体の外側にある筋肉をアウターマッスル、体の内側にあって外から触ったり見たりできない筋肉をインナーマッスルといいます。どちらも名称くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
以前は、筋トレといえばアウターマッスルを中心に鍛えることだったのですが、最近ではインナーマッスルの重要性も指摘されるようになっています。だから、インナーマッスルを中心に鍛えているという人もいらっしゃるでしょう。
ところで、インナーマッスルを鍛えるとどういった利点があるのでしょうか?
インナーマッスルは補助的な筋肉
インナーマッスルを鍛える前にまずはインナーマッスルがどういう働きをしているのかを知る必要があります。
坂詰真二さんの著書「やってはいけない筋トレ」では、インナーマッスルはアウターマッスルの補佐的な役割をしていると記述されています。ということは、運動の主となる筋肉はアウターマッスルということですね。
そうすると、プロアスリートの方はともかくとして、一般人にとっては、インナーマッスルを鍛えることよりもアウターマッスルを鍛えることの方が筋力アップには効果的なのではないでしょうか。
インナーマッスルの多くは体積が小さく、両端は関節を跨いで比較的近くに結び付いて、関節の構造を補強する靭帯のような役割をして持続的に働いていますが、発揮する力は弱く、起こせる運動も小さいのです。
このような働きの違いのために、インナーマッスルは極端に減ることがない一方で、筋トレで大きくもなりにくく、一生の間でボリュームがあまり変化しないのに対し、アウターマッスルはボリュームの変化が大きいという特徴があります。(75~76ページ)
筋トレをする際には、大きな筋肉を優先的に鍛えた方が効率的だと言われます。1回の動作で鍛えられる筋肉の範囲が広いからですね。そして、筋肉量が増えれば、普段から多くのエネルギーを消費しやすくなるので、太りにくい体になるといわれています。
こういった観点からすると、インナーマッスルよりもアウターマッスルを優先的に鍛えた方が良いですね。
アウターマッスルを鍛えればインナーマッスルも鍛えられる
アウターマッスルは目に見える筋肉なので、それを鍛えると、がっしりとした体になります。だから、見た目の変化がわかりやすいので、運動能力を高めるだけでなく、ボディーメイクといった点からも適しています。
しかもアウターマッスルを鍛えるとインナーマッスルもその動作を補助するために動くので、両方の筋力アップが可能となります。このような筋肉の動きから考えると、わざわざインナーマッスルだけを個別に鍛えることにそれほど大きな意味はないと言えますね。
さらにインナーマッスルというのは、坂詰さんによると、一生のうちでボリュームにそれほど変化がない筋肉ということです。こういった観点からも、インナーマッスルを積極的に鍛える利点はなさそうです。
とは言え、アウターマッスルを極限まで鍛えた人の場合は、インナーマッスルを鍛えることに効果があるかもしれません。でも、アウターマッスルを極限まで鍛えるなんてことは、スポーツ選手でもない限りありえないでしょう。
だから、一般人は、インナーマッスルのことを気にせず、アウターマッスル中心に筋トレを行えばいいと思いますよ。