府コロナウィルス陽性者増加表(年代別)

20歳未満の陽性者数が、7月以降、かなり増えました。

酒類の提供を禁止しても、20歳未満はお酒を飲まないので、この世代の感染を防げるものではありません。ここにも、現行のコロナ対策の矛盾が表れています。

1月13日から9月10日までの陽性者の推移です。

1/13~9/10までの陽性者の推移

この1週間で一気に陽性者が減りました。

大阪府では、月曜日の陽性者数が極端に少なく報告され、火曜日に多くの陽性者が報告される傾向にありました。土日の集計の遅れで月曜日が少なく、その遅れを取り返すように火曜日が多くなっていたと思われます。

ところが、最近は、火曜日も少なめに報告され、水曜日に多く報告される傾向に変わっています。先週の水曜日が3千人越えと過去最高を更新しましたし、今週も水曜日に2千人以上となり他の曜日よりも多くの陽性者が報告されています。

でも、1週間を通して見た場合、明らかに陽性者数は減少しているので、感染が治まっていっているのがわかります。

検査数の推移です。

1/13~9/10までの検査数の推移

検査数はまだ多い状況が続いています。

そして、陽性率の推移です。

1/13~9/10までの陽性率の推移(1週間平均)

9月10日は、1週間平均の陽性率が9.9%まで低下しました。単日での陽性率は6.6%なので、ここからもコロナウィルスの勢いが弱くなっているのは明らかです。

経路別と年代別の陽性者の推移

経路別と年代別に陽性者の推移を見ていきましょう。

まずは、経路別の陽性者の推移です。

1/13~9/10までの経路別陽性者の推移

感染経路不明が一気に減少しました。

これを見ると、コロナウィルスに感染するかどうかは、まったくの運次第と言えます。どこで感染しやすいとか、どこなら安全とか、断定することは不可能です。たまたま集団感染が見つかったら、そこが危険だと言っているにすぎません。

上のグラフから、医療機関、施設、「他」を取り出したのが、以下のグラフです。

1/13~9/10までの経路別陽性者の推移(医療機関、施設、他)

職場や学校などが含まれる「他」は、今週に感染経路不明だった多くの陽性者の感染経路が判明したことから、過去にさかのぼって大幅に修正されました。施設も感染経路不明からの振り替えが目立ちましたが、医療機関は、ほとんど増えていません。

年代別の陽性者の推移です。

1/13~9/10までの年代別陽性者の推移

これまでは、20代以下の陽性者数が多かったですが、今週になって一気に減少し、30代~50代とほぼ同水準になっています。今までもずっと言ってますが、若いほど症状が出やすいから、20代以下の陽性者数が多めに出るだけで、若者が感染を広めているのではありません。

下は、上のグラフから60歳以上を取り出したものです。

1/13~9/10までの年代別陽性者の推移(60歳以上)

60歳以上の感染も治まりつつあります。ほとんどの人がワクチンを接種している世代なので、全体の陽性者数には、それほど大きな影響はありませんけどね。

それでも、重症化しやすい世代ですから、陽性者の減少は、医療への悪影響を小さくする効果が高いです。

こちらは、年代別の陽性者の累計です。

1/13~9/10までの年代別陽性者の累計

10代の陽性者数が、そろそろ50代に追いつきそうです。

重症者の状況

次に重症者の状況を確認します。

1月13日から9月10日までの重症者残留数の推移は以下の通りです。

1/13~9/10までの重症者残留数の推移

7月中旬以降、ずっと重症者残留数が、じわじわと増え続けていましたが、ようやく減少に転じました。これからは、順調に新規重症者数が減り、重症解除者数が増えていくものと思います。

3月25日から9月10日までの重症者回転期間の推移です。

3/24~9/10までの重症者回転期間の推移

重症者回転期間も順調に短くなっており、9月10日には、18.7日になっています。4月から5月の回転期間の短縮と8月以降の回転期間の短縮の傾向がよく似ていますね。

この調子だと、9月17日頃に回転期間が14日になりそうです。

先日、大阪府の吉村知事が、若くても太っていると重症化しやすいと報告していました。目安は、BMI30で、これ以上になると重症化しやすいようです。ちなみにBMIは、以下の計算式で求められます。

  • BMI=体重÷身長÷身長

例えば、私の身長は177cm、体重が58kgなので、BMIは18.5になります。

  • BMI=58kg÷1.77m÷1.77m=18.51

身長は、cmではなくメートルに直して計算してください。

なお、BMIの標準は、18.5~25の間です。

自他ともに認める肥満の方は、重症化リスクを下げるために糖質制限をした方が良いですよ。糖質制限は、米、小麦、果物、砂糖など、糖質が多く含まれている食品を食べないようにし、代わりに肉、魚、卵など糖質が少ない食品を多く食べることです。

脂肪は、糖質を食べるから体内で作られるのであり、糖質を食べなければ脂肪酸合成の化学反応が体内で起こりにくくなります。だから、肥満を防止したり解消するために糖質制限が有効なのです。この辺りのことは、以下の記事で解説していますから、ご覧になってください。

死亡者数の状況

死亡者数も確認しておきます。

1月13日から9月10日までの毎日の死亡者数は以下の通りです。

1/13~9/10までの毎日の死亡者数

この1週間で、死亡者数がこれまでよりも増加しました。でも、内訳を見ると、8月に亡くなっている方も多く、1週間の間に大幅に死亡者数が増加したわけではありません。

1月13日から9月10日までの死亡者数は2,179人です。内訳は以下の通りです。

大阪府のころ感染による死亡者数の内訳(21/01/13~21/09/10)

10代が1人、20代が1人、30代が10人、40代が30人、50代が94人です。

今週、初めて10代の方の死亡が確認されました。10代でも、コロナで死ぬ危険があるとか、デルタ株は毒性が強いとか言い出す人がいそうですが、この方は、基礎疾患があり、重症化リスク因子もあったそうですから、健康な10代を代表するものではありません。また、ワクチンも接種していなかったそうです。

亡くなったのは、とても悲しいことですが、この1例だけで若くても死亡するウィルスだと決めつけるのは早計です。

なお、1月13日から9月10日までのコロナウィルスの陽性者の推定生存率は以下の通りです。

  • 90歳以上:74.2%
  • 80代:83.2%
  • 70代:92.0%
  • 60代:97.9%
  • 50代:99.5%
  • 40代:99.87%
  • 30代:99.96%
  • 20代:99.99%
  • 10代:99.99%
  • 10代未満:100.0%

10代の死亡が確認されたものの、その他の世代では、推定生存率が上がるか変わらずといった状況が続いてます。デルタ株の毒性は、従来株よりも弱いことが示されていますね。

大阪府の新型コロナウィルスの勢いは、しばらく弱くなっていく一方でしょう。でも、過去の傾向から、ある程度まで陽性者数が減ると、再拡大をしていますから、大阪府からコロナが消滅することはないでしょうね。