筋トレは多関節エクササイズと単関節エクササイズのどちらが効果的?

スロートレーニングに限らず、筋トレは、できるだけ大きな筋肉を鍛えるのが効果的といわれています。

筋肉量が増えれば太りにくい体になるとされていますので、手首のように筋肉量が少ない部分よりも太もものような筋肉量の多い部分を鍛えた方が、ダイエット面では有利ということになります。また、1回の動作で、筋肉の広い範囲に負荷を与えた方が時間効率も良いので、筋トレは、できるだけ大きな筋肉を中心に鍛えるのが効果的です。

でも、筋肉に強い負荷を与えたいという場合には、広い範囲を鍛えるよりも、狭い範囲を鍛えた方が良いとも言われています。

初心者は広く鍛えるエクササイズの方がやりやすい

例えば、下半身を強化するスクワットは、太ももの表にある大腿四頭筋、太ももの裏にあるハムストリングス、お尻のあたりにある大臀筋を一度に鍛えることができます。

1回の動作で、これだけ広範囲の筋肉を鍛えることができるのですから、時間効率という面では、スクワットはとても優秀はエクササイズといえますね。だから、スロトレ完全版では、スクワットは「エクササイズの王様」という表現がされており、下半身の筋力アップやシェイプアップに効果的とされています。

しかも、上半身を安定させるために体幹の筋群も同時に使うので、広範囲に筋肉を鍛えるには、もってこいのトレーニングです。なので、スロトレ完全版に限らず、多くの筋トレ本や健康本でも、スクワットを推奨しています。

私もスロトレを始めたばかりの時は、スクワットを終えた直後は、太もも全体が疲れていたので、筋肉を鍛えたという実感がありました。おそらく、筋トレを開始したばかりのころは、ほとんどの人がこのように感じると思います。

だから、スクワットは初心者には適したスクワットと思いますね。

筋肉に負荷を与えるなら単関節エクササイズが有効

スクワットのように股関節、膝関節、股関節と複数の関節を動かす運動を多関節エクササイズといいます。

これに対して、一つの関節だけを動かす運動を短関節エクササイズといいます。

先ほど、スクワットは広い範囲の筋肉を同時に鍛えられる優秀なトレーニングと述べました。でも、スクワットは、多くの筋肉を運動に動員するので、それぞれの筋肉に与える負荷は小さくなります。

これは、重たい荷物を3人とか4人で運ぶのと同じといえます。1人で荷物を運ぶとその重量のすべてが1人にかかります。しかし、3人で運べば3分の1、4人で運べば4分の1に負荷が減ります。つまり、複数人で運ぶ方が楽ということです。

筋トレもこれと同じです。ひとつの筋肉だけを使うよりも複数の筋肉を使う方が、それぞれの筋肉に与える負荷は減ります。なので、特定の筋肉を強化したいという場合には、多関節エクササイズよりも単関節エクササイズの方が効果的といえます。

これは、トレーナーの坂詰真二さんの著書「やってはいけない筋トレ」で紹介されていた内容です。

例えば、太ももに強い負荷を与えたいのであれば、大腿四頭筋とハムストリングスを別々に鍛えるエクササイズを選択した方が良いです。効率的に筋肥大を起こすことができるからです。

この場合、大腿四頭筋を鍛えるにはシーシースクワット、ハムストリングスを鍛えるにはヒップリフトを選択するのが有効です。

どちらのエクササイズを選択すべきか

それでは、多関節エクササイズと単関節エクササイズは、どちらを選択した方が良いのでしょうか?

これは私の意見ですが、筋トレ初心者や筋肉量が少ない部分を鍛える際は多関節エクササイズを選ぶのが良いと思います。初心者がいきなり単関節エクササイズを行うと、とても辛いです。

通常のスクワットとシーシースクワットを実際にやって比較すると分かりますが、エクササイズ後は、シーシースクワットの方が疲れます。初心者がいきなり負荷の強い筋トレをすると、三日坊主で止めてしまう可能性があります。だから、筋トレが習慣となるまでは、無理せずに多関節エクササイズを選択した方が良いでしょう。

反対にスロトレのような自重を使った筋トレは、長い期間続けていると、負荷が軽く感じるようになります。また、自重を使った筋トレの場合、かけれる負荷に限界があります。

なので、長い期間同じエクササイズを続けていて、物足りなくなってきたら、単関節エクササイズを試すと良いでしょう。

なお、「やってはいけない筋トレ」には、単関節エクササイズが10メニュー掲載されています。多関節エクササイズに慣れてきたら、こちらを参考に単関節エクササイズを試してはいかがでしょうか。

参考文献