大豆のタンパク質は20%しか吸収できない

大豆は畑の肉と言われるようにタンパク質が豊富に含まれている食品です。だから、大豆をたくさん食べると筋肉が付きやすいというイメージがありますし、大豆イソフラボンなんかも美容に良い印象があります。

そのため、普段からできるだけ大豆をたくさん食べるようにしているという方も多いのではないでしょうか?

でも、大豆というのは、思っているほどタンパク質を補給することができないんですよね。

プロテインスコアが低く吸収率も悪い

まず、大豆は、プロテインスコアが低いという問題があります。プロテインスコアは、食品に含まれるアミノ酸のバランスを数値化したものです。この数値が100に近ければ近いほど、アミノ酸のバランスが良い食品です。

しかし、大豆は、アミノ酸のバランスがあまり良くなく、プロテインスコアが56しかありません。タンパク質はアミノ酸から作られるので、このバランスが悪いということは、たくさん食べても、思ったほどタンパク質が作られず、筋肉も付かないということですね。

だから、筋肉を付けようと思うのなら、大豆よりもプロテインスコアの高い卵、肉、魚をたくさん食べた方がいいのです。特に卵は、プロテインスコアが100なので、筋トレをしている人は積極的に食べたい食品ですね。

さらに大豆のタンパク質は吸収が悪く、炒った大豆では、その20%ほどしか人間は栄養として吸収できません。これについては、医学博士の青木皐先生の著書「ここがおかしい菌の常識」に記述があります。

人間の体の持つ能力では、大豆のたんぱく質すべてを吸収することができない。例えば、大豆を炒ったものでは二0~三0%くらいしか吸収できず、あとはカスになって排泄される。(39ページ)

大豆は、100g中に33gほどのタンパク質が含まれています。でも、大豆100gを炒って食べたとしても、7gから10g程度のタンパク質しか吸収できません。これでは、大豆は畑の肉という表現が、誇張にしか聞こえませんね。しかも、プロテインスコアが低いのですから、食べた量と比べると、大して筋肉が付かないのではないでしょうか。

大豆が良質なタンパク質という言葉を過信してはいけませんね。

食べ方でタンパク質の吸収率を80%まで高めることが可能

とは言え、大豆は、食べ方次第で、より多くのタンパク質を吸収できます。「ここがおかしい菌の常識」によると、大豆を柔らかくすりつぶして豆腐にすれば、タンパク質を60%から70%吸収できるそうです。さらに納豆になると80%まで吸収率が上がるそうです。

だから、大豆から効率的にタンパク質を補給するなら、豆腐か納豆を食べた方がいいですね。

ここまであまり大豆のことを良く書いてませんが、大豆は納豆にして食べると、腸内の乳酸菌が増えるというデータがあります。これも、先ほど紹介した書籍に記述されています。

さらに100万個の納豆菌と10億個の病原性大腸菌O157を37度の温度に保った状態にして、同じところに入れておくと、2日後にはO157が10万個に減り、4日後にはいなくなったそうです。

こういった視点で納豆をみれば、健康に良いといえますね。

私は納豆が好きで毎日食べています。タンパク質の補給には肉や卵が良いのですが、まだまだ、これらの食品は生活習慣病の原因になるという誤った常識が蔓延しているため、家族が控えさせようとするんですよね。そして、栄養の乏しい野菜ばかりの食事をすすめてきます。

なので、ちょっとでも栄養を多く補給するために納豆を食べているわけです。もちろん、おいしいから食べているのですが。

参考文献