10日ほど前に切符くらいの小さな紙を持ったら、その角が右手の人差し指と爪の間に入って小さな切り傷ができてしまいました。わかりやすく言うと深爪したような感じです。
爪を押すと、じわっと血がにじんだもののこぼれるほどの出血はなかったため、そのまま放置しました。すると、翌日に爪の先ではなく、爪の生え際あたりが赤く腫れて熱を持ち始めました。
どうやら細菌に感染したようです。
傷口に細菌がいるから感染症になるわけではない
多くの方は、怪我した時にすぐに消毒しておけば感染しなかったのにと思うでしょうが、この考え方は20世紀で終わりました。傷は消毒してはいけないというのが21世紀の考え方です。
そもそも大した傷ではなかったので、何もせずに放置していたわけですが、まさか感染症になるとは思いませんでした。
どうやって、この怪我を治すべきか。
答えは簡単です。完全放置して自然治癒するのを待つだけです。
症状は爪の生え際が少し赤くなって熱を持っているだけですし、痛みも気になるほどではありませんから、こんな程度で薬に頼る必要はありません。もちろん病院に行く気もサラサラありません。
ところで、なぜ感染症が起こるのでしょうか?
それは、傷口に細菌がいたからと思うでしょうが、細菌が傷口にいることと感染症は関係がありません。細菌が増殖できる環境が存在していることが感染する原因です。わかりやすくいうと、細菌のエサがそこにあるかどうかが感染と関係があるわけです。
私の場合は、爪の先から侵入した細菌が、爪の付け根辺りに移動して、そこに自分たちのエサとなるものを見つけたのでしょう。なぜ、爪の付け根に細菌のエサがあったのかわかりませんが、ひょっとすると、寒くなってきて指先の血流が悪くなり、老廃物が溜まっていたのかもしれません。
「それならそれで、爪の付け根に溜まった老廃物を細菌にきれいさっぱり掃除してもらおう」
そう考えたから、自然治癒するのを待ったわけです。
1週間で完治
爪の付け根が赤く腫れて3日ほど経った頃、爪に近い皮膚が赤色から白色に変化し始めました。腫れは、以前よりもさらに広がっっていました。
どうやら膿が溜まりはじめたようです。これで、細菌に感染して化膿したということが確実になりました。感染してなければ化膿しませんからね。
その後も、ただ腫れている部位を観察するだけ。唯一したことと言えば、生姜紅茶にハチミツを入れて免疫力アップをはかったことくらいです。そもそもハチミツ にどれくらいの免疫力アップの効果があるのかわかりませんけどね。
日が経つにつれて、爪の付け根は赤色から白色へと変化していきます。そして、爪を怪我してちょうど1週間後の午前中に、白色が今度は黄緑色に変わり始めました。
腫れは、さらに増していたものの、これを見て、そろそろ治る頃だろうと思い、なおも観察を継続。すると、昼食を済ませた後に爪が少し濡れているのに気づきました。どうやら白くなっていた部分に小さな穴が空いたようです。
爪の付け根を軽く押してみると、膿が水風船のように出てきます。匂いを嗅いだところ、何やら腐ったような臭いがしました。
この後、爪の生え際から出る膿を全て取り除き、そのままにしていたら、翌朝には腫れが引いて完治していました。
数年前にも足の親指に同じような症状が出たことがありましたが、その時は病院に行って2週間分の抗生物質をもらい、毎日飲み続けて治しました。
でも抗生物質を使うと、体を守ってくれている大腸菌や乳酸菌などの心強い味方も殺してしまうことになります。当時はそんなことを知らなかったから、医師に言われるがまま抗生物質を飲んでいましたが、今考えると、おかしなことをしたなと思いますね。
絶対に侵入できない建物を作れないのと同じで、細菌を物理的にブロックすることは不可能なのだ。創感染を防ぐ唯一の方法は、細菌が増殖できる環境を作らないことだけなのである。
これは、医師の夏井睦先生の著書「傷はぜったい消毒するな」の122ページで述べられていることです。
創感染を防ぐのに消毒液も抗生物質も不用。ただ、細菌が増殖できる環境を作らなければいいだけです。その方法は、夏井先生のホームページで紹介されていますので、ご覧になってください。誰でも出来る簡単な方法なので、知っていて損はないですよ。
今回の私の怪我も流水で洗い流す程度はしておいた方が良かったのかもしれませんが、たまには細菌に感染して自然治癒力を鍛えておくのも良いことでしょう。何より薬を一切使わずに完治したのですから、副作用の心配もありませんしね。
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