糖質制限のやめ時はいつですか?

ダイエット目的でも健康目的でも、糖質制限を始めたら、いつやめるべきかを考える人がいます。

糖尿病の方は、食後高血糖を防ぐためにも糖質制限食を継続しなければなりません。でも、ダイエット目的だと目標体重まで痩せることができたら、それ以降は糖質制限をする必要はないと思えます。しかし、糖質制限をやめた後にリバウンドするかもしれないと思うと、いつ糖質制限をやめるべきか悩みます。

いったい、糖質制限のやめ時はいつが好ましいのでしょうか?

死んだ時が糖質制限のやめ時

糖質制限のやめ時は、死んだ時です。つまり、糖質制限は一生続けるのが基本です。

ダイエット目的で糖質制限を始めた人は、痩せてしまえば糖質制限をする必要はないと考えがちです。でも、体に脂肪がつく原因が糖質だと理解していれば、目標体重まで痩せた後も、糖質制限を継続する必要があるとわかるはずです。

もちろん、糖質制限をしなくても食べる量を減らせば体重は減ります。また、食事量を上手にコントロールできれば、糖質制限で痩せた後も体重を維持できます。しかし、糖質を摂りながらの食事量のコントロールは、エネルギーは充足しているけどもタンパク質が不足しているクワシオルコルになりますから、体重は維持できていても、お腹がポッコリと出てしまいます。

健康な体作りには、高タンパク食が基本です。高タンパクを維持しながら高糖質な食事をすれば、エネルギーもタンパク質も充足しますが、糖質制限で減った体重は増加へと向かいます。なので、減った体重を維持しながら健康な体を維持するためには、高タンパク低糖質食、すなわち糖質制限を継続するしかありません。

糖質制限を続けると言っても、誕生日、クリスマス、バレンタインデーなど、たまに甘い物を食べたところで太ることはありません。人によっては、1週間に1回、ラーメンやスイーツを食べに行くこともあるでしょう。その程度であれば、許容範囲です。ダメなのは、米、パン、麺類など炭水化物(糖質)がたっぷり含まれた食品を常食することです。

糖質制限で痩せても、炭水化物を常食し出せば、体に脂肪が蓄積します。体重が増えないように高糖質低タンパクな食事をするとクワシオルコル一直線ですから、体重も体型も維持したいのなら、糖質制限は死ぬまで続けなければなりません。

ネットの情報は体験談を知るため

現在は、糖質制限ダイエットをする人が増えたことから、ネット上で多くの体験談を知ることができます。ブログやSNSを見れば、糖質制限でどれだけ痩せたとか、肌がきれいになったとか、疲労感がなくなったとか、体の変化を感じた人が自身の体験を教えてくれてますね。

一方で、糖質制限で体調が悪くなったという体験談を知ることもできます。

体調が悪くなった体験談は、「本当か?」と首をかしげたくなるものがほとんどですから、糖質制限をせずに適当なことを書いているものが多いのでしょう。だって、それらの体験談に書いてあることが私には起きてませんからね。

そうは言っても、人の体質はそれぞれですから、糖質制限で体調を崩す人はいると思います。また、糖質制限を始めて1週間から1ヶ月くらいは、私も違和感がありましたから、それを不調と捉える人もいるでしょうね。私が糖質制限を始めた当初の違和感は、筋肉が疲れやすい、肌の乾燥でしたが、これらは糖質制限開始後にタンパク質と脂質の摂取量をあまり増やさなかったから起こったのだと思います。今は、タンパク質も脂質も多く摂取しているので、筋肉が疲れることはありません。肌は冬場は乾燥しやすいですけども、糖質制限前よりも乾燥しにくくなってますね。

ネット上の糖質制限に否定的な情報の中で悪質なのは、やりもせずにもっともらしい理屈で糖質制限を否定するものです。

  • 脳のエネルギー源はブドウ糖のみ
  • 糖質制限をすると筋肉が分解される
  • 糖質制限でケトン体が多く合成されケトアシドーシスになる
  • 糖質制限で糖尿病になる

これらは全部ウソなのですが、知識がなければ信じてしまいます。糖質制限で糖尿病になるとか、あり得んでしょう。

このような情報に惑わされないようにするには、本を読むしかありません。ネットの情報よりも書籍の方が信頼性が高いですし、体系的に学ぶのには好都合です。

まず、糖質制限について基本的なことを知っておく必要があります。京都高雄病院の江部康二先生の「糖質オフ!健康法」は文庫で読みやすく、糖質制限がどういうものかを知るのに最適です。糖質の多い食品と少ない食品も一覧でまとめられているのも便利です。

「糖質オフ!健康法」を読んだ後は、栄養学の知識も身に着けておきましょう。栄養学では、自分が食べた物がどのように体に吸収され身になるのか、またエネルギーがどのように作られるのか、生きていくために必須の栄養素は何なのかを知ることができます。

栄養学の書籍では、「栄養学の基本がわかる事典」がおすすめです。特に体の中でエネルギーがどのように作られるのかについて基本的なことを学べるのが良いです。

栄養学の本を読んだ後は、体の中でどのような化学反応が起こっているのかを学びましょう。体の中の化学反応は代謝と言います。代謝の全体像をある程度つかむことができれば、ネット上の糖質制限批判に惑わされることはなくなります。

代謝については、大平万里先生の「代謝がわかれば『身体』がわかる」が読みやすいです。代謝は複雑なので難しいのですが、この本は割と全体像をつかみやすくなってます。

糖質制限をいつまで続けるべきかに悩んでいる人は、ネット上で情報を探すことばかりせずに本で栄養学や代謝を学ぶことをおすすめします。食べた物が体の中でどうなるのかを理解せずにダイエットしようとすることが、そもそもおかしな話です。