先日、テレビ東京の「主治医が見つかる診療所」という健康番組を見ていたら、元プロ野球選手の元木大介さんが出演されていて、糖尿病を宣告されていました。
空腹時血糖が140mg/dlを超えており、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)も詳しい数値は忘れましたが基準値を超えていました。元木さんのように若い頃に体を鍛えていた方でも、糖尿病を発症するのですから、運動をしていたら糖尿病を予防できるとは言えませんね。
その番組では、糖尿病の人が、どのような食事をすれば良いのかを解説していました。どうせ、カロリー制限と運動で血糖コントロールしましょうと言うのだろうと思っていたのですが、意外や意外、糖質制限を指導していたのです。
糖質を食べなければ食後高血糖を予防できる
糖尿病は血糖値が上がっている状態が継続する病気です。糖尿病の方は合併症を予防するために血糖値を上げないようにする、上がった血糖値は速やかに下げることが大切です。
人間は食事をした後に血糖値が上がるのですが、直接血糖値を上げるのは糖質だけです。したがって、米、パン、麺類、果物、イモ類、砂糖など、糖質が多く含まれている食品を食べなければ食後高血糖を起こすことはありません。
タンパク質を食べた時にも、すい臓のα細胞からグルカゴンが分泌されて血糖値が上がりますが、同時にβ細胞からインスリンが分泌されて血糖値が下がるので、見た目の血糖値の上昇は起きません。もしも、タンパク質摂取で血糖値が上がった場合は、すでにβ細胞の働きが弱くなり、インスリン分泌が減っていると考えられます。
これまでテレビの健康番組では、血糖コントロールにカロリー制限を勧めることがほとんどでした。他には、糖質摂取前に野菜など食物繊維が豊富に含まれている食品を食べて、血糖値の上がり方を緩やかにするという方法も、よく紹介されていましたね。
しかし、どちらも、血糖値を直接上げる糖質摂取をやめましょうとは言ってませんから、これらの方法で食後に血糖値上昇を予防することは不可能です。食後高血糖を予防するためには糖質制限が当たり前なんですよね。
低糖質食品の貢献が大きいと思うよ
これまで、カロリー制限や食べ順を考慮する食事ばかりが、テレビで紹介されていたのはスポンサーに配慮していたからではないかと思うんですよね。
食品メーカーがスポンサーになっていれば、なかなか糖質制限を勧めることはできません。パンなんて糖質の塊ですし、調味料にも糖質が多く含まれています。清涼飲料水なんて砂糖水みたいなものです。
これらスポンサーから番組制作費が出ているのですから、糖質の悪口なんてテレビで言えるわけありませんよ。
ところが、最近では、多くの食品メーカーが糖質オフ食品を作るようになってますから、「糖質を控えましょう」と言っても、スポンサー攻撃にならなくなっているのではないでしょうか?
むしろ、新規分野の開拓のためにも、番組内で糖質制限に言及してくれた方が、スポンサー企業にとっては低糖質食品の売れ行きが良くなるはずです。
テレビ番組の中では、白米の代わりにカリフラワーを使った「もどきご飯」が紹介されていました。糖質を制限した方が良いと思っていても、なかなか白米をやめられないという方は、もどきご飯を作ってみると良さそうですね。
糖質制限に慣れてくれば、低糖質食品やもどきご飯を食べようとは思わなくなってきます。でも、糖質制限を始めたばかりだと、何を食べたら良いのかわからないということもあるでしょうから、低糖質食品やもどきご飯を普段の食事に採り入れると、糖質制限を困難に感じないのではないでしょうか。
ちなみに私は、最初から低糖質食品などは食べませんでした。体の変化を早く知りたい方は、いきなり1食の糖質摂取量を20グラム未満に抑えるスーパー糖質制限を始めた方が良いですよ。